眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

空き地

2009-09-27 | 日記
乱立した高層ビルの隙間で
 風に吹かれ
  わずかな空間の隙間で寝泊りした

   場末の店の皿洗い
    酔っ払いの相手に
     餌を口にするのも楽な筈なんて
      無かった

   意思を更迭される
  貫きとうすには
 夢は危うげに脆すぎる
たまに訪れる愉快な客は
上手な酒の飲み方を教えてくれた

 止めなさい
  と怒号の声が叱責する
   僕は
    そうですか
     とあくびをひとつ
    ビルの隙間の公園で
   夜遊びするには金が無く
  押しつぶされる幻想は
 それでもいつだって大切な何かだったんだ

  烏合の衆になんて為りたくなかった
 子供じみた熱のこもった光景も

  間違え

   という言葉を浴びせかけられるのだが
    未だに
     この意味すらわからない
      
     僕は間違えを愛す

   暖かな鍋を気の利いた仲間とつつくんだ
  酒は上手かったし
 賞味期限切れの材料だって
立派な食い物だ
 ロビンソン・クルーソーみたくね
  少なくとも
   間違えだなんて
    野暮な事を気にかける
     そんな暇は僕等には無かった

    両脇に抱え込んだ夢を
   酔いにまかせたギターの音色も
  狭いアパートの一室で
 キーボードとベースとギターを掻き鳴らし
まるでちんどんやだ
 苦情の電話が止まないので
  そのまま
   横断歩道の信号待ちの時間
    僕等は歌い続けたんだ
     迷惑な話さ
      遠い昔だ

     空き地で
    少年は大切な楽器を
   泣きながら抱きしめた
  借金のかたになるらしい明日
 僕はあんなに純粋に涙を流せるだろうか?

   空き地なんて
  もうとっくの昔に駐車場になったよ

   嬉しそうに知らない人物が
    まるで手柄を見せびらかすように話した

     下らない

    僕は間違えを愛す


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ジェリービーンズの瓶

2009-09-19 | 
手紙を封印して
 瓶に詰めて海に投げ捨てた
  野良犬がやって来て餌をねだる

  ジェリービーンズの瓶
   マーマレードの空き瓶
    昨日空けたワインのフルボトル

   何だってよかった

    燃やすには
     少しばかり重たい記憶は
      瓶詰めにして何処か遠くへ流そう
       運が良ければ未来永劫海水を彷徨い
        運がなければ誰かの手にわたり
         失笑を買う

       たいがいが
      モノクロームの映像だ
     記憶は都合良い日を選びたがる
    ボールペンで殴り書きにした文字の羅列は
   何時か貴方の街へ届くだろうか?
  手書きの内容は貴方の想像力を喚起するだろうか?
 それともやはり
  それらは未解読の暗号のままなのだろうか?

   甘いのが嫌いなので
    ジェリービーンズは君が食べた
     その空き瓶だけが
      ただ残されたんだ

      ワインのボトルは腐るほどあるが

    モールス信号が発明されてた事実を
   馬鹿な僕は忘れていたんだ
  なんだか
 いつだって時代遅れだね
  君の苦笑が懐かしい夜は
   乾燥した皮膚の痒みが治まらない

    一秒と一年が同じ意味を持つ柔らかな時間
     ついついそれが
      奇跡だったとキズクノハ
       むしろ手遅れになってから

        世界は丸いんだね

     意を決して投げたはずの瓶が
    缶ビールの飲み干す間もなく
   僕の足元の波打ち際で
  ゆらゆら漂う

    格好つかないったらありゃしない

     ジェリービーンズの瓶を
    僕ひとりで空けるには
   一年位かかりそう
 
   好き嫌いはだめだね

    格好つかないったらありゃしない


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切れた弦

2009-09-16 | 
一弦が突然切れた
 そこにある筈の弦に触れようとする度に
  指先は空虚な空間を空振りした
   そこにある筈のもの
    何時しか無くなった弦の感触を擬似し
     鳴る筈の無い主旋律を奏でようとする
      弦が一本切れただけの事だ
       だがしかし
        この指先の先に触れることの無い弦の存在は
         哀しくて空虚で不安だった

         無くなった主旋律を探して
          僕は何度も指先に触れる事無い弦に空振りをする
           無くしてから気付く存在の重み
            もう戻れない
             そこにある筈のもの

          全体僕等はこの惑星に於いて
         一体何を失ってしまったのだろう?

        野良猫は不意にその姿を消した
       何の前触れも無く
      まるであの気の置けない仲間達の様に
     音が聴こえない
    夜中の二時に君がささやいた歌が聴こえない
   クラッカーを齧りながらビールの缶を机の上に並べた

  君は不意にその存在を消した
 まるで白墨で描いた悪戯書きを黒板消しで消失させるが如く
あるべきものが無い事
 弦の切れたギターを抱えて
  僕は深いため息をつき
   失った世界にウイスキー臭い呼吸を発す
    
    連絡のつかない携帯電話

    この廃墟の21世紀に於いても
   人は安易で用意にその存在をマンホールの地価に埋葬する
  そうしてこの狭い世界の中ですら
 二度と会えないのだ

あるべきものが無いという午前二時の空腹は
 奇妙に切ない
  皆が眠る深夜
   僕は切れた一弦を創作する
   
   そこにあるべき筈のもの

   呼吸の音と

   失った一弦に捜索願を出す

   見つかるはずに無い机の上の

   大切な人


   記憶は容易に消え去る

   まるでいなくなった友人達の様







 
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チムチム・チェリー

2009-09-12 | 音楽
何を弾こうかと、楽譜をひっくり返した。
映画音楽がいい。
映画音楽には物語りがあるので、感情移入しやすい。
 
  できるなら白黒映画が良い。

「チムチム・チェリー」のメロディーが好きだ。
哀しいような明るいような不思議な曲だ。映画「メリー・ポピンズ」は残念ながらまだ観ていない。でも、この曲には何故か不思議と惹かれたのだ。
思うに、こういう映画音楽はギターにすごく相性がいい。
いつか年老いて、何処かに住むことになったら、僕は映画音楽を中庭で煙草を吹かしながら弾いてみたいのだ。
この曲は単純な曲だけれど、とても素敵だ。
だいたい難しければ良い曲、とばかりは云えないだろう。
単純明快なメロディーは普遍的だ。夢心地。酒のつまみには最高だ。
「マルセリーノのテーマ」と、どっちにしようかと少しく考えたけれど、タイトルの可愛い響きで「チムチム・チェリー」を弾くことにした。

最近は、ギターは酒のつまみだ。
 でも、自分で弾きながら例えばワインをちびりちびりやると、生きててよかった~、なんて思うんだ。
 おおげさかな?

  でも音楽にずいぶん救われたんだ。

   いいよね。
    音楽。


コメント (4)
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