美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

「老いて新鮮」松ひさし

2020-08-01 07:16:47 | 
ふたつの国
モッタイナイ国と呼ばれる国 モッタイナイが合言葉
古いけれどまだまだ使えるよ モッタイナイ モッタイナイ
自然と資源を大事にして恵まれた授かりものを残そう
モッタイナくて節約が進み商店や工場が国中で倒産
仕事がなくなって失業が増え
句には以前のように貧しく静かになった

マンゾク国と呼ばれる国 マンゾクが合言葉
ああ便利だね 楽しかったね マンゾク マンゾク
科学技術と経済を発展させて生活を快適にしよう
マンゾクしたくて浪費が進み食糧や資源が枯渇
公共機関やコンピュータも機能せず
国は生活苦と超不便社会になった

モッタイナイ国のその後
人々は物を大切にしその日その日の苦しい生活をしのぎ
モッタイナイの心で辛抱し先を信じて働いた
古老たちが言いだした言葉 国破れても山河や資源に希望あり
傾いた国が少しづつ立ち上がり明るい日が射し始めた

マンゾク国のその後
人々は暮らせなくなった町から野や山へ逃れたが
マンゾクばかり追った心と体はひ弱で荒れた野山に立てなかった
古老たちが言いだした言葉 及ばずは壊れず過ぎたるは壊れる
崩壊した国は廃墟と荒野のままで未来に向かっていた

「戯れ言」

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