そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
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手紙

2007年10月04日 | 人間/社会派ドラマ

2006年 日本 121分
■2007.9.29 DVD
■監督 生野慈朗
■出演
   山田孝之(武島直貴)  玉山鉄二(武島剛志)
   沢尻エリカ(白石由美子)
   吹石一恵(中条朝美)  尾上寛之(寺尾祐輔)
   田中要次(倉田)  吹越満(緒方忠夫)
   風間杜夫(中条=朝美の父)
   杉浦直樹(平野=会社の上司)

 《story》

「兄貴、元気ですか。これが最後の手紙です。」

幼い頃に両親失い、兄弟で生活する武島。兄剛志は弟直貴の大学進学のために働く。引っ越し会社に勤めていたが腰を悪くする。どうしても弟の進学のためにお金がほしい剛志は、資産家の老女の家に忍び込みお金を盗む。しかし、見つかり老女を殺してしまう。直貴は進学を断念し働く。しかし、殺人者の弟として非難され差別される。月に1回刑務所から届く兄の手紙。しだいに直貴は兄への恨みがつのっていく。直貴は自分の夢を実現させようと、中学時代からの友人とお笑い芸人の世界に入る。しかし、それも兄のことが知れ、自ら身を引く。恋人との別離。そんな直貴を見守り続けていた女性がいた。会社の食堂で働いていた由美子は、陰に入り込もうとする直貴を優しく支えようとした。日の当たる表に引っ張り出そうとした。由美子は直貴にかわり、剛志に手紙を書いた。やがて二人は結婚し子どもが産まれる。子どもへの差別が始まる。直貴はたまりかねて剛志に最後の別離の手紙を書く。

 苦しみ続けたからこそわかる気持ち
弟の気持ちがよくわかる。差別のある社会。でも、社会が気にするのもわかる。こうして直貴という人間を知っているからこそ言えることであって、知らなかったら「殺人者の弟」というレッテルしか見えない。当たり前と言えるかもしれない。でも、知る努力は必要だ。レッテルだけで人を判断する恐ろしさを知るべきだ。直貴はどこに行っても兄のことを知られると差別を受けた。兄への憎しみも当然だ。兄とは別な人間だと主張しても、世間はそうは見ない。差別のない街を求めて・・・逃げて逃げて始めてそれでは生きていけないことがわかった。そして由美子が堂々と歩くことを教えてくれた。時間がたくさん過ぎていき、始めて兄の思いに触れることができた。一通の手紙ではわからなかった気持ち、それは手紙の束を見ただけでわかった。直貴も苦しみ続けたからこそ兄の心に目を向けることができたのかもしれない。いや、由美子がいたからこそ、兄の心に目を向けられたのだ。由美子の存在は大きい。
始めに本を読んだ。原作とは異なる部分もあったが、映画もよかった。当時リピーターは1000円という宣伝がった。確かにもう一度見たくなる映画だ。

  公式サイト「手紙」