眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

エンデ

2014-08-17 | 
告知された事象の影が 
   長く長く延びた

  存在する価値
   容赦なく照りつける
    判断という作用
 
 猫がその影に静かに身をひそめ
  戯言か
   こっそりと
  飼い主によく似たあくびをした

  「終わりはあるよ
    なんにでもね」

     少年の頃
    誰かが刻印した
   机に刻まれる文字

  集合体の駄列の中
   僕らは
 だがしかし
  唯一無二の存在になろうと
   努力を惜しまない

  ボールを蹴り
   デッサンを模索し
    黒板に白いチョークで
     一本の線を想像す

    やがて訪れる終わりに
   誰もきずかない いや
  知っていて 知らん顔をするのだろうか?

    確信犯だね
   だとしたら

     猫がつまらなさそうに
   また あくびをする

   はじまりの言葉が唱えられた午後
  終わりの儀式も
    やはり始まっているのさ


     怖くはないよ

    だって

     当たり前のこと

    はじまりがあって

    終わりをみせることは


そうして眠れぬ夜に

     君へと打電する信号

      青の感情の困惑

       いつかまたね

       果たされない約束が増えてゆくのだ










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ラジオ

2014-08-15 | 
僕らは、おんぼろの車に乗り込んで機会を待った
街の高台の霊園の広場
家々の灯りがほのかに揺らぐ
そこが僕らの一等席だった。は缶コーヒーを自動販売機で買った。
ラジオのチューニングをしていた友人が、イライラ爪を噛みながら目盛りを微調整する。そして呟く

「駄目だ、電波が入らない」

そうして、ばたん、と音を立てて外に飛び出た
 
 「なんで電波が乱れてるのさ」

 ポンコツ奴、生意気に。

友人は車のドアを蹴飛ばし、空き缶を暗闇に投げつける
 やめろよ、起きてきちゃうぜ。
僕は車から降りて煙草に火を点ける
 誰が起きるんだ?
  街は眠らないから起きる必要なんかないだろう?
   街は眠れないんだ。

僕のマールボロを一本くすねて彼は一服吹かす

  電波は。
   電波は気まぐれなんだ。
    扱いに手こずるんだ、いつものことさ。

なだめてみせても、彼の怒りは沸騰し続けた
 このポンコツ。
  受信できないラジオなんて。わざわざ高台の墓場まで来たっていうのに。

「受信できないラジオ」

  発せられるメッセージを受信できない
   こんなにも情報が氾濫しているのに

僕らはスピーカーから発せられる音楽に飢えていた
 まるで誰かが、「彼」からのメッセージを待つよう。
  星が澄んだ空気によく見えた

 な、煙草残っているか?
  あと一本きりだ。

僕らは一本の煙草を回し呑みした
 突然、雨がなんの予告もなく優しく降り注いだ
  車に逃げ込んだ僕らは沸けも無く喋り続けた
   
   待てよ
    聞こえるぜ。

友人が話しをさえぎった
 確かにスピーカーから音が流れ始めている
  友人と僕は固く握手した

   フォーレの「シチリアーノ」


  僕らが大好きだった曲だ
   雨が降り注ぐ夜

 街は眠れない

もう一度、彼が呟いた

  まるで自分を諭すかのように

   何時かの風景












コメント (2)
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間違い

2014-08-01 | 
たとえ間違いだとしても

どうでもいいとは云いたくなかった


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