そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

パッチギ!

2007年06月23日 | ラブロマンス/青春

2004年 日本 119分
2006.1.28  シネマツイン1
  2007.6.16 DVD
■監督 井筒和幸
■出演 
   塩谷瞬(松山康介-府立東高2年生) 
   高岡蒼佑(リ・アンソン-朝鮮高校3年生)  
   沢尻エリカ
    (リ・キョンジャ-朝鮮高校2年生/アンソンの妹)  
   楊原京子(桃子-アンソンの彼女) 
   尾上寛之
    (チェドキ-朝鮮高校2年生/アンソンの弟分) 
   真木よう子(チョン・ガンジャ-朝鮮高校3年生) 
   小出恵介
    (吉田紀男-府立東高2年生/康介の同級生) 
   波岡一喜(モトキ・バンホー-朝鮮高校3年生/アンソンの親友) 
   オダギリジョー(坂崎-康介に「イムジン河」を教える坂崎酒店の若主人)  
   光石研(布川先生-康介と紀男の担任)

 《story》

「世界は愛で変えられる」

「パッチギ」とは頭突きのこと。
1968年京都。朝鮮高校の番長アンソンは、妹のキョンジャに言いがかりをつけ、服を汚した日本のつっぱった高校生をぼこぼこにした。そのときそばにいた松山康介は、キョンジャに一目惚れしてしまう。東高と朝鮮高校のサッカーの親善試合を申し込みに行ったとき、、「イムジン河」をフルートで演奏するキョンジャに出会う。康介は楽器店で坂崎にギターを習い、「イムジン河」を練習する。そして、公園で祝宴を開いていた、キョンジャンたち在日朝鮮人の人たちの前で、「イムジン河」を演奏し、親しくなっていく。
かっての日本へ強制的に連れてこられた歴史、それを知らない若い日本人の康介。その溝はあまりに悲しかった。二人の行く末は・・。

けんかは迫力満点。現実だったら死んでるな。けんかは好きではないので、ほどほどに。「パッチギ!」が題だけど、「頭突き」とはどんな意味が込められているのだろうか。精一杯つっぱること。つっぱらなければ生きられないこと。そうさせてしまった歴史の悲しさがそこにあるのかもしれない。そして、何もしらない日本の高校生。だからこそ、純粋に愛せるのかも。隔たりの河は、それを見ているだけで悲しみがこみあげてくる。しかし、越えられる。戦うためでなく、愛するために越えられる。けんかと愛。けんかは憎しみしか生まないけれど、愛は新しい命をつくりだす。理屈ぬきで、河を越えていきたいものだ。

 公式サイト「パッチギ!」

   2007.6.16 DVD

 純粋に愛する心
韓国だろうが日本だろうが、純粋に愛する心はステキだ。「ロミオとジュリエット」のように、敵だ味方だと言っていても、何もなかったかのように愛し合える。実際に何もないのだ。それを子どもはよく知っている。だから、子どもどうしだとすぐに仲良くなれる。大人は理屈をつけて素直になれない。今、世界中の子どもがここに集まったら、イスラムだろうが、キリストだろうが、北朝鮮だろうが、ロシアだろうが、黒人だろうが、白人だろうが、だれであろうがきっと仲良くなって遊ぶことができる。純粋に愛する心を持ち続けたい。でも・・・それは理想だと言ってしまう自分が悲しい。
いい映画だと思うけど、どうも喧嘩のシーンは好きになれない。あそこまでする必要はないと思う。「パッチギ」という題にした意味があるのだと思うけど、暴力はいやだ。

 『イノセント・ボイス-12歳の戦場-』 オスカー・トレス 訳/曽根原美保
竹書房文庫 【BOOK】 2007.6.22


「世界には誕生日を喜べない子どもたちがいます」
1980年エルサルバドル。中南米の小さな国。ここで内戦が勃発。政府軍と農民の土地をめぐっての争いがきっかけだった。農民はゲリラ組織を作り対抗した。政府軍は学校に乗り込み、12歳になった子どもを連れて兵士にしたてた。たとえゲリラに味方しても兵士にされてしまう。逃げるしかない子どもたち。チャバの家は政府軍とゲリラ基地の間にあり、毎晩のように銃撃戦の場となった。その度に、姉と弟とベッドの下に潜り込んで震えていた。チャバは11歳。もうじき12歳になり、政府軍に連れていかれる。逃れるために、屋根の上で息を潜めて隠れたこともあった。しかし、そのことがばれてゲリラの基地に逃げ込んだ。が、そこにも政府軍はやってきて、チャバは捕まってしまう。銃を突きつけられ、川に連れていかれ銃殺されようとしていた。そんな恐怖を、今の日本の12歳の子どもは、果たして共感できるだろうか。家の中に弾が飛び込んでくる恐怖。5時までに家に帰らないと殺されてしまうかもしれないという恐怖。想像もできない状況の中で生活しているのだ。そんな現実を知らなければならない。そして、どんな戦争も争いも、どんな理由をつけても、子どもを巻き込んでしまうことに変わらないということを知るべきなのだ。
 
