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捜査機関がオタク狩り?

2007年08月30日 | 雑談
同人誌というメディアがある。

プロではない作家による個人制作もあれば、現役プロ作家が出版社とのしがらみがないところで書いてるものもある。

基本的に個人制作なので、既存のキャラクターを使ってエロ漫画を書いたりしても、今まであまり著作権云々については五月蝿く言われなかった。
使われた作家側も、有名税と受け取っているのか、自分たちもデビュー前には似たようなことをしていたのか、個々人の事情は図りかねるが、特段声を上げる人はいなかった。
せいぜい、『ドラえもんの最終回』に対して出版社(遺族もかな?)が怒ったくらいだが、ドラえもん最終回事件はパロディでありながら、ファンを納得させ得るクオリティがあり、それなりの売上もあげていたという事もあるだろう。
つまり所謂『同人誌の著作権問題』とは異質であると言える


上記の事からも分かるように、この著作権違反というのは従来申告罪で、被害者が「パクリだ!」と言わない限り、罪には問われなかった。
それがどうやら非申告罪になるそうなのである。要するに捜査機関が「こいつはパクリだ」と認定すれば捕まるようになるのです。

きっかけは『ポケモン同人誌事件』だろう…
一応解説しておくと、ポケモン同人誌事件というのはポケモンの人気キャラクターを使ってエロ漫画を描いた人がいて任天堂が激怒したって事件です。
スペースの関係であまり詳しくは書きませんが、興味のある方は【ポケモン同人誌事件】でネット検索すれば山のように出てきますよ。

さて件の事件、なんともヒステリックである。大体ピ●チュウの絡みでよこしまな興奮を覚える読者はポケモンのメインユーザーとは真逆というか、一番遠くの地平にいる人達であって、実生活での接点など恐らく無い。
まぁブランドイメージというやつなんだろうか…

恐らくこういう事件が重ったことで、政治的な力が加わって著作権に動きが出たことは想像に難くない


しかし、実に歪(いびつ)な法改正ではある。

ポイントとして
1:パクられた方は往々にして、特に意識してない(ように見受けられる)。
2:読み手はちゃんと割り切って楽しんでる。
3:取り締まる側(たぶん警察)が業界に疎い。
…実感として、誰も得をしないんじゃないか?

歪んだ歯車を無理やり回したらどうなるか…子供でも分かるだろう

中には「そういう作品は表現物ではない」という人や、「パクリで金儲けはけしからん」という人もいるだろう。
でも嫌なら読まなければいいんだし、そういう同人誌市場が新人作家の商業誌への売り込みの途という一面もあり、今の漫画レベルの向上に一役買ってる背景もある。そもそも表現文化の態様として定着しているんだから認めてもいいのでは?

また、金儲けがいけないといっても、同人誌は基本的に自費出版なので、売れなかった時のリスクも自己負担だ。確かに以前は税務署が同人誌の売上を把握できてなかったこともあって、脱税事件も度々あった。『コミケ御殿』なる言葉も生まれたし、取り締まりが厳しくなった今でも『プロ同人作家』というのも少数ながら存在する。
そういう作家がいて、求める読み手がいるならば、小さい市場として認めてもアリだと思う。


パクリに関しても、どんなジャンルでもヒットが出ればあからさまなパクリが2匹目のドジョウを狙うものだ
『ダー●ンは外国人』が売れたら、次々と国際結婚をネタにして、売れない作家や漫画家が浮上を図った。この辺まではまだ健全かもしれないが
健康系では悪質なパクリは枚挙に暇がない。

ユーザーに被害者が出るようなパクりや、明らかな拝金主義のパクリ…例えば、高名な画家の絵をコピーして、オリジナルと詐称してボロ儲けして、バレたら「オマージュだ!」と開き直る偽画家なんかは捕まってしかるべきだが、漫画に関しては、歴史的な伝統ってことで、本来の作者の判断に一任するのが、漫画先進国のあるべき姿だ


憲法では表現の自由が保障されている。
この著作権法改正は憲法の理念に叶うものと言えるだろうか…


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