詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(113)

2021-04-21 09:46:42 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

*(小さな港まで)
<blockquote>
あの突堤のところまで走つて行つておいで
そこに咲きつらなる希望の花がしほれる前に
</blockquote>
 「咲きつらなる」の「つらなる」がおもしろい。孤立して咲いているのでもない。群れて咲いているのでもない。つらなっている。
 この詩の最終行は「わが子よ」。
 「つらなる」には、嵯峨から子への「つらなり」が託されている。
 「花がしほれる前に」は、子から、さらに先の子への願いがこめられている。港の突堤のように、長くのびるもの。その長さが抱え込む美しさ。そういうことも想像させる。

 

 

 

 

 

*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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