サルバトール・だれ?  by 澁澤寅彦

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豪雨、越前和紙・越前漆器に大打撃…平山画伯も激励

2004-07-23 16:37:16 | Weblog
「福井豪雨」は、全国の和紙生産量の6割を超える「越前和紙」や、業務用の約8割を占める「越前漆器」など、福井県の伝統産業にも大打撃を与えた。越前和紙発祥の今立町では紙すきの水が土砂で茶色く濁り、越前漆器の産地・鯖江市では加工用機械が水浸しになった。生産再開への“苦闘”が続くなか、越前和紙を長年愛用する日本画家の平山郁夫画伯や、写経に使う奈良・薬師寺の安田暎胤(えいいん)管主から激励や見舞いの電報や電話が寄せられ、職人たちを勇気づけている。

 1500年の歴史を持つ越前和紙。柔らかさと強さを兼ね、平山画伯や横山大観ら著名な日本画家が愛用、薬師寺も伽藍(がらん)復興のための写経勧進で使っている。

 しかし、45の工場や工房が並ぶ今立町大滝は、豪雨で川があふれ、濁流が押し寄せた。紙すきに欠かせない川の水や地下水も濁り、県和紙工業協同組合は「すべての工場の再開まで1か月かかるかもしれない」と嘆く。

 県無形文化財に指定された和紙職人、岩野平三郎さん(73)の工場もコウゾなど原料約2トンと商品の和紙数百枚が水没。紙すき道具が散乱し、わき水をくむモーターも壊れた。

 途方に暮れる岩野さんのもとに20日、平山画伯から見舞いの電報が届いた。19日には、安田管主から「頑張って下さい」と激励の電話がかかり、翌日、薬師寺からぞうきんとタオル計100枚が送られてきた。

 薬師寺は「写経勧進を続けてこられたのは、同じ品質の紙を真心込めて作ってくれているから。1日も早く立ち直ってほしい」としている。

 岩野さんは「多くの励ましに応えられるよう早く仕事を再開し、これまで以上の品質の紙をすきたい」と若い職人らと泥のかき出しなどに力を入れている。

 一方、鯖江市河和田地区では、漆器生産業者や販売店など約300軒のうち、ほぼ半分が床上浸水。木やプラスチックで器を作る加工機械が水につかり、漆塗り職人の井上清兵衛さん(67)の作業場では、へらやはけなど道具類の半分近くが流された。

 山田一典さん(34)の漆器店も椀(わん)や盆など約5000点の大半が水浸し。店には、常連客らから「何か手伝えないか」「納期を延ばしてもいい」などと電話があり、山田さんや従業員を元気づけている。(読売新聞)