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信号を守らなければならない理由

2015年11月15日 | 交通違反
『信号は何故守らなければならないのか?
車が通ってない時なら赤信号でもわたっていいんじゃないか?』
というのはネットニュースの話題なんかになる時もあります。

先日も少し見たのは
『ルールで決まっているから、違反すると罰則があるから』というのが
どうも法律を扱う人の見解のような感じですが、
曲がりなりにも交通事案を専門に扱ってる立場からちょっと横レスしたいなと思いました。

さて
車が来ていないなら信号無視しても良いっていうのは
信号の役目を『安全』においた場合の解釈です。

ですが、
ちょっと僕らしくない小難しい言い回しになりますが
道路交通法第2条1項14号には信号の意義についての条文があります。

そこには『電気により操作され、かつ道路の交通に関し、灯火により交通整理等のための信号を表示する装置をいう』とあります。
ポイントは【交通整理】ですね。

ここでの【交通整理とは何か】という部分ですと
交通行政官の使用するマニュアルでの道路交通法解説によれば
交通整理というのは『交通を単純化して交通の流れを混乱させないため行うもので、必ずしも交差点におけるものに限らない』とあります。

はい、ここで重要なキーワード
【単純化】【流れ】【混乱させない】というものが出ましたね。

次にこの交通整理とは何かを補強する判例として
東京高裁判例に以下のようなものがあります。
『道路交通法にいう「交通整理」とは、信号機の表示による信号又は警察官の手信号等により一定の時間は一方の道路を自由に通行させて、その間他の交通を停止させる事を交互に反復する措置を指すもので、これを通行する側からいえば、信号により通行する間は、他の交通を願慮することなく進行できる場合が交通整理の行われている状態と解するべきである』

少々長いですが
要するに信号に従っていれば安心してその場所を通過できるってことです。

つまり信号っていうのは〈事故を防ぐため〉が第一義的なものではなく
《事故発生の原因が無くなっているという安心感によってスムーズに通行するため》のものなわけです。

誰もいなければ通っても安全というのは
間違いではありません。

ですが、社会のルールというものは能力の低い人でも間違いが起こらないものでなくてはなりませんので、
ですので車が来ない事がはっきり読み取れる人なら確かに問題はありませんが、来ないと見落としてしまう人だっています。

またギリギリで渡れる⇒自分なら大丈夫と判断する人もいますが、
目測を誤らないという保証はありませんし、年齢を重ねることによって反射神経も衰えます。

『信号を守らなくても良い条件』に個人差が生まれてしまえば
車にとっては青信号すら意味をなさなくなってしまいます。

つまり、信号が守られることを前提として現代の交通社会は動いている以上、
信号は守らなければならないし判断に個体差があり、年齢を重ねるごとに意識と実動がズレるわけですから、
仮に誰もいなくても信号を守ることが原則になるということです。

まぁ個人的には本当に全く車も何もいないところなら信号守らなくても良いとは思いますが、
普段からそういうことをしている人が酔っぱらって赤信号を無視して横断して跳ねられたりする事故もあるってことは、
僕自身もそんな加害者の立場を体験してますので、どうか御心置き頂ければと思います。

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