眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

ファンタステック・ノスタルジア

2008-11-25 | Weblog
本当に生きている、と思える瞬間がたまに訪れる。
それは自分と世界が一致した、或る境界線の出来事だ。夜中に煙草をくわえて空を見上げる、僕の島では夜空の星がとても綺麗だ。波の音を聴きながら、黙って星を眺めているとだんだんと気持ちよくなってくる。僕は夢見る、幼い頃見た大きな雲白い雲とそれを見ながら食べたアイスキャンデイーの不自然な甘さ。僕は幼いなりにこの瞬間の大切さを願った。

子供のころに感じた体験は、懐かしい原風景。帰りたいと想う夢の場所、時間。
それでも時間は流れ、僕は幼い頃の夢見た震えを取り戻したくって、それに似た何かを求めた。
レイ・ブラッドべりの物語はとてもそれに近い。フェディコ・フェリー二の映画の中のサーカスの静かな狂乱も僕をファンタジーの世界へ僕をいざなう。
ある種の音楽も僕を世界の不思議に調和させる。
日常は冷たい、あたりまえだ。だからこそ生きている証が欲しい。それはいつも日常に埋没される。音楽やファンタジーが僕を世界の不思議、非日常の扉を開いてくれる。それは僕に魂の悦びをきずかせてくれるんだ。

でたらめな楽団の音、年老いたピエロの哀しみ、カーニバルの喧騒、妖しい世界の美しさ。腐っていきながら清潔に死を想う生のエネルギー。想像力が日常を凌駕する、生きることの震え、、哀しみ、美しさ。僕は宗教を信じられないけれども、道端の花やトイレのちいさな四角い窓から何かに祈る。祈る、という行為は場所を必要としない。僕はウィスキー三杯分祈る。

古賀 春江という人の絵が好きだった。シャガールの夢も好きだしエドヴァルド・ムンクの優しい狂気を愛す。生きること、魂はいつか昇華される夢を見る。不思議な時間。僕はこの現世をうつろう。

ノヴァーリスは言う、「わたしたちの生命は夢ではない。しかしながらそれはやがて、いやおうなく、夢とひとつになるだろう」

 魂について
  精神のあやしい均衡
   物憂げな夕暮れ時
 キリコの絵のような 街の路地にのびる影があるならば
僕はそれに ついていきたい
 
明日が懐かしいなにかにきずかせてくれますように


僕には大切な友人がいる
 一人はまだ少女でもう一人はかつて少年だった友人
  運命の巡り合わせのように
   二人はおなじ誕生日で名前もおんなじだ
    人生は不思議に満ち溢れている
     どうか大切な存在を失いませんように
      祈られずにはいられない

       お誕生日おめでとう
        いいこといっぱいあるように

         深い緑の森のなかで待っているよ



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願いごと

2008-11-22 | 
ジャックダニエル三杯分の願い。
 酔いどれた思考回路で願うささやかな幸せ。
  カウンターで酔いどれている天使にお願いをしてみる。
   
   あんたさ、天使にだって労働基準法は適用されるべきなんだ。
    24時間営業なんて思われたらたまったもんじゃないよ、
     まったく。

   天使はビスタチオの殻を壁に投げつけながら不機嫌そのものだ
    それでも僕はお願いを聴いてもらった
     人にはそれぞれのっぴきならない事情というものが存在するのだ
     
     あんたさ、おかしいんじゃないの?
      もう夜中の三時だよ?おいらにだって
       ゆっくり酒を飲む時間があっても不思議じゃないだろ?
        なんだい?妙に真剣な目をして。
         願いなんて聞くもんか、
        あ~あ、いやんなっちゃうよ。酔っ払い!
       おいらはひとり酒場でゆっくり一杯やりたいだけなんだ、
      邪魔しないでよね、悩むなら悩めばいいさ。もちろん一人でね。
     なんだい、その目つきは・・・。
    もういい、嫌だ、あ~あ嫌だ。
   ストライキだ。全ての労働者に人権を!
   
  天使はタンブラーグラスのスコッチを掲げながら
 カウンターの僕から逃げようと試みた
僕は指をならし店のマスターに合図する
 カウンターに厳かに一本のボトルが置かれた
  
  なんだい、珍しい酒じゃないか?
   バランタインの40年物じゃないか!
    これ、少し味見させてもらってもいい?
     飲んじゃってもいいの?マジで?
      ありがとう!感謝するよ、父と子と精霊の御名によって!!
       天使は嬉しそうにウイスキーを舐めた
        くぅ~、たまんないね。この香り味ときたら。

        それで、あんたサ。懺悔でもしたいのかい?
         やめときな。そんなしみったれたこと。
          え、生きているのが苦しいんだって?
           ふ~ん。

        あんたさ。
       天使がグラスを置いた
      この世でやりたいことを三つ云ってごらん。
     僕はとっさに言葉が出なかった
    逆にサ、この世で嫌な出来事を三つ云ってごらんよ。
    
