“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

ノー天気なあきれた話

2013年09月09日 10時55分00秒 | 臼蔵の呟き

蜂助さんが言うように、政府に国際舞台での発言、約束を果たさせるように監視しようというのも1つの手かもしれません。しかし、国際舞台で見得を切り、国内では事態を知りながら、なんら手を打たなかった安倍、経済産業省、規制委員会の田中委員長は汚染水の汚染度を下げて、海洋に投棄せざるを得ないと日本記者クラブで言明しています。

オリンピック招致で儲けることができると経済界は歓迎とのことですが。本当に倫理観がない、国内の地域が何年も居住不可能な地域になってもわれ関せずにはあきれるばかりです。しかも、汚染水を海洋に投棄して、拡散し希釈するとの見解は「はー?」です。ニュースでやくみつるさんが東京招致に反対したと報道しましたが、オリンピック東京開催一色のテレビ報道の中で「えらい」と感じました。大勢に流されず、自分の頭で考えて意見を言える日本人がいることはうれしい限りです。シリア問題が切迫しているときに、日本政府、マスコミのオリンピック報道一色は政治音痴、なにが重要なことであるかの価値観がこんなにもずれていることにーーあきれるばかりです。国連で安全保障理事会常任理事国になりたい???バカなことを言うなよと。

<あきれた話>

「状況はコントロールされている」。安倍晋三首相は、国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京電力福島第1原発事故の汚染水漏れについて、こう明言した。しかし、福島の漁業関係者や識者らからは「あきれた」「違和感がある」と批判や疑問の声が上がった。「汚染水の影響は福島第1原発の港湾内0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」とも安倍首相は説明した。だが、政府は1日300トンの汚染水が海に染み出していると試算。地上タンクからの漏えいでは、排水溝を通じて外洋(港湾外)に流れ出た可能性が高いとみられる。

<社説>

東京電力福島第一原発の汚染水問題が深刻さを増しています。政府がしっかり対応するためには、原点に戻って東電処理策の見直しが不可欠です。東電が汚染水の海洋流出を認めたのは、参院選投開票日の翌日、七月二十二日でした。それまで政府は事態を知らなかったのでしょうか。政府は昨年七月、東電に公的資金一兆円を投入し事実上、国有化しています。経済産業省は以来、官僚を東電役員に送り込んで、経営を監視してきました。今回の事態はメルトダウン(炉心溶融)以来の重大事です。もしも知らなかったとしたら、それこそ大失態でしょう。

予想できた汚染水流出

 当初、腰が重かった政府は海外メディアがこぞって批判的に報じる中「五輪の誘致活動に悪影響を及ぼす」とみて、総額四百七十億円を投じて、汚染水対策に乗り出す方針を決めました。財源の半分近くは予備費を活用します。

 予備費は普通の予算とは違って、憲法八七条で「予見し難い予算の不足に充てるため」と厳格に使途が制限されています。たとえば、天災などの復旧費に充てられるのが普通です。

 なぜかといえば、国会の事後承諾だけで政府が勝手に使える予算を野放図に認めたら、民主主義が成り立たないからです。では、汚染水流出は予想できない事態だったか。とても、そうとは言えません。

 汚染水が海に流れ出す懸念は事故直後から多くの関係者が指摘していました。当時の細野豪志原発担当相は二〇一一年七月の会見で、原発周辺の地中に遮水壁を構築する案について「できるだけ早い時期に着工できないか、検討を始めた」と答えています。

 つまり、流出の可能性は当時から分かっていたのです。

東電任せと政府の無策

 それなのに、なぜ対策がとられなかったのか。菅直人元首相は自分のブログで「政府と東電の統合対策本部に検討を指示したが、約一千億円かかるということで東電が難色を示した」と告白しています。東電は巨額の費用を計上すると「債務超過」になりかねない事態を恐れたのです。ようするに「カネの問題」でした。

 「東電にカネがないなら、政府がもっと早く対応すればよかった」と思う向きもあるでしょう。その通りです。海は日本だけのものではない。事態を放置すれば、世界から批判を浴びて当然です。

 ところが、それはできませんでした。なぜかといえば、東電をつぶさず、あくまで会社として延命させたまま、東電の責任で事故の処理をさせるという枠組みをつくってしまったからです。

 賠償金支払いも除染の費用も一時的に政府が立て替えるが、後で全額、返済させる。廃炉費用に至っては、立て替えもしません。全部、東電の責任です。

 すると、何が起きたか。汚染水処理も廃炉工程の一つですから、どう作業を進めるかは東電の判断に委ねざるを得なかったのです。いくら元首相が歯ぎしりしたって、政府に法的権限はないし、カネも出さないのですから、東電が「カネがないからできない」と言えば、それまででした。

