眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

おにぎり

2011-07-25 | 
さよならの具合は難しい
 調理に手間がかかる
  香辛料の加減が微妙だし
   だいいち また
    塩と砂糖を間違えた

  スパゲッティーの湯で具合には
   余りこだわらないんだ
    アルデンテでなんて食べたためしがない
     腹に入れば上等だ
      パンの耳を齧る

   君と僕とあなたとわたし
    我々とみんなと
   友達とか家族
  崩壊してゆく関係性のなかで
 ご飯が炊けるのだろうか?

        マンドリンのトレモロが一層心地よさげさ
         あるいは
        場末の酒場で聴こえたバンドネオンの楽団

 ゆらゆら揺れ
  浮遊し だが 抱擁される夢を見る
   白昼夢さ
    伯爵が黒いステッキで暖炉を指し示す
     どうやら薪が不足気味のようだ
      コニャックを舐めた

     優先順位をつけることは
      果たして本当に必要なのだろうか
       壊れた時計と
        動かない歯車と
         どっちが優位なのだろう?
          答えが出たなら連絡を

     歪んだ空間を演出し
    他愛のない音や言葉にこころをこめた
   まるで両の手のひらで握るおむすびの様

  おにぎりは良いね

 調理に適当で

   暖かく

    美味しい


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ベース・マン

2011-07-19 | 
友達がコントラバス・ギターを残して東京に行った。
この楽器を前に、途方に暮れた。
僕が大昔に持っていたベースはフェンダーの箱物で、当時めずらしいピエゾピックアップが乗っていた。生音も独特でわりと気に入っていた。
その頃、よく聴いていたベーシストについて。
ジョン・パティトゥイッチが1992年に発表した「ジャズ・ベースとオーケストラの為の協奏曲」。とても美しいアルバムだ。ジョンの天才的なセンスと驚異的なアレンジ能力、演奏能力の高さが素晴らしかった。バッハの無伴奏チェロ曲を6弦ベースで弾いているのだが、クラッシックの演奏からは幾分趣が違うのが何だが・・。

1988年、スタンリー・クラークは「イフ・ディス・ベース・クッド・オンリー・トーク」を出した。スタンリーの”ブラウン・ベース”とグレゴリー・ハインズのタップダンスが非常にかっちょいいのである。

ビリー・シーンはやはり強烈なインパクトを残した。僕はタラスのレコードを捜し歩いて古レコード屋めぐりを繰り返した。僕がタッピングがいまだに好きな始まりだ。同じく、ジェフ・バーリン、スチュワート・ハム、ランディ・コーベンなんかのアルバムもかき集めた。超絶テクニックに目を奪われてしまうが、そこにはやはりそれぞれの個性的で魅力的な音楽性が垣間見えたりした。

神様アラン・ホールズワースのとこのジミー・ジョンソンも大好きだ。情報に疎いのであまり詳しくは知らないのだが、彼のセンスのいいフレージングや的確な演奏能力、さすがに神様に認められた演奏者だな、と奇妙に納得する。なにしろ音楽的に絶妙なバランス感覚を感じる。

そして、嗚呼、マイケル・マンリング。フレットレスとフレッテッドを同時に両手タップで弾く彼の演奏スタイルにはいろんな意見があるだろう。しかしあのメロディアスな美しい旋律には何度も心が震えた。マイケルは学生の頃、ジャコ・パストリアスのレッスンを受けたことがあるらしい。ジャコの演奏を間近で見て、その演奏にすっかり打ちのめされて自分流の音楽を模索して、毎日両手タップを練習していたそうだ。僕は彼の繊細でロマンティックな音楽世界がとても好きだった。

コントラバス・ギターが僕を見つめる。
ベース弾けたらいいな~。

でもまあ・・・。
テクニックなくてもいいや。
チャック・レイニーなんて一本指奏法だし。

練習嫌いの戯言。


そうして。


killerベースを抱えて旅立った沢田泰司。


その魂が安らかな寝床につけますように・・・。


祈ります。


















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事故現場

2011-07-16 | 
綺麗だ
 哀しみの天使が堕ちて来る
  ステンドグラスが陽光に
   砕け散った

  夜
   不確かな自身の存在について
    考察し
     刹那に垣間見える
      わずかな夢に呼吸する
     僕には名前が無かったので
    誰も僕を呼ばなかった

  道化師
   赤鼻の化粧無しでもワインのまどろみで
    赤ら顔だ
     ほら
    誰かがまた笑った

  陽だまりに立ち尽くす僕に
 誰かが名前を与えるだろう
僕は一度にたくさんの名前をもらい
 どれを使えばいいのか気が気でならない
  
    光あれ と 誰かが囁く

    地を這う幻影
     道化師のパントマイム
      いくらジャグリングを練習しても
       本番で上手くいった試しが無いのさ

     蒸気機関が煙を吐く
    まるで呼吸するかの如くに
   急いで燃料の石炭を溶鉱炉に入れなければ
  それだけが共通した概念だ
 肉を食い酒を飲む
海賊たちの宴
 それだけがリアルだ
  食べ 飲み 眠る

       誰が方舟に乗り遅れたのか?

      預言者ノアのリストに僕の名前は記入されてはいない
     名前がないからさ
    牛と馬が交互に笑い
   象が残念そうに慰める
  仕方ないな 可愛そうだが

 存在に与えられる名前
  僕は何時かそれを何処かに忘れてきた
   たぶん

     たぶん羽が折れて空から堕ちた時だ

      それは空が暗闇に迫る頃

       街灯の灯りの下

      たむろした仲間達

     一体何処へ消えてしまったのだろう?

     気ずけば僕だけ此処にいる
      突然の事故現場の様に

      サイレンが鳴り響く






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青い空のはずだった

2011-07-12 | 
信じてと云った僕の言葉は
 この世界で無力だった

 信じてと云った君の声は
  あまりにも小さなささやきで
   誰の耳にも届かなかった

    僕等は
     誰にも届かない歌を歌った

      誰のせいでもなく

       誰の為でもなく

        ただ水の無い噴水の哀しみに向けて

         虚無の弾丸を打ち鳴らした


          教会の鐘の音が聴こえた


           あの丘の向こう側だ




            ね




            僕は時々とても苦しくなるんだよ



             どうしてだろうね



              くすくす



              君の憐れむような微笑


               けっして忘れられないんだ


               今でも



               青い空の下で


                                                     聴こえたはずなんだ



      
             青い空のはずだったんだ















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