きんぎ書画ならべた斗しりんせぬ
吉原の花魁のトップクラスは、禿の頃から和歌や書画・骨董、あるいは囲碁・将棋にまで、あらゆる分野のことを身につけさせられる。しかし時代が下がるとそれがだんだん形式的なものになり、床の間に飾られた軸も読めず、書籍も積ん読ということになる。客もそんなことは気にしない輩ばかりである。たまに訊かれても「知りんせぬ」で済んでしまう。きんぎを漢字をあてれば琴棊で、棊は囲碁将棋の類。
吉原の花魁のトップクラスは、禿の頃から和歌や書画・骨董、あるいは囲碁・将棋にまで、あらゆる分野のことを身につけさせられる。しかし時代が下がるとそれがだんだん形式的なものになり、床の間に飾られた軸も読めず、書籍も積ん読ということになる。客もそんなことは気にしない輩ばかりである。たまに訊かれても「知りんせぬ」で済んでしまう。きんぎを漢字をあてれば琴棊で、棊は囲碁将棋の類。