“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

アメリカの無人機攻撃

2012年05月03日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
戦争に正義の戦争があるとは思えません。ベトナム戦争、イラク戦争のように一方的に軍事大国が、弱小国を攻撃し、その軍事攻撃に抵抗する戦闘行為は擁護される必要はあります。今回、アメリカ軍がアフガニスタン、パキスタンで「対テロ作戦」と称して行っている戦闘行為の中で、無人機を使った攻撃を認めました。このことをめぐって、論争、批判がされています。

そもそも、アメリカが各地で行っている軍事行動の正当性はあるのか。また、何を根拠に他国の主権を侵害して無人機で攻撃する権利、正当性があるかです。「テロ報復」を根拠にしていますが、テロを軍事的報復でなくすことが出来るか、誰がそのようなことを承認したかです。アメリカの軍事力が突出しているから何をやっても許されるか?許されないことは明白です。アメリカ国内でもイラク、アフガンからの米軍撤退を求める声が大きくなっていることを見ても明らかです。経済的にアフガニスタンは重要でないからとの主張もありますが、イラクは原油産出国だから軍事攻撃したのか?アメリカ政権、政界のモラルの崩壊を示しています。

間違いなく言えることは、アメリカの国力は衰退する、その最大の要因は他国への軍事攻撃、軍事費の拡大はアメリカの国力の消耗、アメリカ国民の生活水準の低下へ必ず結びついてゆくということです。スペイン無敵艦隊、イギリス帝国の衰退、植民地の独立などの歴史的教訓を見ても明らかです。また、アメリカが「傲慢だ」「尊敬されない国」といわれていることは、アメリカ、アメリカ国民にとっての不幸をもたらす以外の何物でもないと思います。

科学技術の進歩を「戦争利用」するのではなく、世界の国民、恵まれない国々の人々のために使う、貢献することこそが先進国の役割です。そうしてこそ、さすが、先進国と尊敬されるのではないかと思います。一方で「民主主義」を唱え、一方で軍事力をかざし「無人機で殺戮を行う」こんな矛盾したことをアメリカが行う限り、アメリカの政治、経済の先行きは「沈没」以外はないと。これだけは事実です。

メキシコ大統領選挙とTPP

2012年05月03日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き

メキシコ大統領選挙が2012年7月1日投票になります。そのメキシコ大統領選挙は、有力候補3人で争われています。争点は、麻薬戦争(死者5万)、貧困問題です。与党(PAN:国民行動党)カルデロン大統領は、メキシコ軍を投入し、麻薬対策を行っています。この作戦は市民が巻き込まれ、犠牲者は約5万人と言われています。自治体によっては麻薬戦争の危険を感じて、自治体首長が不在になるという事態も生まれています。
麻薬戦争の真の要因は、「社会的不平等が麻薬犯罪の温床」だと国連機関から指摘されています。麻薬戦争の収束、暴力、犯罪の削減策は、貧困対策であるとの与野党での政策論争になっています。
メキシコは米国の経済、金融危機の影響を中南米のどの国よりも強く受けています。その理由は、北米自由貿易協定(クリントン大統領時代に締結)です。メキシコの輸出は8割以上が、アメリカです。アメリカの経済動向、不景気の影響をもろに受ける経済関係です。農業の衰退も顕著になっています。
メキシコの貧困人口は、09年34.8%でした。10年には36.3%と増加。貧困人口が増加しています。
支持率第三位民主革命党(PRD)は、「暴力拡大は、貧困と失業増大であり」「その根底には新自由主義の問題がある」「現在のメキシコの経済モデルを国民本位に転換させる必要がある」と主張しています。

北米自由貿易協定は、アメリカ、カナダ、メキシコが結び、進めてきた自由貿易協定です。野田政権が進めようとしているTPP協定は実質的にアメリカと日本の自由貿易協定です。この貿易協定で「日本の貧困率」拡大、社会の不安定化、アメリカの経済変動に強くリンクした経済構造、何よりも、日本の政治、経済のルールをアメリカ型に合わせることとなります。その結果、メキシコのような問題に直面することになります。


格安と安全

2012年05月03日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、バス事故の話です。

金沢から東京方面に向った長距離バスが事故を起こし、7人が亡くなり39名が重軽傷を負いました。この重大事故にも、自由競争や規制緩和などの、何でもありの考え方が根本にありました。

一昨日は、メーデーでしたが、バス事故を起こした運転手さんは労働組合に加入していなかたのではないでしょうか。労働者としての権利や労働条件もどのようなことになっているのでしょう。

長距離バスの値段が安いのには当然理由があります。安全はバス料金には含まれていなかったのでしょうか。

私や身内、知り合いもここ数年で長距離バスに乗る機会が増えました。理由は安いのが主な理由です。仙台・東京間が新幹線では1万円ちょっと掛かるに長距離バスは3~5千円程度で行けるのです。なぜこんなに安いのでしょう。たとえば3千円で40人乗ったとして売上は12万円です。人件費、燃料費、高速料金、タイヤやオイルなどの消耗、車検整備などの経費、そして運転手の宿泊代、駐車料金その他の経費がかかりますがどう考えたって難しいような気がしてなりません。

JRの長距離バスが「乗合バス」なのに、格安の長距離バスは「ツアーバス」です。「ツアーバス」とは、旅行会社が募集した客を貸し切りバスに載せるものです。「乗合バス」は車両や乗員は自社で持っており、貸し切りバスへの運行委託は認められていません。「乗合バス」は、便数や運賃の変更は30日前までに届け出が必要など、道路運送法でかなりの部分が規制されています。逆に見ると、規制されている分、安全が担保されています。

2000年に道路運送法が改悪され、貸し切りバスの新規参入を免許制から届け出制に緩和され、大幅に台数が増えました。2004年度に格安長距離バスに利用者は2万3千人だったのが、2010年度には6百万人になんと260倍に増えました。旅行社企画の「旅行商品」と定義されている格安長距離バスは「ツアーバス」とされ道路運送法の適用を受けません。便の増減、料金変更もすぐにでき、インターネットで予約できる便利さが利用者から喜ばれています。

「ツアーバス」は拘束時間を労使協定があれば1日最大16時間としています。労使協定などというのは、買い手市場の労使関係では実質的に通用しません、通告に等しいでしょう。運転時間は2日合計で18時間を超えてはならないと定められており、連続運転も4時間を超えてはなりません。一人のバス運転手の運行距離の上限の目安も670キロとされています。

結局、仙台・東京間、金沢・東京間、大阪・京都・東京間などは、夜間の長距離バスでも一人運行が認められているのです。

重大事故の原因は、過労による居眠りです。居眠りは本人がコントロールできないうちに睡魔に襲われてしまいます。

規制緩和、新自由主義、何でもアリ、ここには安全性という概念は無いのです。格安飛行機や格安ツアーも大丈夫でしょうか?