そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

あした

2007年06月28日 | ファンタジー/アドベンチャー


1995年 日本 142分
■2007.6.21 GyaO
■監督 大林宣彦
■出演
   高橋かおり(原田法子-冒頭の女の子)  
   林泰文(大木貢-冒頭の石を投げた男の子)
   宝生舞(朝倉恵)  原田知世(わたし)
   津島恵子(金澤澄子-ヤクザの姉さん)
   植木等(金澤弥一郎-ヤクザの親分)
   井川比佐志(森下薫) 
   岸部一徳(笹山剛-ヤクザ)
   多岐川裕美(森下美津子)
   朱門みず穂(綿貫ルミ)
   峰岸徹(永尾要治-妻と娘を失った父)
   村田雄浩(唐木隆司-水泳の先輩)  根岸季衣(一ケ瀬布子)
   ベンガル(池之内勝-ヤクザの兄貴)
   田口トモロヲ(笹山哲-ヤクザ)   柏原収史(高柳淳-恵の彼)
   尾美としのり(学校の先生)   風吹ジュン(冒頭の少年の母)

  《story》

「人は約束する。
    出逢うために、共に生きるために、
    そして、ときには、
    『さよなら』を言うために・・・・」

尾道の内海で、小型客船、呼子丸が遭難した。乗客全員が不明のまま、三ヶ月がたった。残された恋人、夫、妻たちのもとに、不明者からのメッセージが届いた。「今夜午前0時、呼子浜で待っている」朝倉恵は恋人の淳から、ヤクザの親分は孫と妻から、永尾は妻と娘から、小百合と沙由利はコーチから、美津子は夫から。この近くの温泉に泊まっていた法子は、小学校時代に離ればなれになっていた貢と出会う。貢はヤクザの子分になっていた。
本当に不明者はやってくるのか。刻一刻と午前0時に近づいていく。

 あしたは期待と不安
今は不安の方が大きいかな。その不安材料をなくすように努力はしているんだけど。
さて、この映画のあしたは期待。みんな期待を胸に集まってきた。不思議な縁で結ばれた人たち。それは船の乗客だった人も。彼らに会いに来た人たちも。もしもう一度会えたら何を話そう。やっぱり謝ることしかないかな。「やあ元気?」なんてしらじらしい。「なぜあなたは死を選んだのですか」昔も今も、私にはどうすることもできなかった。何の力もない、自分のことしか考えられない、自分のことで精一杯な日々。こんな言い訳ばかり。みんなどこに行ってしまったのだろうね。天国かな。少し人間くさくなりすぎて、始めにあった神秘さが消えていった。最後まで神秘さや、多少サスペンス的なホラー的な要素もあっていいのではないかと思った。

 幼稚園時代 2007.6.25
ふと思い出す。元々いた幼稚園はキリスト教の関係だった。家を建て、引っ越した先の幼稚園は何も宗教的なものはなかったと思う。転園・・・初めてだったか、病気で遅れて行ったか、はっきり覚えていないが、母親に置いていかれる寂しさで泣いた記憶がある。結局、家に連れて帰ってもらった。あの寂しさをふと思い出す。
この幼稚園の関係で思い出すことは、2本の鉄の棒でできた滑り台のようなもので、頭がはさまって大泣きしたこと。登園するとき、手をつないだ女の子の手が余りに細くて小さくてびっくりしたこと。その子は小学校にあがっても細かった。絵を描いていて、隣の子の名前が「久保」と言う子で、「ぼく」と「久保」が反対であることを発見し誇らしく思ったこと。「ぼくはくぼ」と何度も言っていた。ブランコがこわかったこと。和田先生に憧れていたこと。

 『ひびけ青空へ! 歓喜の歌』-板東ドイツ俘虜収容所物語-安宅温 
      ポプラポケット文庫 【BOOK】 2007.6.24 

あの映画は、日本にこんな事実があったのかと感動したものだ。それが児童書と本屋にならんでいたのですぐに買ってしまった。1日で読み終えた。舞台は徳島の板東俘虜収容所。松江所長が映画の主役だった。しかし、ここではドイツに侵略されたポーランドのヘルトレが準主役だ。なぜなら、彼の子孫がこの本の作者だからだ。血はつながってないようだが、ヘルトレが日本に再びやってきて、生涯を送るほど、この収容所での生活は心に残るものだったのだということがよくわかった。それに、ドイツに強制的に兵士にならされ、こんな遠くまで戦争に駆り立てられてきたという複雑な立場の人間がいたこともよくわかった。同じ収容所で、侵略した相手と一緒に生活したくない。そんな彼らの気持ちを考慮して、松江所長は別棟の施設を与えた。そんな人を大切に考えることが、これだけの感動的な大舞台を用意することができたのだと思う。小数派の弱い立場の人間のことを考えることの大切さを教えてくれる。