原子力発電所の稼動が「０」になった日

２０１２年こどもの日に北海道電力泊原子力発電所が定期検査に入り、日本の稼動できる原子力発電所５０基（福島第一原発１－４号基は法律で廃炉決定されました。）が全て止まりました。原子力発電所が日本で稼動してから２回目、全国に２桁以上の原子力発電所数が建設、立地してからははじめてのことです。また、この原子力発電所稼動「０」状態が福島原発事故を受けて、国民の反対、批判の運動が巻き起こるなかで実現した点でも画期的なことです。自然に稼動ゼロになったわけではないことが重要です。

多くの電力会社が津波対策で防波堤を高くする工事を行っています。また、電源喪失の対策を行い始めています。東京電力で働いていた技術者が、福島原発で働いていたときに、非常用発電ディーゼル発電機の設置場所に海水が入ったことが２０００年代初めにあったと語っています。１１年３月の津波で浸水する前にも浸水があったことが分かっています。東京電力内ではそのことを多くの技術者が認識もしていた。しかし、公然と危険性を指摘する声、議論にはならなかった。タブーであったと語っています。原子力発電所、核分裂を行う場所、核廃棄物が各兵器製造物を大量に生産する原子力発電所には「情報管理」「軍事上の機密保持」「安全対策」に美名の下に情報操作が行われてきました。また、現在も多くの情報操作が行われています。その体質が電力会社、政府、経済産業省、関連大手企業にあります。

これらの原子力産業に携わる企業群、利益共有集団には情報操作を体質としてあります。このような集団が「安全性を強調」すればするほど、裏には、危険性があるのだと考えるのが、常識なのかもしれません。その意味で、今回の事故を受けて、国民が情報開示を求め、自らの頭で考えることをはじめたことが非常に重要なのだと思います。電力が足りない、工場が稼動しない、だから、原子力だと短絡的な発想を迫り続けた政権、野田政権、経団連、そのちょうちん持ちを勤める御用学者集団が追い詰められています。歴史の進歩を彼らが情報操作でとめることが出来なかった。お上が考えることに、国民的な運動が、規制を行った。ここに大きな歴史的な意義があるのだと思います。

レーガン政権の教育政策（新自由主義の政策）

「ＳＯＳ、われわれの学校を救おう」アメリカの教育制度は崩壊寸前、誰がこんなにしてしまったのか。
アメリカのティーン・エイジャーの教育実態は、想像を絶するものがあるようだ。ＣＢＳニュースが二時間の特別番組を組み、放映した。その内容は戦慄を覚える「恐怖番組」であった。最近（１９８８ねん）の脱東部、脱東北部、脱中西部現象は、メキシコ、ベトナム、韓国、台湾移民が大量に流入している。その中で、少数民族の生徒が「６×３＝？」はと質問されて「答えは１２です」と答えた。計算機が幅を利かせる社会で、アメリカの欠陥断面をいきなり暴露した。（現在の日本でもこの程度のことはある得ることですが）。

「中学、高校のドロップアウト（中退）は４６％！です。これらのドロップアウト生徒は、街頭にたむろし、マリファナを吸っています」とういナレーションが流れた。マイノリティ生徒の多いロスアンゼルスの高校では、「安全保安係りがいないと、先生が恐怖心を抱いて、授業が出来ない」と嘆いている場面を報道した。ドロップアウトの高校生は、やがて「ランアウエイ（家出）」に変わる。聴衆の中にいたロスアンゼルスのマイノリテイ地区の高校校長は「私の高校では、７０％のドロップアウトです。三年間で、生徒は３０％に減ってしまった」と訴えた。私は（大森実さん）後頭部を一撃される思いであった。

定員過剰の小学校が全学区の中で、８６％もあり、仕切りのない講堂の中で、授業が行われているビデオテープが公開された。１人の教師が、「机と椅子が生徒の半分しかなかったので、学校当局に抗議すると、やっと数だけそろったが、他の教室の先生が取り返しにやってきた」と笑えない喜劇的な話を暴露した。喧（やかま）しく言った教師の要求を満たすため、学校当局は、他の教室の机、椅子を少しずつまわしていたわけだ。

