眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

ジョン&ヨーコ

2007-09-27 | 日記
masiyaさんという沖縄のポップ・アーティストから一枚の絵を頂いた。
masiyaさんは僕の友達だ。
不思議な縁で、いつからか友達になった。きずいたら、昨日も友達で明日も友達だった。
3年前も友達で、宇宙人と交信できるかもしれない100年後にも友達だ。

一度、僕が創った変な曲。その曲を弾いている間に舞台で即興で絵を描いてもらったことがある。そのとき、masiyaさんは一切情報を遮断した。
曲の題名、イメージはおろか演奏時間についても一切聞かなかった。
「その曲と、俺との真剣勝負だろ?たのしみだな~。」と、煙草の煙をモクモクたてながら眼鏡の中の優しい目が笑っていた。

曲が始まり、キャンバスにペンキが走る。
曲が終わって振り向くと、一枚の絵が出来上がっていた。まるで魔法だ。そしてその絵は、確かに僕が曲を創り始めた頃の雰囲気を表していた。
世の中には変わった人がいるもんだ、とつくずく思い知らされた。

masiyaさんは銅版画家の紀房さんと可愛い愛娘、あおかちゃんと暮らしている。masiyaさんと紀房さんのギャラリーは、「楽笑」という名前だ。「楽笑」に行くときには、豆腐とチキンを持参すると大変喜ばれる。豆腐はmasiyaさんの主食、チキンは紀房さんの好物だ。暑い夏の日にはソーダー水のアイスキャンディーも好評だ。
いつだって笑顔で迎えてくれる。いつだって真剣に話を聞いてくれる。

「楽笑」に飾られた絵のなかで大好きな一枚があった。
タイトルは、「ジョン&ヨーコ」
 小さな脚立が描かれている。その先にはもっと小さな赤いハートが宙を舞っている。

ジョンとヨーコの伝説的なその出会いについては、あまりにも有名なのでここでは触れないでおく。
夏の昼下がり、ビールで酔いのまわった僕は、masiyaさんのこの絵を眺めながら夢想した。
愛について、夢に関して。平和について、シルバー・ビートルズの頃のリーゼント姿のやんちゃな少年だったジョンのロックンロールに関して。オノ・ヨーコの前衛的なアプローチについて。
そうして、二人の出会いについて。

最近、僕が精神的にまいっていることを知ってか、知らないでか、それはわからないがmasiyaさんがこの絵をプレゼントしてくれたんだ。嬉しかった。
さっそく部屋に飾った。
僕の部屋の壁には、どでかいジョン・レノンとガンジーのポスターが貼り付けられている。
そのよこに、キャメルのレコードと隣り合わせにこの絵を飾った。

メッセージ性と主義、主張にはとても疎い僕だけど。
この絵に平和と愛の夢をみるんだ。
そして、想像しながら酒を静かに傾ける。
美味い酒だ。


     今度、豆腐とチキン持って。
      「楽笑」に遊びに行こう。


        ありがとう。


       こころの底から。




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お彼岸

2007-09-25 | 
微熱の夜には
 孤独とゆう要因を撤回する自由を持たない
  解熱剤を飲み
   熱を放散させる
    眠れない
     電波を発信した
      可能な限りの恣意をもって
   
       孤独ってなんなの?
      少女が呟く
     アスピリンをワインで飲んでさ
    瓶詰めのオリーブを齧っていると
   ふいに想うのさ
  孤独ってそんなもの
 ふ~ん。
そう云って少女ははっか煙草に灯を点けるのだ
 烙印って知ってる?
  知らない
   少女がオリーブを齧りワインをグラスに注ぐ
    知らないほうがいい
     僕は微熱を多少持ち倦ねて
      祈りの言葉を口ずさむ
       
       家中の窓を開け  
        空気の入れ替えを試みた
         お線香に灯を点す
          懐かしい郷愁の中
            僕は酔いどれる  
             未完成な作品
              それは無骨なスペイン産のワインの様に
               エピコというワインのラベルを眺む
              意識の所在は冷酷で
             お医者になった友人が心配そうに警告を発す
            あんた早死にするぜ
           寂しさに効く薬を処方してよ
          酒か
         友人が諦めの境地で苦笑いをする
        少女が赤いトマトを切ってくれた

      赤いトマト
     真っ赤なワインの雫
    今夜 帰らない者を想って涙する
   微熱は止まない
  アーア
 ガーガ
雑音のような発声練習
 君の唇が微笑んだ
  それだけで幸せで
   間借りしたアメリカ住宅でワインを飲む
    暑い日だったね とても
     「早く寝なさい」
      友人の声に自身を取り戻し
       薬を飲んで横になった
        目覚めの朝
         熱はささやかに
     
          僕は君の目を見つめる
           茶色の瞳の奥の真意
            呼吸を止めちゃあいけないね

             エリック・サティを流す

              仏壇に花を添え
               大好きだった煙草とお酒を捧げる
                ウサンデイーサビラ
                 千円の折詰めで過去と未来を祝杯す


                  僕は
                   僕は苦悩者の自由
                     
                    空が笑う

                     紺碧の空

                      哀しみが充満す

                      
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水際

2007-09-24 | 
水際の周辺で
 草花が眠りにつく深夜
  徘徊した行く先は
   やはり公園の池のベンチだった

  それは青い月の夜

  土手になった部分で
  草木がしずくをたたえて眠っている

清潔な音
 静謐が辺りを深海させ
  そうして僕は水面を眺め夢を見た
   明日も幸せな毎日だった思春期の幻影
    雨の音がする日には
     雨音を飽きもせず聴きながら
      水面に落ちる水の雫を想った

   暑い夏の日
    僕はさんだる履きで
     煙草を抱えて水際に涼みにゆく
      懐かしき原風景
       心の大切な宝物の在りか

    不意に夢を見る
     僕はこの場所に居て
      あの場所に現に存在す
       水面が揺れる
        どうやら風が出てきたようだ
         あの頃
       長く伸ばしていた髪がうっとうしくて
      ひとつににまとめて結んだ
     青い月が無関心に
    世界を青い色で染め上げた
   気紛れに
  流れる雲の隙間に隠れた

   いつかの風景
    いつかの空気

     それほどノスタルジックではないけれど

      あの頃齧った林檎は
      やけに美味かったのだ

      そんなことを不意に思い出す

       意識の不可思議


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泣いても

2007-09-11 | 
残留思念が交錯する
 うずまき状の記憶の階層が
  やがて部屋の空気が蒸気する
   癒着した筈の傷が奇妙にうずきだすのだ
    
    可愛い子犬を家族と称する女性


 誰かが灯台で灯りを点す
  コメディアンが青い灯りの下
   タップダンスのステップを繰り返し踏む
    難易度の高いステップを踏むけれど
     一歩も前には進めない
     ね
      泣いてもいいですか?
       
      足踏み
      影踏み
      色彩の混濁
      シャガールの色の引用は
      かかるはずの無い携帯電話
      繋がらない哀しみの想い
      想いは引用さる
      けれど
      哀しみの想いはけっして
      共有されない
      寂しい時にはきっと
      煙草をくゆらし
      ワインを飲み干す

     ね
      訳もなく揺れる
      放送されたレコードは
      全て憂いの匂いをしている

      「ホテル・カリフォルニア」

      長い髪の影
       コメディアンは僕だ
        影を追い
         海上に降りしきる
          雨

     ね
      消えてしまいそう


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