 ここを乗り越えて、政府が前に出て行くためには「汚染水対策は政府がやる」とはっきり方針を決めなければなりませんでした。

 今回、安倍晋三政権はカネを出す方針を決めました。ただし、税金を使うには本来、大前提があります。事故に無関係な国民に負担を強いる前に、まず東電自身と利害関係者、つまり株主と銀行が負担をしなければなりません。株主と銀行は自分のビジネスとして東電に投融資したのですから、それは当然です。

 東電を破綻処理して自己資本と融資の一部を事故処理に回せば、約四兆円の資金が出てくるともいわれます。政府保有の株式一兆円分も紙切れになりますが、それを差し引いても、三兆円分は国民負担が減るのです。

 東電に対応能力がないという話が本当なら、政府が対応せざるを得ません。そのためには、政府は東電処理を見直す必要があります。今回の決定は「東電は四百七十億円すら負担できないのか」「それなら破綻したも同然ではないか」「東電がお手上げなら、なぜ自ら破綻処理を申請しないのか」など疑問点が山積しています。

事故は第2ラウンドに

 原発周辺の海の放射能濃度は八月の一週間で八倍から十八倍に増えました。事故は収束どころか、完全に「第二ラウンド」に入ったとみていいでしょう。政府が四百七十億円を出したからといって、汚染水問題は終わりません。

 事態の深刻さを認識して、事故処理の枠組みを根本から考え直す。時間との闘いです。


五輪開催決定 考え方変える

2013年09月09日 06時00分24秒 | 蜂助の呟き

こんにちは、蜂助です。

最近の仙台はめっきり涼しくなりました。そのせいか、ウチの秋明菊(シュウメイギク)が咲き始めました。例年より断然早い開花です。少しくすんだピンク色で茶花としての風格があります。

日本中で2020年オリンピックの東京開催で活気づいています。「オリンピックと消費税増税は別」としていますが、私には別には見えません。東京オリンピック時とは同レベルにはならないでしょうが、「第四の矢」とか言っていわゆるハコ物建設が大量に行われるでしょう。

私はオリンピックの東京開催に反対していましたが、考え方を変えました。なぜ反対していたかというと、福島第一原発の状況が世界に迷惑をかけており、汚染水ですら解決できないでいる、日本政府の被災者切り捨てを許せないと思っていたからです。オリンピックより復興や原発事故修復が先だろうということです。

これは、今でも同じ考えです。

しかし、これからは別な考え方が必要だと思っています。日本政府が世界に約束したことを、日本人として守らせる義務があるということです。

汚染水を完全にコントロール化に置く。(うそつきめ!) → コントロールし、0.3平方キロメートル以内に抑えさせましょう。東日本大震災からの復興を東京と一緒に進めましょう。私は、このように考えることにしました。

 

ところで、こんな本があります。まだ読み始めたばかりですが、福島の原発事故後のことが当事者として生活者として書かれています。この中にこんな一節があります。家族で福島市渡利から引っ越そうと夫が言い出し、夫婦喧嘩になりました。その様子を「娘は次男の腕にしがみつき、高校生になったばかりの長男ですら涙目になりながら、推移を見守っていた。」  中略  「私(妻)は、泣きながら台所で夕食の後片づけをし、朝食用の米を仕掛け、しばらく台所から出なかった。」「そして、みんなが寝静まったころ、ゆっくりお風呂に入り、布団にもぐったけど、なかなか寝付けず、携帯を開いた。そのときに打った文章が、夫に送らないまま、今も下書きフォルダに残っている。精神的苦痛が賠償の対象になるのなら、私はこのメールを証拠に提出しようと、今、本気で思っている。」

住んでいるところを「残る」「引っ越す」、除染を「する」「しない」、県内産の食べ物を「食べる」「食べない」、生活の一つ一つについて、原発事故のために夫婦が家族が、親子が試され、時によっては、いさかいを起こし、喧嘩になる。仲の良かった人たちが、原発事故のせいで不仲になる。

多くの、夫婦が離婚をし、別居をし、福島県を離れざるをえなくなりました。

オリンピック招致の際に、汚染水は「0.3平方キロの範囲」、とか東京は福島から離れているとか・・・・・

多くの方がこの言葉に、内心、深く傷ついているでしょう。口に出さないでも「切り捨てられている」と感じた方も多いのではないでしょうか。

まもなく、福島県では震災関連死をされた方が、震災で亡くなった方より増えます(実際は関連死の申請がされているので、申請者と含めるとすでに震災関連死の方が多い状況になっています)