5番街を抜けると
路地裏で誰かが焚き火で
冷えたこころを暖めようとしていた
震えた手のひらをコートのポケットで握り締め
僕は薄暗い街並みを徘徊した
排水溝から汚染されたガスが零れる
淀んだ川の水面には
誰かの希望が沈んでゆく
拳を叩きつけたコンクリートの壁に
悔しさの赤がこびりついた
トマトの赤が籠から落ちた
宣伝された虚構が
まるでなにかの活動の様にざわついた
勘弁してくれ
途方に暮れた深夜に
煙草が切れるなんて
灰皿をあさり
吸殻を探し当てマッチで火を付ける
何時かの肖像
徘徊した窓辺を
抜け出した筈の領域は
だがしかし
いつまでも僕を捕らえて離さない
無常な虚無感だけが肺の中に納まった
暗闇では花の色は見えない
通り過ぎる車のナンバーなど
とっくに忘れた
まるで最後に食したパンの切れ端とワインの赤
いつかの絶望は全体何色だったのだろう?
空気が霞む
テーブルライトの下で
可能性が沸騰点に達し
空間の中に消えて無くなってしまう
永遠に5番街を徘徊する夢を見る
誰かの空気が手招きをする
声がする
駄目だよ
そっちはあんたの世界じゃない
僕は振り向き
青い月に独白する
それなら
それなら僕の世界は一体何処なんだい?
声は聴こえなかった
手招きを無視して又歩き始める
がらくたの山に埋もれたジャンク屋
僕自身が壊れ物の烙印を押された場所だ
修理不能です
ぴーぴーぴー
ガガガ
音声が冷徹に僕を分析した
誰かが憐れむような目つきで僕を一瞥して
パーティー会場に消えた
トイレの鏡で自分の姿を見た
赤い鼻をした道化が映っている
青い道化だ
それが僕だった
ご機嫌にもあたまにひまわりの花を刺している
皆が嘲笑した
僕も笑った
引きつった笑みを絶やさずに
舞台に立たなければならない
大きな玉に飛び乗り
勢いよく転んでみせる
誰かが笑った
僕は丁寧にお辞儀する
いつかの肖像
5番街の肖像
永遠に終わらない物語
救いの可能性は午前三時に消えた
街の風景
路地裏で誰かが焚き火で
冷えたこころを暖めようとしていた
震えた手のひらをコートのポケットで握り締め
僕は薄暗い街並みを徘徊した
排水溝から汚染されたガスが零れる
淀んだ川の水面には
誰かの希望が沈んでゆく
拳を叩きつけたコンクリートの壁に
悔しさの赤がこびりついた
トマトの赤が籠から落ちた
宣伝された虚構が
まるでなにかの活動の様にざわついた
勘弁してくれ
途方に暮れた深夜に
煙草が切れるなんて
灰皿をあさり
吸殻を探し当てマッチで火を付ける
何時かの肖像
徘徊した窓辺を
抜け出した筈の領域は
だがしかし
いつまでも僕を捕らえて離さない
無常な虚無感だけが肺の中に納まった
暗闇では花の色は見えない
通り過ぎる車のナンバーなど
とっくに忘れた
まるで最後に食したパンの切れ端とワインの赤
いつかの絶望は全体何色だったのだろう?
空気が霞む
テーブルライトの下で
可能性が沸騰点に達し
空間の中に消えて無くなってしまう
永遠に5番街を徘徊する夢を見る
誰かの空気が手招きをする
声がする
駄目だよ
そっちはあんたの世界じゃない
僕は振り向き
青い月に独白する
それなら
それなら僕の世界は一体何処なんだい?
声は聴こえなかった
手招きを無視して又歩き始める
がらくたの山に埋もれたジャンク屋
僕自身が壊れ物の烙印を押された場所だ
修理不能です
ぴーぴーぴー
ガガガ
音声が冷徹に僕を分析した
誰かが憐れむような目つきで僕を一瞥して
パーティー会場に消えた
トイレの鏡で自分の姿を見た
赤い鼻をした道化が映っている
青い道化だ
それが僕だった
ご機嫌にもあたまにひまわりの花を刺している
皆が嘲笑した
僕も笑った
引きつった笑みを絶やさずに
舞台に立たなければならない
大きな玉に飛び乗り
勢いよく転んでみせる
誰かが笑った
僕は丁寧にお辞儀する
いつかの肖像
5番街の肖像
永遠に終わらない物語
救いの可能性は午前三時に消えた
街の風景