眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

マイナー・スゥイング

2005-06-06 | 音楽
ジャンゴ・ラインハルトと僚友、ステファン・グラッペリによるオリジナルのこの曲は、ギターをさわるようになった時から僕の憧れの曲だった。
とにかくかっこいい、素敵だ、素晴らしい。文句のつけようがない。
だけど僕はあまりギターが上手くないので、たぶんず~っと憧れ続けるだけで、弾くなんてとんでもないと思っていた。
ところが何かの運命のいたずらで、僕は一枚の譜面を手に入れた。
おお、「マイナー・スイング」ではないか!

その楽譜はギターソロ用にアレンジされてはいるのだが、まぎれもなくジャンゴだ。
編曲されていて、もちろんジャズではないし、インプロヴィぜーションももちろんカットなのだがそんなことはどうでもいい。憧れのあの曲なのだ、出だしのフレーズが音になるだけでも満足なのだ。(ジャズギタリストの方、笑って大目に見てやってください。)

それで仕事が終わってから、ビールを片手に三ヶ月この譜面とにらめっこの日々が続いた。
で、なんかの拍子にこの曲を人前で弾くはめになった。
しかしスゥイング感というものが全くないし、だいいち僕のテクニックではテンポが半分以下になってしまう。ひじょ~にまったりとしてしまうのだ。
「シャーベット、気にすんな。文句いわれたら酔っ払って二日酔いのジャンゴだ、といえ。それでなんの問題もない。」
師匠は好き勝手言いたい放題だ。
しかし本番間近になると、さすがの師匠も僕の演奏に呆れて、
「ひとりで弾くには問題がありすぎる、お前どーする?」
とつぶやいた。

それで、コントラバス・ギターとサイドギターを入れることになった。トリオになるとなんかそれはそれでかっこよさげだ。僕は満足だったのだが、付き合わされる仲間はたまったもんじゃなかっただろう。

で、本番。
もちろんでたらめに間違えてしまった。でもいいのだ、憧れの「マイナー・スゥイング」なのだから・・・。
う~ん。いつかギター上手くなったら、もいっぺん弾いてやる。
できれば、うらびれた酒場の隅っこで。
酒を呑みながら。


コメント
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