地方で考える ●oyajiの侃々諤々

北信濃の豊かな自然と歴史に抱かれて過ごす日々・・・

ちょっと斜に構えてみれば
???と思うことも多いですね~

それにしても「ギッチョン籠」とは、よくぞつけました。

2008-11-16 | Weblog
11月16日(日)  

笛吹川のたもとにある、 「ギッチョン籠」 に似たカタチの百姓家。
時はまさに戦国時代・・・。
そこに暮らす貧しい百姓一家の、5代にわたる物語です。



この映画の底を流れるものは、
「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の流にあらず・・・」(方丈記)
の、
無常観 でしょうか・・・。
あるいは、
深沢七郎さんの原作で‘60アンポの時節での製作からして、
戦で、
虫けらの如く殺されていく百姓一家にかけた強烈な反戦主張でしょうか?

昨夜は、木下恵介監督の映画 『笛吹川』 (DVD)を観る機会がありました。
実は、初めてです (





撮影舞台の中心は、長野市若穂の千曲川・・・。
勿論、
甲斐の笛吹川にみたてているわけですが、
関崎橋(旧)という長~い木橋と、
背景に見える北アルプスを含む山並が、
木下監督にこの場所を拘らせたようです。
すでに木橋は鉄橋に代わり、堤防もかさ上げされて景観は一変していますが、水の流れと山並は50年前のまま・・・。

高峰秀子さんの嫁入り娘から老婆までの熱演、サスガでした。
で、
面白かったのは、百姓あがり?のにわか武将が善光寺本尊を背負って意気揚々と馬で凱旋するシーン。
あれが 信濃善光寺の本尊 ですか (

  (甲斐善光寺) 


百済から、初めて日本に伝えられたという仏像の善光寺本尊。
戦国の時代には武田や、上杉や織田や豊臣や徳川と権力者によって転々。
慶長3年(1598年)には元の信濃に戻されたと言われていますが、善光寺本尊は誰も見ることができない秘仏。
そのミステリアスなところも魅力のひとつ?ですね。


上映に先立って、『野菊の如き君なりき』『風花』『笛吹川』と3本のロケで木下監督や俳優の休息所となった、関崎橋近くにお住まいのTさんの「思い出話」がありました。
すでにご高齢ですが、当時の記憶は鮮明ですね。
高峰秀子、岸恵子、岩下志麻、笠智衆、田村高広、市川染五郎等々、きら星の如くの俳優さんたちとたくさんの思い出をお持ちで、うらやましい限り 

  (高峰さんから贈られた自作の陶器)

まあ、
会場は当時を懐かしむ中高年でギッシリ。
女性が多かったですね。
「長いね~」(←繰り返される世代交代と戦場場面)
「言葉が分かりにくかった・・・」(昔言葉でしたし)
という感想も聞かれましたが、
確かに映画の内容は、
ある程度歴史のストーリーを知らなければちょっと退屈かな?

それにしても「ギッチョン籠」とは、よくぞ名づけました。
竹ひごでできた虫籠。
あんなカタチでした。
ギッチョン・・・。
子どもの頃はバッタみたいな虫を、そんな風に呼んでましたね。
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