サルバトール・だれ?  by 澁澤寅彦

笑いは地球を救う。
妻Rは足下をすくう

「翻訳はいかにすべきか」柳瀬尚紀著 岩波新書 (更新)

2005-07-08 23:36:48 | 読むべし 外国語学習
知り合いに頼まれて、フランス語A4を1枚日本語訳しています。
いつもの金融経済関連なので、慣れた分野ではあります。
文芸翻訳に比べて文章のひねりが無く、また、意味が通れば良しという部分もあり、気楽にやっておりました。
そうした中、しばらく前に(ブックオフではなく)書店で買って詰んで置いた本、「翻訳はいかにすべきか」柳瀬尚紀著 岩波新書を読み始めました。
身の引き締まる思いです。

序文に引用された、三島由紀夫の『文章読本』の一節。
「一般読者が翻訳文を読む態度としては、わかりにくかったり、文章が下手であったりしたら、すぐ放り出してしまうことが原作者への礼儀だろうと思われます。日本語として通じない文章を、ただ原文に忠実だという評判だけでがまんしいしい読むというようなおとなしい奴隷的態度は捨てなければなりません」(本書での引用は旧仮名遣い)

日本語力の弱い私は、とても学ぶところの多い本です。
昔は日本語がもっともっと豊かだったと知らされます。

翻訳を志す方にお薦めです。

--------追加

読み終えました。

途中から「俺の翻訳が正しいんだ、あいつらの翻訳はここが間違っている」という話が多くなって、やや抵抗がありましたが、確かにそうだという部分は納得できました。

著者が若き翻訳志望者にお薦めするのは、吉増剛造、加藤郁乎、吉田健一。(85ページ)
いずれも私は読んだことがなかった。

また、著者が学生時代から何度も(原書と訳文を首っ引きで読んだのが)、「フランドルへの道」クロード・シモン著 平岡篤頼訳 白水社 (34ページ)
これはブックフェアで買いました。

もう一つ面白かったのは、堀口大學の引用。翻訳好きの堀口は
「詩をわがものにするには、原作にフランス語の着物を脱がせ、一度裸にした上で、これに僕の言葉の着物を着せる以外の手はないと気づいた」(114ページ)
単に単語を置き換えるだけではニュアンスが失われてしまう。
これは翻訳に限らず、外国語/母語の切り替えの中でいつも問題になる部分である。

これまでも書いてきたように、外国語で表現された外界の事象を、自分の中のその外国語のフィルターを通して受け入れてイメージを再構成する。それを今度は日本語のフィルターを通して日本語でアウトプットする。それにより最初と同じ外界の事象が再現できるかどうかである。
これらのフィルターを整備していくのがまさしく外国語学習であろう。




大画面テレビ/プロジェクター

2005-07-08 23:23:51 | Weblog
昨夜の妻R
「私、大きい画面のテレビが欲しいわ。あるいはプロジェクターで、向こうの壁にスクリーンを下ろして....」
私は聞こえないふり。

そして今夜。
玄関を入ってまず気が付いたのは、リビングの模様替え。
妻Rは模様替えが好きなので、驚くことではないのだが。

そして食事。
いつもはテーブルの近くにおいてあるテレビが、部屋の向こう側に置いてある。

私「ちょっと遠すぎて見えないね」
妻R「ほーら。大画面が欲しいでしょ!」

恐るべし、妻R。


ロンドンテロ

2005-07-08 06:43:10 | Weblog
かつて働いていた職場(その1)は、地下鉄のMoorgateとLiverpool Stの間。まさに事故現場の真上にありました。
ロンドン時代にもドックランドのテロなど、いくつもありましたが、IRAは人のいない時間にテロを仕掛けていました。
それに比べるとアルカイダは....