眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

バーボンでしょう?

2006-09-30 | 日記
弱弱しい赤いランプが揺らめく
 炎の行方について
  誰が創造しえたであろうか?

  しつらえたベッドのシーツは
   それこそやけに赤裸々で
    それはざくろの実の赤く割れた部分
     スコールの様に散らばった
      無数の夢の名残

   神経質な歌声で
    「友よ 答えは風の中」
    永遠が続けば良い
  
   舞台のしじまに憶測が流れた
  やあ
 舞台の貴方が現実なのか
僕の暮らしが夢なのか
 ひとつ賭けてみないか
  カードを配った

                   テンニマシマスワレラガチチヨ
                  ネガワクバミナノトウトマレンコトヲ
                 ミクニノキタランコトヲ


    準備運動に集中する
     年輩の水泳者
    明日も天気だ


    教えて
    愛するものよ
  
    意識す
     絶を




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縁側

2006-09-26 | 
ある夏の日の午後
 お寺で住職と煙草を吸った
  手土産に持っていった
   基地で買った珈琲をとても気に入ってくれた

 時間がたつのは
  はやいもんです

   住職は呟き赤ラークに火を点けた
    蝉の鳴き声が止まない
     その声は
    渡った魂たちを祝福しているのだろうか?

  僕も煙草を取り出し
   境内の景色に眼を細めた

 世界は美しい と想うんです
  たとえ哀しいことが多いにしても

   そうですか
    私は子供のしつけによく気を配ります
     父親ですからね
      毎日お風呂に入れるときなんかまるで
       戦争ですよ

    紫の煙が日差しに透けてとても綺麗だ

   僕は宗教を持たないんです
  住職は微笑んだ
 それで
それで何か不都合がおありでしょうか?

  僕は答えにつまって珈琲を飲んだ

  時と場合によりけりですかね
   多分その程度のもんです

   紫の煙が宙空を舞う

   お暇な時間が取れたら座禅でもどうでしょう?
    是非 遊びにいらっしゃい

    帰り際
     住職が僕を呼び止めた
         さんお酒飲めますか?
     まあ人並みには飲みます

   お酒持って行きませんか?
  檀家の方がくだすったんですけど
 一升瓶二十本も贈ってくれてね
途方に暮れてるんですよ

  それで僕はお寺で日本酒を二本頂戴したのだった

   ありがたく少しずつ頂きます

   そう云うと住職はこう云った

  日本酒は開けたら早いうちに飲まないと駄目になりますよ
   そのうちバーベキュー予定してますから
    時間がとれたら是非ご一緒に

   家に帰った僕は早速一升瓶を開けた
  仏壇にも一杯お供えして
 線香を焚いて縁側で酔いどれた
世界が回る
 普段気にも留めない庭の草花に目をやった

  それは哀しくて優しいいつかの記憶


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酔いのまどろみに

2006-09-15 | 音楽
ダーウィンの進化論なんて嫌いだ
 知能指数という言葉の選別的な部分が
  利用された
   利用された

  容易な手段で
   ひとはひとを判別し烙印し
    そうしてひと安心するのだろう

   酔いのまどろみに想う
    ひとの気高さと被虐的な十戒
     飼いならされた羊にはなれないらしい
      たぶん 僕は

    周到な判事の手さばきで世界を裁くなら
     どうでもよい
      縁側で酒を喰らって
       優しいまどろみで週末を待とう

                 本を貰った

          柔らかな言葉の羅列
         それは魂の存在の
        優しさを孕んで
       僕は
      ページをめくりながら
     シーバス・リーガルをロックで

    「青」

   ピカソの哀しいくらい切ない色は
  僕を受け入れる
 
 今日は酔っ払っているね

   隠された秘密は
    院長室にあった
     ホルマリン漬けの脳みそ
      子供の頃
       窓から背伸びして覗き込んだ
        暑い夏の少年の頃

         ひとはたぶん
        魂の存在だ
       誰もそれを犯せない

      もう一杯飲んで眠ろう
     明日も仕事だ

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手短な手紙

2006-09-11 | 
やわらかい空気の戯れ
 同時進行中の眠りのまどろみは
  成分のなかに夢を
 そうっと溶かし込む

  誰の為でもない
   一瞬の紺碧は
  空と海の狭間を失わせる
 完璧に
自然発生的に

  よどんだ空気の重さが
   僕の神経を磨耗させる
    良い顔をする自身と
     身近な何かに優しさひとつ持てない歯がゆさは
      何度歯ブラシしたって
       消えること無い
        毎日の矛盾なく暮らし

    夢見たものは

  遠くで「音」
   
    近くで「観」

     やがてソレラを駆使し
      僕は祈りの様相を呈する

       ろれつの回らない
      掠れた声で口ずさんだ

     「イマジン」

    君が歌ったときより
   世界はそう変わってはいないらしい

  混濁する意識化に於いて
 なお守護するもの達へ

   毎日の暮らしの中で
    乱雑な営みの中で
     忘れてはならない
      たいせつなもの

       忘れてはならない

        この日に

            9.11


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境界線

2006-09-11 | 
ダンボール箱のおもちゃの家は
 押さない時分には「基地」と呼ばれ
  たいせつな宝物を隠す
   絶好の場所

  ハックル・べりー・フィンの
   木の家の自由な世界を
    模索する

  真昼間から
   秘密の家で懐中電灯をかざし
    音楽を聴いたり
     本を読む
      あの頃
       何を読み何を聞いたのかは
        忘れてしまった

    想い出せない記憶に
   やたらとやるせないのだ
  あの頃に戻れたならばと
 まあ
甘ったるいお菓子を齧りながら
 夢の名残に想いを馳せるのも悪くは無いけれど

   ただひとつ

   いつ子供をやめて
    いつ大人と呼ばれるようになったのか?

     永遠の謎ではある
    
     も一度
      ダンボールの家にこもりたい
       ワインを二、三本持ってね

        夢の名残


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青の独白と灰色の沈黙

2006-09-01 | 
言葉を介さねば伝わらない
 言葉にしてしまうと無力に到達した
  非言語的コミュニケーションは
   ただ
   あなたにここにいてほしい

 青の独白は依然脈絡の果て
例えるならば
どうにもならない世界の不可解
 今はあまり見ない
  カセットデッキで雨漏りの音を録音した

   ぽとり
    ポトン

    灰色の沈黙のなかで
     僕は言葉の無意味さに呆れ返るのだ
      真実なんて在るならば
       優しい駅長が路を教えてくれる
        そんな優しさの成分なのだろうか?

       ささいな出来事が優しい
      普段余り口にしないチョコレートが
     やけに美味しいんだ
    疲れていたのだろうか?
   朝ご飯に感謝する
  小魚でしっかりだしを取った味噌汁
 玉子焼きの半熟度合いには
  何故かこだわりがあるのだ
   皿を割ってしまえば
    それらは意味を失くすのにね

    青の独白
     灰色の沈黙

     語るべきこと
      そっとこころに隠すもの

     コンクリートの隅っこで
      青いビー玉を拾い
       十年間持っていた
        
      「ボンネットには
        俺達のサイン
         そしてビールの缶潰したら
          この街を離れよう・・・」

     そして誰もいなくなった

    もし繋がるのならば
   伝えて
  お願い
   独りぼっちの背景は灰色の沈黙
    僕の青の独白

      いつかまた

      言葉が途切れる

      あなたにここにいてほしい

      ただそれだけ


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