眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

警告

2010-10-13 | 
だめだよ
 其処から先に行っちゃあ
  まだ僕は
   君と音楽がしたい
   
    だめだよ

     

     現在 
      この電話は
       電波の届かないところにあるか
        電源が入っていない為
         かかりません


          ツー

           ツー

            ツー













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独語

2010-10-10 | 
君が君でいられるなら
 僕等はとても嬉しい
  雨の上がった秋空の
   空気の透明さに忘れかけていた記憶を想う
    好きなように生きることを選んだなら
     君は沢山の大切を失うよ
      だがしかし
       君は永遠を手中に収めるだろう
        猫が呟きジャックダニエルを舐めた

        永遠は素敵なのかな?

        僕の問いにハルシオンがつまらなさそうに答える

       永遠はわりと平凡な類さ
      たとえば楽器における音階練習のようにさ
     繰り返し反復を繰り返すレッスン時間のようだよ
    好きに生きることはその練習に人生の半分をかけるんだよ
   彼等が笑い泣きしあわせな時間を手に入れた時にすら
  君は孤独に作業を続けなければならない
 スラーで上昇し下降する
永遠はそんな類なんだよ

       其処に意味はあるの?

      意味が在るかどうかは必要とされない
     決まってある事は繰り返す作業だ
    螺旋階段のような昇り降りを続けるんだ
   記憶を磨耗させない唯一の方法さ
  君は失いながら現世に在り続ける
 確かなものなど何も無い
永遠は虚無だ
 失い続ける大切な者達
  それでも君は永遠を手中に収めるのさ

   どうして?

    誰もが止めてしまい放棄した事柄だからだよ
     君が感じた世界は
      唯一にして無二の瞬間の連続から成る
       だから君は永遠を歌い続けるのさ

       澄んだ空気の空に
      赤い風船が浮かんでいる
     手を離した隙に
    大切な何かが失われるのだ

   誰もいない公園のベンチで
  僕は黙って空を見上げた
 それからギターケースから楽器を取り出し
ささやく様に音階を流した
 それらの音たちは無数の記憶だった
  誰もいない水の無い噴水に向けて
   僕は歌い続けるべきなのだ
    君が君でいられる様に
     僕は歌い続ける
      君の一瞬が僕の永遠なのだ
       誰もが止めてしまった事を続ける君の為に
        僕等は永遠を選んだ
         たとえ君の存在が消え去ったとしても
          君の存在は或るのだ
           その為に僕等は永遠を選んだのだ

           心配しないで

          君が君でいられるなら

         僕等はとても嬉しい

        澄んだ空間にそっと吐息を吹きかける

       緑の草原の風のように

      そうっと

     優しく


   猫のハルシオンが


  退屈そうにあくびをして微笑んだ














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お伽話

2010-10-09 | 
お伽だよ
 狐が皮肉に嘲笑した午後
  二日酔いのあたまで薬を飲んだ
   何時か見た筈の風景がノイズで遮断される
    僕の目は霞んでいて
     庭の赤い花がぼやけて見えた
      
     どうして太陽が昇っているのか不思議だった

     苦しくて
      何故だかとても苦しくて
       僕はバーボンのボトルに口をつけた
        あたまが酷く痛かった
         胃液が逆流した
          口の中に酸味が飽和する
         焦燥感は限界に達し
        煙草に火を付けては消し 
       ため息の混沌の中
      不条理な世界をテレヴィジョンで確認した
     
     苦しくて
    誰かと話をしたかった
   暗闇で怯えたあの記憶が蘇り
  呼吸困難に陥りかけた心肺機能に意識が散在した
 帰りたかった
僕は僕自身に語りかけた
 全体僕の居場所は何処なのだろう?
  今日は雨だ
   窓ガラス越しに雨脚を追いかけ
    虚飾した世界の分別に吐き気が止まない
     どうしてこんなに苦しいのだろう?
      どうして太陽が昇っているのだろう?
       どうして雨が降っているのだろう?
        どうして僕は貴方に会えないのだろう?
  
        脈拍が上がった
       とくん
      とくん
     とくん

    昔々お城には眠り姫がいて
   姫君は永遠に起きる事が無かった
  彼女は生きているのに起きる事を拒絶した
 緑の森の伝説の城
そこへ辿りつく前に
 僕らは湖のほとりで鏡の国の魔女に出会ってしまったのだ
  深い井戸の底に化石が眠っている
   あれが前世での僕自身だった事に
    気付くかなかったのだ
     終わりは
      近いようで永遠に訪れない
       哀しみの振動が心臓の拍数に同調する
        永遠が訪れたのだ
         思考を停止させるのだ
          眠り姫の様に
           静かに呼吸をしている
            薄紅色の
             ガラス細工の唇

       お伽だよ
        狐が皮肉に世界を嘲笑する

         脈拍が上がる
          とくん
           とくん
            とくん

          ねえ
           どうしてこんなに苦しいのだろう?

            ベットに横たわり
             毛布をあたまから被って
              呼吸が乱れないように
               意識を唯集中させる

               お伽だよ

                大人の顔をした狐が

                 僕の人生を皮肉に嘲笑する



                  とくん

                   とくん

                    とくん




     
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