わたしが、鎌形小学校に転校してきたときは、まだ友だちは、できなかった。けれども今では、だんだんと友だちができて、転校して来たかいがあった。わたしは、
「友だちがふえて、よかったな。」
と、心の中でいっています。
上原さんのあだ名は、「くいしんぼう」、くに江さんは、「ちびでか」とかいろいろな、あだなでおもしろいけど、わたしは、しき第二小学校の時のあだ名は、「りんご、みかん、ぶた」と、いわれました。それは、わたしはさむくても暑くっても、ほっぺが赤くなっているからで、りんごやみかんと言われたんです。
もうひとつの、ぶたというのは、わたしの体重は二十四キログラムだったのに、顔がふとっているからだそうです。
でもわたしは、「ぶた」というのはいやです。女の子は、いつも「吉田さん」と、言うけれど、男の子は「ぶた」といいます。
わたしは「ぶた」と聞くとおこります。すると男の子は、「吉田さん」といいかえします。
ある日、男の子がろう下で、ねころんでいて、わたしは、しらないでふんでしまいました。男の子は、ないてしまって、さからってきました。わたしは、
「ろうかで、ねころんでいるからだよ。」
と、いいかえしました。みんなが、さわいで集まってきました。わたしは、ないてしまいました。
その男の子の名は「あべたとしゆき」といって、
「ふとっておこりだすと、とてもこわいのに、今日は、ないてしまったので、みんなが、びっくりしていたんだって。」
と、友だちにいわれました。
(三月八日 土)
鎌形小学校『三年生の文集』1975年(昭和50)3月