詰将棋解答選手権 速報ブログ

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後援:朝日新聞社 詰将棋パラダイス 日本将棋連盟

【チャンピオン戦出場者インタビュー2010】 第4回 馬屋原剛さん

2010年03月07日 00時00分00秒 | 第7回出場者インタビュー

第7回大会のチャンピオン戦には、第6回の初級戦や一般戦で好成績だった方々のエントリーをいただいております。今回はそういった方々を代表して、馬屋原剛さんにお話を伺いました。

--昨年は初級戦で3分、一般戦で19分と、江東会場はもちろん、全国でも1位でした。事前には想定していた成績だったのでしょうか。
馬屋原「初級戦は一度優勝していたので、ケアレスミスに気をつければかなり速く解けるかなと思っていました。一般戦の方も2年分の過去問で練習してみたら、2回とも過去の優勝タイムより速く解けたので、上位に食い込めそうだなという手応えはありました。でも、全国1位の成績は望外の結果でした」

--初級戦の45分中3分で解いたあと、また一般戦の90分中19分で解いたあと、何をしていましたか。
馬屋原「主に控室で、小泉潔さん(昨年江東会場で出場)に自作の馬鋸の記録作の解説(自慢?)をしていました。あと、初級戦が終わった後、利波さんに詰将棋(詰パラの昨年8月号の短期大学に掲載)を出題され、一般戦が始まるギリギリに解けた気がします」

--控え室にこれがあればいいのに、というものはありませんでしたか。
馬屋原「お菓子やお茶。…贅沢言ってすみません。あ、でも今回はくつろぐ余裕はなさそうですね」

--先ほど「一度優勝」とおっしゃったように、馬屋原さんは2006年にも初級戦で優勝しています。そのときと比べて難易度や手ごたえに違いはありましたか。
馬屋原「まず、問題数が10問から6問に減ったので、取り組みやすかったです。問題の難易度の方も、2006年の作品は大駒の開き王手や、合駒絡みのややこしいものが多かったのに比べ、2009年の作品は比較的素直な作品が多く、やさしくなった気がします。まあ、2009年の最終問題は双玉で移動中合が出てくる凶悪(?)なものでしたが」

--昨年は解答選手権に向けたトレーニングは行いましたか。
馬屋原「基本的には詰パラを普段通り解くことをトレーニングとしていました。また、一般戦に向けて過去問を自分で時間を計りながら解きました。今年はまず過去問に挑戦してから、対策を立てるつもりです」

--どうしてそんなに早く解けるのですか。
馬屋原「やはり、慣れですかね。多くの詰将棋を解けば、様々な手筋や詰み形を覚えることができるのでスピードアップに繋がります」

--今年、初級戦や一般戦に出る方に解答選手権の攻略法を伝授していただけますか。
馬屋原「初級戦は、5手以下の詰将棋をとにかく数多くこなすのがいいと思います。書店の将棋コーナーにいけば、大抵短手数の詰将棋集が売っているので、出来れば中身をちょっと立ち読みして自分のレベルにあった物を探すといいと思います。将棋世界の『あっという間の3手詰』や『実戦に役立つ5手7手詰』もお薦めです。
 一般戦も基本は同じで、まずは短手数の作品をたくさん解いて多くの収束形を覚えた方が有利です。解答選手権の作品は、質がよく収束はカッコよく決まるものがほとんどです。では、初形から収束形に持っていくまではどうするか。当然ながらこれが難しいのです。初手から派手な捨て駒がたくさん出てくる物もあれば、初めは重たく駒を打ち、収束にこれでもかと捌き捨てる作品もあります。うーん、やはり多くの問題を解いて勘を養っていくしかないかのかもしれません。あと、合駒問題は必ず出ると思うので限定合が出たらまず作意で間違いないと思います。ただ、飛び道具を打った直後は細心の注意を払ってください。どんな妙防が出てくるかわからないですから。
 …無駄に長くなってしまいました。結論は『慣れ』です。月並みですみません」

--創作でも名前の知られている馬屋原さんですが、創作を始めたきっかけは何ですか。
馬屋原「うーん、はっきりとは思いだせないのですが、小学生の時に将棋世界の詰将棋サロンで、『入選作に2000円を差し上げます』というのを見て17手詰を作って投稿した覚えがあります。もちろんボツでしたが。それにしても不純な動機ですみません」

--小学生には2000円は大きいですもんね。詰パラの初入選はいつ頃だったのでしょう。
馬屋原「2004年12月号の短編コンクールが初入選でした(下図。作意は本稿末尾に)。44題中37位という芳しくない結果でしたが、頂いた短評に励まされ現在に至ってます」


【馬屋原剛作 詰将棋パラダイス 2004年12月号 短編コンクール】

--先ほどの「詰将棋サロン」ですが、結局初入選は昨年でしたよね。詰パラで入選を重ねているのに、今になって詰将棋サロンにも投稿したきっかけはあるのでしょうか。
馬屋原「ええと…、正直よく覚えてません。確か、お気に入りの作品が詰パラで採用されなかったので、試しに詰将棋サロンに出してみようかな、といった感じです。詰パラはやはり、短評が多く掲載されたり、評点が付くのが魅力です。まあ、図書カードも魅力的ですが(笑)」

--紆余曲折を経て昨年見事ゲットした、詰将棋サロン入選記念の図書カードは何に使いましたか。
馬屋原「家にはもともと図書カードがたくさんあったので、ゲットした分の図書カードは大事にとっておくつもりです…と言いたいところですが混じってしまったのでどれがどれだかわからなくなってしまいました。まあ、普通に将棋の本を買ってます。詰パラも図書カードで買えればいいのですが」

--指し将棋はされますか。
馬屋原「大学で将棋サークルに入っていて団体戦とかに出場しています。でも、普段は気が向いたときにオンライン対戦をしたり、書籍を読む程度です」

--出場者がわからない状況だとは思いますが、チャンピオン戦でのライバルはいますか。
馬屋原「昨年、同じ会場で初級戦・一般戦を戦った小泉潔さんを勝手にライバルにさせていただきます」

--チャンピオン戦での目標をお聞かせください。
馬屋原「試しに去年の第一ラウンドの過去問に挑戦してみました。結果は、80分使用で全問正解か?と思って答え合わせをしたら、谷口作(6番)を誤解していました。ですので、第一ラウンド全問正解が目標です。また、第2ラウンドの問題にはまだ挑戦していないのですが2問解ければなと思います。
 これらの目標が達成できれば80点を獲得できるのでそこそこの順位になれるかなと思っています」

--その他、実行委員会に言いたいことがあれば遠慮なくどうぞ(笑)。
馬屋原「僕の書く字はかなり汚いのですが、採点時には好意的に解釈していただければと思います。あと、問題はできるだけやさしいものをおねがいします」

【過去の成績】
第3回…初級戦1位
第6回…初級戦・江東会場1位/一般戦・江東会場1位

※詰将棋掲載については,全日本詰将棋連盟が「詰将棋パラダイス」2009年9月号で示したガイドラインに則っています.
参考:「詰将棋の引用について」(詰将棋パラダイスHP)

【文中の詰将棋の解答】
▲2三銀    △同 玉    ▲2四銀    △同 玉    ▲3六桂左  △同 と
▲3四金    △同 香    ▲1五馬    △同 玉    ▲2五金
まで11手詰

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