“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

愚かな北朝鮮のミサイル発射通告と安倍、中谷のどす黒い狙い

2016年02月05日 14時52分22秒 | 臼蔵の呟き

PAC3先島配備 優先すべきは外交努力だ

「軍事評論家の前田哲男氏は「打ち上げに成功する場合も失敗する場合もPAC3は機能しない」と指摘し、部隊展開の意図は北朝鮮の脅威の誇張と県民のために心を砕いている姿勢を示すパフォーマンスだと述べる。」「ミサイル発射に乗じた自衛隊配備の地ならしなら許されない。必要なのは冷静な外交努力だ。脅威をあおることではない。」

「北朝鮮のミサイル発射通告は重大な国際社会への挑発であり、厳しく批判されている。しかし、挑発に乗って脅威をあおり、PAC3を配備しても問題の解決にはならない。外交努力を最優先し、国際社会の連携で北朝鮮に自制を促すべきだ。」

<琉球新報社説>PAC3先島配備 優先すべきは外交努力だ

 ミサイル発射に乗じた自衛隊配備の地ならしなら許されない。必要なのは冷静な外交努力だ。脅威をあおることではない。

 北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射通告に対し、中谷元・防衛相が破壊措置命令を出した。防衛省は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を宮古島、石垣島に展開する。与那国島にも陸上自衛隊の連絡員を派遣する。
 ミサイル発射通告に対し、安倍晋三首相は「国民の安全確保に万全を期すようにしてほしい」と指示した。しかし、PAC3配備が本当に住民の安全確保を目的としたものか疑問である。なぜなら今回のミサイル発射にPAC3は役立たないからだ。
 北朝鮮の計画通りならば、先島上空を通過する時点ではミサイルは大気圏外を飛行しており、PAC3は届かない。
 仮に打ち上げに失敗し、空中で爆発し破片が落下したとしても対処はできない。PAC3はミサイルの発射地点や高度、方向から落下位置を予測して迎撃するシステムだ。破片の落下位置は予測できず、迎撃は不可能である。
 軍事評論家の前田哲男氏は「打ち上げに成功する場合も失敗する場合もPAC3は機能しない」と指摘し、部隊展開の意図は北朝鮮の脅威の誇張と県民のために心を砕いている姿勢を示すパフォーマンスだと述べる。
 そのことは2012年に北朝鮮が「人工衛星」と称して弾道ミサイルを発射した時の対応でもはっきりしている。その時はPAC3と共に石垣島に450人、宮古島に200人の自衛隊員を配備した。ところが、ミサイルが上空を通過する多良間島には数人の連絡員を配置しただけだった。
 このことからも、ミサイル迎撃が目的ではなく、住民向けに「頼りになる自衛隊」の演出を狙ったPAC3配備だったと言えよう。
 宮古島市、石垣市は現在、自衛隊配備の是非をめぐって市民の間でさまざまな議論が起きている。自衛隊に対する厳しい住民感情の払拭(ふっしょく)を意図したPAC3配備ならばやめるべきだ。

 北朝鮮のミサイル発射通告は重大な国際社会への挑発であり、厳しく批判されている。しかし、挑発に乗って脅威をあおり、PAC3を配備しても問題の解決にはならない。外交努力を最優先し、国際社会の連携で北朝鮮に自制を促すべきだ。



アメリカ大統領選挙 既成政治への不満

2016年02月05日 05時37分04秒 | 臼蔵の呟き

アメリカ、イギリス、日本、フランスなどの先進工業国が政治経済的な閉塞感を増加させ、混迷していることは現在の世界政治経済の特徴です。これらの国に共通した政治、経済現象です。