   黙り込む僕に天使は優しい笑顔を浮かべた

  抽象が具象化されていないんだよ。
 あるいは、具象が抽象化されていないんだよ。
どっちにしてもおんなじだけどね。
 つまり、あんたは頑張りすぎて少し疲れちゃったんだね。
  思考回路がショートしてるんだよ。
   なにが苦しみでなにが幸せなのか、自分でも判断つかないくらいね。

    天使のグラスの中で溶けた氷が音を立てる

     頑張らなくていいよ。
      そんなにさ、疲れてるんだ。
       もう頑張らなくていいと思うよ、おいら。
        少し、休んで美味しいものを食べて
         お風呂に入ってゆっくり眠るんだ。
          好きな音楽でも聴きながらね。

          頑張りすぎたんだよ。
         あんたは悪くない、
        ゆっくりするんだ。
       それから次の一歩を考えるのも悪くない。
      いつから始めるにしたって、
     この世界で遅すぎることなんてないんだ。

    すこし眠ってごらん。

   世界は素敵なところさ。

  もう頑張り過ぎなくていいんだよ。


 愛しているよ。


  祝祭された世界の彼方と此方で


   永遠に















 
     
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起床時間

2008-11-17 | 
どうしてだろう?
 世界の狭間で息をしている
  空を見上げると哀しい風に泳いだ
   空気が憂える瞬間
    僕らは白昼夢を見た
     赤い風船が空間の彼方へ消え去った
     
      多重録音された効果音の音量レベル
       構築された世界の擬音
        パラレルな虚飾
         そんな灰色の世界に取り残されるのだ
          永遠と誰かが云った

          情報が絶望的に少ないこの界隈で
         一人歩きを余儀なくされた旅路の果ては
        いつしか無意識の領域に到達し
       訳の分からぬ孤独と対峙したときが勝負だ
      右手と左手でじゃんけんをした
     右手が勝った理由など無く
    銀のスプーンを上手に使う練習
   身体性の再獲得
  ブラウン管から液晶に変化するテレヴィジョンの如く
 そういえば懐かしい街角から公衆電話が消えた
そうっと君が耳元でささやく
 夢は終わったんだよ
  起きるんだ
   僕は二個目の目覚まし時計が鳴り始めた瞬間
    それを布団の中に隠蔽し時間の証拠隠滅を図った
     怠惰な日常
      僕は偽証罪で警官隊に包囲される
       証言はでたらめだった
        アリバイなど始めから在りはしなかった
         それらと同様に
          郷愁的な夢の名残などゴミ箱の空き缶だったのだ
           嗚呼
            酔いに任せ感覚に触れるとき
             新聞配達員のオートバイの音がした
              新聞受けに朝刊が投げ込まれる

               ことん

              震える残像
             こころが繊維質の野菜で出来ていたら
            僕はアルカリ性でいられただろうか?
           たまに肉がこころの邪魔をする
          生きているのだろうか?
         どうしてだろう?
        世界の狭間で息をしている
       煙草を咥え
      白い煙を灰色の世界に吐き出す
     
     感情の流出

    泣いたり笑ったりとね

   いそがしいね

  腐りかけた林檎が食卓の上に鎮座する


 久しぶりに聴いたキミの声

それだけでしあわせな世界


 


  起きる時にも眠る時にもキスをしてね

   いつか誰かがそう云った






 







   

    
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お母さん

2008-11-16 | 
部屋を薄暗くした
 仄かに灯るランプの微かなざわめきの中
  ギターで音を紡いだ

  うるさ過ぎてはいけない
   ささやかで密やかな秘密の音
    指先のかすれ具合まで神経を研ぎ澄ます
     赤ちゃんとお母さんの表情を見つめながら
      分散和音で音を出す
       静かに
        静かに

   大きな音ではいけない
    まるで遠くに聴こえるなみの様に
     揺れるロウソクの灯のように
      細心の注意を払う
       赤ん坊が泣き出した
        Fメジヤーセブンスのアルペジオのテンポを上げ
         興奮のリズムに同調し
          柔らかな空間に誘う
           やがて
            やがて子供は眠りの扉に手をかける
             お母さんのミルクの匂いに包まれて

      「スヌーズレン」
       スヌーズレンはオランダ語の「スヌッフレン(クンクン匂いを嗅ぐ
        という意味)と「ドゥーズレン(うとうとするという意味)」か
         らつくられた造語。
     1970年代にオランダにある知的障害を持つ人の施設で生まれ、ハテンベルグ・センターのアドルフ・フェルフール氏を中心に発展して来ました。
     1、障害を持つ人自身の活動のペースや人や物への対応のありののままに出せるように雰囲気創りをし、   家族や援助者はひと時の心地よい時間を共有しようとします。

     2、視覚、聴覚、触覚、嗅覚をはじめとした各種の感覚刺激を感じ取り易く、楽しみやすい器具や環境を提供するように工夫します。

     3、そういう環境で一緒に過ごす人がお互いの感じ方や喜びを受け入れようとする過程を大事にします。


     お母さんになった妹
      叔父さんになった僕
       可愛い甥っ子

        夜のひと時を
         音を紡いで過ごす

        いつの間にか

         みんな寝てしまった



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