 映画「イノセント・ボイス 12歳の戦場」 


日本の青空

2007年06月23日 | 人間/社会派ドラマ


2007年 日本 123分
2007.6.16 安芸区文化センター
■監督 大澤豊
■出演
   高橋和也(鈴木安蔵)
   藤谷美紀(鈴木俊子)
   田丸麻紀(中山沙也可)
   水野久美(河田曄子)
   左時枝(斉藤潤子)
   岩本多代(中山選子)
   加藤剛(高野岩三郎)
   山下洵一郎(岩淵辰雄)
   真実一路(室伏高信)
   鹿島信哉(森戸辰男)
   若尾哲平(大内兵衛)  坂部文昭(杉森孝次郎)
   中林正智(青山虎之助)  児玉謙治(松本烝治)
   宍戸開(白州次郎)  伊藤博幸(佐藤達夫)  谷部央年(今村修介)

 《story》

「日本国憲法誕生の真相。60年を経て、今明らかに!」

沙也可は、月刊「アトラス」の編集の仕事をしていた。といっても派遣社員のため、大きな仕事はさせてもれなかった。ある日、日本国憲法の特集を組む計画があり、憲法誕生のときのスクープを求めていた。編集長は、だれでもいいから特ダネを見つけてほしいと、派遣社員の沙也可にも取材をさせた。沙也可は認めてもらえるチャンスだと思って、取材にあたる。偶然、母に憲法の話をしたとき、憲法学者の鈴木安蔵のことを聞く。戦前から研究を進めていて、日本国憲法を草案するとき、土台になった憲法原稿を作った人物だという。そこで、沙也可は鈴木家を探し、安蔵の娘から、安蔵が戦前からどのように憲法に携わってきたのか、日本国憲法の土台になった憲法作りにどのように関わってきたのかを知るのだった。

 たくさんの人が日本の憲法作りに携わっていた
だれが作ろうがあまり問題はないと思う。Aさんが作ったらダメで、Bさんが作ったらOKだというのは差別の原理だと思う。内容がどうなのかを考えるべきだ。そうなると、絶対に変えてほしくないのは、「前文」「9条」・・・世界に対して誇れる憲法だと思うけど。「平和憲法」と言われる根幹は、もっと深めていきたいし、世界に広げていくくらいの気持ちでいたいものだ。今の世の中は、ここに書かれている平和とはほど遠い。でも、憲法を現実に会わせるのではなく、理想を現実に近づける努力が大切だ。今、話題になっている「憲法改正」は、子どもたちの未来を左右する。
この映画を見て、憲法作りに多くの人が関わっていたことがわかった。未来の日本を左右する内容がぎりぎりまで論議されていたこともわかった。打算的でなく、本当に心から理想を求めたこともわかった。「天皇」については、何が真実でどうあるべきだったのかわからない。明治維新で、徳川家が埋没したように、天皇もこれを機会にそうなりたかったのかもしれない。
今の日本の国民はあきらめている。私もあきらめている。そのあきらめに乗じて、さまざまないじめが起こっている。あの戦争当時あきらめずに理想を追い求めた人がいた。きっと、今の日本にもそんな理想を求めている人がいる。そんな人たちとともに、きっと理想は見えてくる。

公式サイト「日本の青空」

 本を読む楽しさ 2007.6.23
学校に図書室があるのことを知ったのは小学3年生のとき。あの頃は図書の時間なんてなかったと思う。たまたま何かの活動をいっしょにした女の子に、「本を返すけついてきて」と言われて行ったところが図書室だった。びっくりした。木造の校舎の2階、少し薄くらい感じがした。カーテンがしまっていたのだろうか。彼女が本を返している間に、本棚の間を歩いて見てまわった。彼女は、私が本を借りたことがないのを知ると、カード作りの世話をしれた。その日初めて本を借りた。「よくばりの話」だった。内容は、例のごとく覚えていないけど、昔話の中のよくばりを取り上げた物だったと思う。けっこうおもしろかった。その後、ときどき本を借りた。小学5年生のときに、借りた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に衝撃を受けた。あこがれの夢の世界に入り込んだ気がした。それから、夏目漱石の「坊ちゃん」などけっこうたくsなn読んだ。映画と同じで、就職してあまり読まなくなった。たまたま本屋で「四日間の奇蹟」を見つけ、吸い込まれるよに本を読んだ。そしてすぐに映画を見た。映画と読書の復活は同時だった。今は毎週映画館で1本、本は毎日少しずつ、だいたい1週間に1冊は読むことを続けている。自分が小さくなって、つぶれてしまいそうな中で、かろうじて生きる力になっているのが映画と本だ。