この恐怖番組のＣＢＳ番組は、ブッシュ対デイカキュスの２回目のテレビ・ディベートがあった翌日に放映された。ブッシュ候補（父親）が「死刑賛成」「妊娠中絶反対」で黄色い叫びをあげ、ＳＤＩ（スター・ウオーズ）を説いていた姿が、私にはなんともむなしく思えた。学校でいくら「忠誠宣言」をやらせてみても、アメリカの教育システムは（現在の大阪府、大阪市なども？）改善されないだろう。このままではアメリカは崩壊するだけで、「その責任は、教育費に大鉈を振るって、国防費をムチャクチャ膨らませたレーガンにある」と私は思った。

―――改善の方向に向かっているか、どうかの議論の中で、聴衆の中から１人の高校教師が飛び出してきて、教育委員会の当局者にこう食らいた。「あなた方は、自分の身を守るために嘘ばかりついている。殺すぞ」と。アメリカの教育予算削減、教育現場の荒廃は極限まで来ているとことを示しています。新自由主義がどのような社会、教育（国家の未来を決める重要な政治課題）をもたらすかを理解するうえで、重要な現実、報告です。

子どもの医療費への国の仕打ち

こんにちは。蜂助です。今日は、子どもの医療費の話です。

総務省が４月１日現在の人口推計を発表しました。１５歳未満の子どもの数は前年比１２万人減の１６６５万人で、１９８２年以降、３１年連続で減少しました。総人口に占める割合は１３．１％と過去最低です。良くないことに、年齢が小さくなるほど少なくなっており、昨年の出生数は過去最少です。子どもの数が減り続けているということです。

生活が豊かになると子どもを産まなくなるとか、自由な生き方をするために結婚しなくなったとかいろいろ言われています。しかし私は、今の若い方たちの生活が不安定で収入も安定しないために、結婚もできないのではないか。結婚しても子どもを育てられるだけの収入が得られないことが少子化の根底にあるのではないかと思います。

新自由主義、自己責任の中で必然的に少子化は進んでいます。これは国の政策の反映です。

ところで、せっかく生まれた子ども達に健康な生活をしてほしいと思うのは国民全員の願いです。子どもの医療費無料化は程度の差はあれ、現在、全国のすべての市町村で実施されています。入院では、中学卒業までの無料化が全国の５１．６％です。私の知り合いの宮城県女川町に住む高校生は高校卒業まで通院も入院も無料と言っていたような記憶があります。話を戻しますが、入院の無料で小学校卒業までが２０．８％、就学前まで１９．７％となっています。

通院の無料化は、中学卒業までが６５５自治体で３７．４％、小学校卒業まで１２．１％、就学前まで１２，１％です。

このように医療費を無料化しているのは日本の全国の流れですが、国はひどい仕打ちをしています。

子どもの医療費無料化の自治体の７８％以上が医療機関の窓口での支払いをゼロにしています。このことで夜中に急に病気になったり、お金の持ち合わせの無い時にも医療機関にかかることができます。我慢せずに医療を受けられるため重症化も防げます。

ところが、国が行っているひどい仕打ちは、窓口での支払いを無料化している自治体に罰則を与えているのです。市町村の国民健康会計への国庫負担を削減しているのです。２００９年度には７１．３億円も削減しています。２００６年度の６４．９億円から１０％も罰則金を増やしています。

厚労省の言い分は「窓口無料化をしない自治体との公平化が問題」と言っています。厚労省や民主党が考える「公平性」は新自由主義そのものです。医療費を何も心配なく支払える「裕福な」人たちと比べて、医療費を簡単に支払えない人たちと比較して「平等」ではない、すなわち公平ではないと言っているのです。

全く許せない論理です。

福島第一原発事故で苦しんでいる福島県の佐藤知事が福島県の「１８歳以下の子どもの医療無料化」を国に要請しましたが、野田首相は「国の医療保険制度の根幹に影響を与える」としてこれを断りました。

東電と国による原発事故の被害者の福島県の人々に対する思いやりはひとつもありません。

さらに、もし福島県が自治体の良心として、子たちの医療費を無料にし窓口負担をゼロにすれば、国は福島県に対して「窓口無料化をしない自治体との公平性が問題」としてペナルティーをかけるでしょう。