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伊賀上野が元気になればいいなあ!

上野の城下町、どうなっていくんだろう、、、見守る元気はないけれど、静かに生きていこうと思う(笑)。

確かに、自転車は・・・

2009-08-18 17:02:50 | 町づくりって楽しいかも!
再び、三橋重昭氏のレポートから

【「最優良顧客」を冷遇してきた商店街と政策】

本日、下記の講演を聴き、私は、”目からウロコ”でした。
私自身、より検証しなければならないと思いますが、一旦お伝えします。

テーマ:『自転車総合政策の最前線 ~今自転車利用の促進にとって何が必要か~』
講師:京都大学法科大学院、公共政策大学院客員教授、古倉宗治氏

”商店街・まちづくり”に関連して感じたポイントをお伝えします。

■商店街にとっては、車客より自転車客を優遇すべきだ。
・車客を呼ぶために、大変なお金を使ってきたが、効率は悪かった。
私は、日本で駐車場投資が成功した事例は、高松丸亀町と広島・中の棚の両商店街振興組合位しか知らない。
両商店街とも駐車場投資・運営で、プロ的人材がいて大成功したが、多くは、補助金・無利子借入金を使っても、採算を取るのは難しくて大変苦労しているのが現状。

■高松丸亀町商店街は、日本初の商店街自転車道と合計400台の地下収納の全自動駐輪施設。   
      
■過去、商店街整備事業で、アーケード、街路灯、駐車場、コミュニティホール、カラー舗装等の公共的性格の強い共同施設に対して、支援策はあったが、”駐輪場”は、ぽっかり抜けていたのではないか。
丸亀町の地下駐輪施設の補助金は、国交省系か経産省系か今度聞いて見ます。

■商店街を一番支えてきたのは、自転車客だったが、それを気付き、本格的に対策を実施した商店街は、ほとんどなかった。-車客には駐車券をサービスしたりしてきたが、自転車客を優遇して来たところはほとんどなかった。

■下記の、自転車客と車客の比較には、びっくりしました。

(宇都宮市での都市再生モデル調査事業結果より)
実態調査の結果、一番買物金額が多いのが、自転車客だった。(私自身が現地検証していませんが・・)

○郊外駐車場約3000台のSC(ショッピングセンター)『車客』
・週当たり来店回数(a)1.4
・1回の買物袋数(b)2.8
・平均客単価(c)7,789円
・週当たり買物袋数(a)×(b)3.92
・週当たり買物金額(a)×(c)10,905円

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○市街地商店街『車客』
・週当たり来店回数(a)1.9
・1回の買物袋数 (b)1.8
・平均客単価(c)5,326円
・週当たり買物袋数(a)×(b)3.42
週当たり買物金額(a)×(c)10,119円  

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○市街地商店街『自転車客』
・週当たり来店回数(a)3.4
・1回の買物袋数(b)1.8
・平均客単価(c)3,691円
・週当たり買物袋数(a)×(b)6.12
・週当たり買物金額(a)×(c)12,549円

※ 宇都宮のような地方都市中心市街地商店街で自転車客の購入金額がこんなに高いとは思っていませんでした。

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上記のように、商店街での買物金額が多い自転車客---
その自転車客は、(経費のかかっている駐車券サービス程度の)割引優遇等があれば、75%の自転車客がもっと商店街で買物をしたいと思っている、とアンケート調査で判明。

その他、話の中でのポイント(三橋試論含む)
■郊外巨大SCの車客は、年間合計 1万トンのCO2を排出しているが、自転車客は、CO2排出量は0。

どちらが環境によいか、一目瞭然!


■歩車道の区分あるところで、歩道を自転車で走ると事故率が高くなる。
自転車は、車道を走った方が安全。(財団法人交通事故総合分析センター資料から)

■自転車客が多い道路ほど、自転車の安全性は高まる。(米国、オランダで実証されている)

■日本の交通政策は、車優先、自転車軽視のためか、先進国の中で、自転車事故死亡者が突出して多い。

■先進国で、「国レベルの自転車計画」、がないのは日本だけ。-これは、まさに異常な状態ではないか--

◎・日本の商店街は車客を優遇し、自転車客を冷遇してきたために衰退した面もあるのではないか。 

・日本人の生活習慣病からの医療費と死亡者は、非常に多い。
車を優遇し、自転車、徒歩客を冷遇してきた可能性が高い。
 
■世界の先進各国の自転車奨励策の共通も理由は、健康と環境を理由とする奨励策。
それ以前、米国、英国、オランダでは、自転車での買物を奨励していた。
--日本では、このような国レベル政策は出されたことはない。

私は今まで、健康、環境、公共交通との関係において、自転車利活用を考えたことはありましたが、積極的な商店街活性化策と自転車との関係は、”高松丸亀町再開発事業の中で実感”した以外は、余りありませんでした。
 
商店街において、放置自転車、交通ルール無視等のマイナス面ばかりではなく、いかに自転車買物客が商店街に恩恵をもたらせているかを再認識することが重要かを感じた次第です。

上記詳細データ講演とその後の古倉教授との話の結果ですが、重要な問題提起だと思いますので、引き続き古倉教授と接触を持ちたいと思っています。

皆さんは、このレポートでどうお感じになりましたか。
自転車は放置問題、マナーの悪さだけ目立っていましたが、実は、商店街は自転車客で支えられていたということかもしれません。

実際、私の買物する場所の商店街、スーパー等を見てみますと自転車客 55% 徒歩客 25% 車客 20%の割合と感じています。(東京文京区小石川商店街地区の事例実感です)

少なくとも、東京23区の食品スーパーの自転車買物客比率は約50%と感じます。
(過去、私は、交通量調査ではこの分類はよくしましたが、買物客それも買上げ金額を調べた調査は行ったことを聞いたこともありませんでした)

少し余計なことですが・・・。 
私は、20年前埼玉県H市中心商店街で交通量調査を行いましたが、その時の比率は、
車80%、自転車・徒歩12%、徒歩8%(休日)
車58%、自転車・徒歩30%、徒歩12%(平日)でした。

1年前に行ったところ、今、この中心商店街は、関東最大規模のイオンSCができた影響もあって市が購入した中心部のジャスコ跡地の駐車場も余り使われていません。また、その後、道路・拡幅整備したのですが、車さえもう市街地には入ってきていません。
しかも、駐車違反取締りも強化されています。
このような現象は、三重県松坂市中心部、他全国各地に見られます。(2009/6/26)