星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

オルセーの猫

2006-12-04 | 持ち帰り展覧会
この間まで金色の世界をつくってた銀杏の木の葉が街に舞う、風の強い日曜日、神戸市立美術館の「オルセー美術館展」に行ってきた。

今回のお持ち帰りは、何といってもルノアールの「ジュリー・マネ」
耳ぴゅんの子猫が少女に抱かれてる。
その安心しきった幸せそうな表情の可愛いこと。
少女は今回の展覧会のポスターになってるマネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」の娘である。美しく聡明そうな母娘である。

ルノアールといえば、豊満な女性裸像のイメージが強かった。
30代の頃、だんだんルノアールの描く女性達のような体型に近づいてくるなぁと、不遜なことを思っていた。
今回は彼女達は神戸に来ていない。
そのかわり、男性の肖像画が二つ、それを見てると、ルノアールが豊満な女性だけでなく、周りの人達を愛していたこと、人生を肯定していたことがわかる。

ドガの人物デッサン2枚に魅せられた。触れたくなるようなまぶた。
鉛筆(みたいなもの)1本で、どうしてこんな表現ができるんだろう。

ミレーの「グレヴィルの教会」、大きな田舎の教会の隅っこを歩く小さな農夫、ミレーの絵を見るたびに、あぁ、人間は何かに感謝しながらこうして慎ましく生きていくべきだと、思う。

ゴッホの「アルルの寝室」には、やはり猫はいなかった。(「名画に忍び込んだネコ」にこの絵が出てくる)。壁の水色、緑の窓枠、黄色いベッド、何だか自分の部屋のような気がしてくる。

印象派の水色は素晴らしい。空。海。光が眩しい。

神戸の街は、まさに木枯らしの吹く季節。
帰りに寄った大丸のカフェテラス「カフェラ」には、ガス灯のようなストーブが赤く燃えていた。
渡されたチェックの膝掛けをかけて、顔は冷たい風に凍えながら、カプチーノを飲んだ。カップの表面に描かれたハートマークを、できるだけ壊さないように気をつけながら。
コメント
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