筑紫さんが亡くなった。追悼番組をみた。
癌告知後の笑っていない彼の映像の、正面を向いていない時の目の表情が、
同じ病の身近な人と似ていて、涙が止まらなかった。
学生時代「朝日ジャーナル」で、世界を知った。
筑紫さんは、今はこんな時代だと、教えてくれる信用できる大人だった。
憲法を守ろうと、マスメディアで、ちゃんと正面切って語る人が、どんどん消えていく。
終わらせてはいけないものが、この社会にはある。
若い頃は、何かに出会うたびに新たな座標軸が自分の中で生まれた。
それは、あの人ならこんなことしないだろう、とか
あの人ならこちらを選ぶだろう、などという単純な模倣であったりもした。
だから、何かに出会うたびに、ころころ変わっていく自分が、
はっきりとした自らの考えを持たない、とても頼りない存在にも感じていた。
仕事をしていた時、「あなたははっきりとものを言うから」と、言われた時は、意外だった。
いつのまにか、自分でひいていたライン。
これだけは譲れないと、追い込まれた時だけ、それは見えるような気がした。
それ以外は、論理的思考より、頼りない感性で、判断する、という生き方をしてきたと思う。
それで乗り切ってこれたのは、よほど自分は幸運だったのだ。
生活を守るためのぎりぎりの闘いをしなくて済んできたし、
社会の圧力で身近な人達を失うことなくきたという幸運。
でも、それはいつまでも続くわけがないという、怖れのような不安がいつも自分にはある。
たまに、自分の中での浄化作用として働く座標軸がある。
こんなことしてる私を母が知ったら、悲しむだろうな、とか
こんなことしてる自分をあの子達が知ったら、失望するだろうな、とか。
最近では、10代の自分が今の私を見たら、という座標軸を意識し始めた。
小さい文字が見えにくくなって、新聞を丁寧に読まなくなっている。
醜いものを見たくない。触れたくないものには触れないでおこう。
とでもいう生活態度に落ち込んでいるのだ。
「ベトナム戦争に反対しないのは、賛成してるということなんだ。」
と、悟った10代の自分が、ここにいたら、今の政治をただ傍観しているだけの自分をみて、きっと怒るだろう。
彼女の声が聞こえてくる。
「間違えていることを、間違えていると、どうして言わないんですか」
「税金の使い方、間違えています。
一人1万2千円、て中学生のお年玉ですか。
その予算、どうか出産費用無料化に回して下さい。
戦争もしていないのに、
女性が安心して子供を産めない国になっているのは、
長く生きている大人の責任です。」
癌告知後の笑っていない彼の映像の、正面を向いていない時の目の表情が、
同じ病の身近な人と似ていて、涙が止まらなかった。
学生時代「朝日ジャーナル」で、世界を知った。
筑紫さんは、今はこんな時代だと、教えてくれる信用できる大人だった。
憲法を守ろうと、マスメディアで、ちゃんと正面切って語る人が、どんどん消えていく。
終わらせてはいけないものが、この社会にはある。
若い頃は、何かに出会うたびに新たな座標軸が自分の中で生まれた。
それは、あの人ならこんなことしないだろう、とか
あの人ならこちらを選ぶだろう、などという単純な模倣であったりもした。
だから、何かに出会うたびに、ころころ変わっていく自分が、
はっきりとした自らの考えを持たない、とても頼りない存在にも感じていた。
仕事をしていた時、「あなたははっきりとものを言うから」と、言われた時は、意外だった。
いつのまにか、自分でひいていたライン。
これだけは譲れないと、追い込まれた時だけ、それは見えるような気がした。
それ以外は、論理的思考より、頼りない感性で、判断する、という生き方をしてきたと思う。
それで乗り切ってこれたのは、よほど自分は幸運だったのだ。
生活を守るためのぎりぎりの闘いをしなくて済んできたし、
社会の圧力で身近な人達を失うことなくきたという幸運。
でも、それはいつまでも続くわけがないという、怖れのような不安がいつも自分にはある。
たまに、自分の中での浄化作用として働く座標軸がある。
こんなことしてる私を母が知ったら、悲しむだろうな、とか
こんなことしてる自分をあの子達が知ったら、失望するだろうな、とか。
最近では、10代の自分が今の私を見たら、という座標軸を意識し始めた。
小さい文字が見えにくくなって、新聞を丁寧に読まなくなっている。
醜いものを見たくない。触れたくないものには触れないでおこう。
とでもいう生活態度に落ち込んでいるのだ。
「ベトナム戦争に反対しないのは、賛成してるということなんだ。」
と、悟った10代の自分が、ここにいたら、今の政治をただ傍観しているだけの自分をみて、きっと怒るだろう。
彼女の声が聞こえてくる。
「間違えていることを、間違えていると、どうして言わないんですか」
「税金の使い方、間違えています。
一人1万2千円、て中学生のお年玉ですか。
その予算、どうか出産費用無料化に回して下さい。
戦争もしていないのに、
女性が安心して子供を産めない国になっているのは、
長く生きている大人の責任です。」
学生の頃、週刊金曜日を読んで世界をちょっと知った気になっていたのが懐かしいです。
>10代の自分が今の私を見たら
10代の頃、大人にまっすぐ食って掛かる、損得で考えず正義感だけで動く、そんな子どもでした。そういう自分を不器用だなあとあきれつつも、ずっと変わりたくないって思っている、相変らずな自分です。
ラミーチョコさんの文章が好きです。
自分はどんな背中をしているのでしょうね
振り向いて鏡に映った自分の後ろ姿を見たら、言葉を失いそうな予感がします。
とりあえず、前を見て生きていきましょう。