眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

VOICE

2009-08-20 | 





極限の孤独を味わったことがあるかい?



   

    僕はあるよ




   
   拾ってくれるなら





     


     救って














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台風の夜

2009-08-07 | 
重く垂れ込めた空
 庭の草花が滅茶苦茶に飛ばされた
  ポケットウィースキーを舐めながら
   世界の終末はこの様な空気なのかと
    吹きぬける風に独白する

    水の無い噴水の中央の天使像が瞳から涙を零す

    そういえば
     そういえば長い間泣いたことが無かった
      感情が鈍磨している
       酔いが回り始める夕暮れ
        名うてのシャーロキアンを真似て
         霧の街の街路に想いをはせた
          モリアーティー教授の陰謀に関して

    そういえば
     シャーロックは生涯独身を貫いた筈だ
      事件のない平凡な日常には
       悪癖でワトソンを困らせた
        コナン・ドイルも晩年には
         妖精の存在を立証しようと
          怪しげな写真を何枚も手に入れた
           少女の手のひらに乗る妖精
            皆が彼を嘲笑した
             だがしかし
              21世紀に存在する僕は
               何故だかコナン・ドイルの気持ちが
                解るような気がしてならないのだ


           嘲笑されることに慣れているのだ

          重く垂れ込めた空
         頭痛がする
        急に世界で唯の一人になった気がした
       絶望的な孤独感と郷愁が押し寄せる
      僕は自分に言い聞かせる
     大丈夫
    いつもの事だ
   もうそろそろ慣れてもいい頃だろう?
  連絡のつかない誰かの声は
 いつだって宙空に散布される

  化石は涙を流さないのだろうか?
   鳥の化石は井戸の底で泣き出したりはしないのだろうか?
    世界が憐れみと哀しみに願う平和は
     差別無く世界を変容させる祈り足りえるのだろうか?
      それでも僕等は祈らずにはいられないのだ
       大切な存在を想って
        繰り返しビートルズのラバーソウルを聴く雨の夜
         
        本当に聴きたいのは君の声

        たぶんジョン・レノンよりも


        世界の平和を予感させる君の声

   
        井戸の底の鳥の化石は僕なんだ


          キズイテ


         君の声を聴いたら


       たぶん今だって泣くことが出来る


     記憶の断層は

    過去と現在と未来を提示するのだが

   約束はしてくれないんだよ


  記憶の回廊


 
 あの螺旋階段で待っている



待っているからね










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果物

2009-08-05 | 
空気の乾燥を憂える雨の中
 立ち尽くす
  楽譜が濡れてしまわないようにと思っていたけれど
   思考回路が一部欠損した状況下では
    的確な判断は可能されない

  それは
   何時かの風景
    赤くびらんした記憶の表皮部分
     早めに応急処置をしておかなければ

    ざくろの甘さは
     その熟れて割れた赤い果肉より
      
      冷凍庫で氷結させたバナナも
       とても美味しかった
 
   鞄を持って旅に出るはずが
  鞄屋の軒下で
 品物を選んでいる最中の雨宿り
傘を持つ人々の足取りが
やけに速く感じるんだ

 果物を盛った祭壇に
  この島の不思議な記憶の残像を眺めた
   お客様だ
    正座をし直さなければ

    ねえ
     聞いておくれよ
      この奇妙奇天烈な現を
     雨が止んでも
    なかなか一歩が踏み出せないでいる
   
   赤い林檎は
  アダムとイヴが口にしたらしい
 まことしやかに
楽園の存在たちの格好の話題
 蛇の姿をしたリリスが
  舌を出してこっそり笑うんだ

   果物かごを頭に乗せて
    子供の手を引く
     アスファルトなんて物で舗装されていない
      剥き出しの地面のぬかるみの暖かさ
       果物の沢山生る森を知っている

      スーパーに陳列された
     パック入りの苺の値段に驚きながら
    良いことか悪いことかなんて
   想像も出来ないけどさ

  土足でこころのなかに踏み込むために
   道路を舗装した
    果物をパック入りにした

     桃が好きだったね

      最後に口にした物

       果物を供える




     
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夏休み

2009-08-03 | 
鉛筆の黒でデッサンした
 在りもしない街の風景を描写する
  ステンドグラスの窓から
   黒猫が嬉しそうに微笑む
    爆竹はお祭り用だ
     やがて終わりの無い
      夏休みがやって来る

       蝉の鳴き声
        暑い日差し
         煙草屋の軒下でサイダーの瓶を転がす
          余りにも暑い昼下がり
           青すぎる空に
            白い雲が微動だにせず

            嫌な事件が多すぎてさ
           ビール飲んじゃうんだね
          君が呟き仕事帰りの一杯
         戯言に待ち望んだ夢の続き
        ワンピースの白い影
       石畳の路地の世界に
      夢の名残を望む
     希望した路とは余りにも違ったりすぎたり
    瓶詰のオリーブをつまみにワインを舐める

   街には
 哀しい灰色が似合うけれど
ライオンが動物園の檻の中
 君の居場所は何処なんだい?
  僕の尻尾は垂れ下がったままさ
   君と一緒さ

    君と君と、意味の白衣に戯れつき
     呼吸を行うのが
      夏休みの醍醐味
       気の置けない仲間達と
        人気の無い海辺で焚き火をするのさ
         医術に詳しい薬剤師
          ボブディランの唄が流れた壊れかけたラジオ
         
            「ライク・ア・ローリングストーン」
              転がるダイス
               カードが切られる
                ロイヤル・ストレート・フラッシュ
                 不思議だけどさ
                  分けないよね

                  そういうのが夏休み
                 二度と戻れない季節
                いつかあの日に戻れたなら
               アイスキャンディーの午後
              どうしてあんなに甘い物が好きだったのだろう
             過去と未来を比べて
            余りにも馬鹿馬鹿しくてさ
           笑ってしまう

          鉛筆の黒でデッサンで描かれる
         夢の名残の様相
         
        テスト用紙が配られた

       その裏に

      メセージを残す

     夏休みに於ける落書きの真実と夢


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