この主張でも述べるように、多国籍企業と大手金融機関、超富裕層に富が集中し、中間層が没落し、圧倒的多くの国民が貧困にあえいでいる。この点が、共通しています。産業構造の変化に対応している国とできない国で差がありますが、製造業中心の産業構造は終息し、金融、ITなどが中心の経済構造となっています。これらの国の大手企業は、生産拠点を海外に移転させ、多国籍企業化しています。そのために、従来の製造業に支えられた都市、労働者が大量に解雇、失業、より低い賃金体系の産業に転職を余儀なくされました。そのことが貧富の格差拡大に一層拍車をかけています。しかし、最大の問題は、大量生産、大量消費に頼り、価格競争による市場支配、占有率を上げる手法が矛盾と限界に達していることです。生産拠点が低賃金労働者、人件費の最小化を求めて移転し続ける限り、本国の労働者は常に賃金を低レベルに押さえつけられます。その1つとして正規労働ではなく非正規労働への移行です。労働法の改悪がそのことを司法として保証します。

アメリカ大統領選挙は、二大政党制を基本としている点で、現在の政治経済の矛盾を解決する点で、機能せず、矛盾に満ちています。二大政党が信奉する政治経済政策が貧富の格差拡大、市場万能論をとっているためにアメリカ社会が直面している問題を解決することができるはずもありません。また、世界最大の軍隊を持ち、その軍事力で紛争に介入し、アメリカ型政治、経済を強要する点でも二大政党は最悪の軍事優先政党です。

多くの国民の貧困と生活苦をよそにして大統領選挙が巨額費用とマスコミを使った政治ショー化していることにもそのことが見て取れます。

<信濃毎日社説>アメリカ大統領選挙 既成政治への不満映す

 オバマ政権後の米国はどこへ向かうのか。二大政党の民主、共和両党が次期大統領候補を選ぶ指名争いが本格的に動きだした。

 最初に党員集会があったアイオワ州は、両党とも激戦となった。目立つのは、当初は泡沫(ほうまつ)ともみられた「異端」の候補が大きな支持を得たことだ。既成政治への不満が強まる米社会の現状を映し出している。

 民主党は、本命と目されるクリントン氏が勝利したものの、「民主社会主義者」を自任するサンダース氏が肉薄した。もともと無所属のサンダース氏は、指名争いに名乗りを上げた昨春の段階では支持率で大きく引き離されていただけに、躍進を印象づけた。

 「1%の富裕層のための政治を変えよう」。サンダース氏が前面に掲げるのは、貧富の格差の是正だ。最低賃金の引き上げ、国民皆保険制度の実現、公立大学の授業料無償化などを訴え、若い層からは圧倒的な支持を集める。米国の経済は回復基調にあるが、限られた層に富が集中して中間層が衰え、低所得層が増えたとされる。学費が高額なため大学進学を諦めたり、学生ローンの返済に苦しんだりする若者も多い。

 深刻な格差は米国が直面する最大の課題の一つだ。サンダース氏の主張は財源の保証がないなどと批判を受けている。具体的な政策論議を深めてほしい。

 共和党は、保守強硬派のクルーズ氏が勝利した。同性婚や中絶に反対し、過激派「イスラム国」(IS)に対しては、シリアやイラクへのじゅうたん爆撃を主張している。2位には、移民やイスラム教徒への排外的な発言を繰り返すトランプ氏がつけた。極端な主張が有権者にどこまで支持されるか、注視したい。

 反主流派の2人に対し、主流派では、ルビオ氏が予想を上回る善戦を見せた。反主流派が優位に立つ指名争いの構図を変えるには、主流派の支持を一本化できるかが鍵を握るだろう。

 米国は、冷戦終結後の「一極体制」が崩れたとはいえ、政治、経済、軍事各面で依然大きな影響力を持つ。貧富の差の拡大や排外主義による分断は、米社会だけでなく世界で顕在化している。その克服に向けても、内戦や紛争が続く中東の安定を図る上でも、米国が担うべき役割と責任は重い。

 7月の党候補指名を経て11月の投票まで、長きにわたる選挙戦は、米国にとって民主主義の最大の実践の場である。実りある政策論議を求めたい。