そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

隣人13号

2006年04月29日 | サスペンス/ミステリー

2005年 日本 116分
■2006.4.29 wowow
■監督 井上靖雄
■出演 中村獅童(13号) 小栗旬(村崎十三) 新井浩文(赤井トール) 吉村由美(赤井のぞみ) 石井智也(関肇) 松本実(死神) 劇団ひとり 三池崇史(金田)

《story》
小学生のときにひどいいじめを受けた十三。10年ぶりにその町に帰ってきた。いじめを受けた赤井に復讐するためだった。自分と全くちがった人格、凶暴な13号を作り出して、赤井の会社にも入り込むことができた。しかし、次第に自分自身もうひとつの人格13号をコントロールできなくなっていく。

◎なかなかおもしろいアイデアだった。コミックで人気が出たということだが、人間の中にあるもうひとつの人格に惹かれるのだと思う。その人格は自由に何でもできるところが、今の人間の欲望をそのまま表しているからだろう。今の世の中、腹が立つことが多い。そして、すぐに腹がたってしまう。しかし、それが自由に表に出せない苛立たしさがある。出したら異常だ。我々人間は理性で社会を作っているのだから。けれでも、そんなことおかまいなしにわがままにやりたい放題する人間は存在する。正直で謙虚に生きる人間が犠牲になる。だからこそ、復讐は共感をよぶ。自分ができなかったことを画面でやってくれる。ラストは強い願望が現れている。こうしてくれたらいいんだよ、って。何もかもすっきりできる。何もかもなかったかのように。

公式サイト「隣人13号」

ターミナル

2006年04月29日 | 人間/社会派ドラマ


2004年 アメリカ 129分
■原題「The Terminal」
■2006.4.29 wowow
■監督 スティーヴン・スピルバーグ
■出演 トム・ハンクス(ビクター・ナボルスキー) キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(アメリア) スタンリー・トゥッチ(ディクソン) チー・マクブライド(ジョー) ディエゴ・ルナ(エンリケ)

《story》

「彼はそこで待ち続けた。
 約束を果たすために。」

ニューヨークの空港に降り立った。入国の許可を得るためにパスポートを見せた。しかし、許可のスタンプを押してもらえず、奥の部屋に通された。彼の名はナボルスキー。英語は勉強中でまだわからない。「あなたの国は、たったいまクーデターが起きてなくなった。だから入国の許可は出せない。ターミナルで待ってください。」それが始まりだった。改装中の店舗に住み着き、不思議な生活が始まる。正直で純粋で、しかも彼には大きな夢があったからだ。食べていくために、カートを集めて戻し金を集めたり、左官の手伝いをしたり、はじめ敬遠されていた彼も、次第にターミナルの住人(働いている人)と親しくなっていく。さあ、彼はニューヨークの町に足を入れることができるのだろうか。

◎とってもおもしろく見ることができた。実在の人物がいるとか。たぶん映画はかなり脚色されているだろうが、おもしろいのは、彼が次第にターミナルの人気者になっていくところだと思う。彼の純粋さ真面目さ、それと対照的に空港警備局主任の冷たい行動。最後はたくさんの人の和のあたたかさに触れることができる。
成功する映画を見るとき、そこに偶然の出会いや、その人が持っている才能などがうまくかみあっていることを思う。だから、反対にもし左官の才能がなかったら、彼がいやしい行動をとっていたら、多少気の荒い人だったら。そうだったら、物語にならないし、映画にはならない。
世の中きまりにしばられているけど、人のあたたかさの方がそれより大事なんだということ。私たち民衆はいつも手を取り合って、支配者にきちんと立ち向かっていかなければいけないこと。たとえきまりをやぶっても守らなければいけない人の和があること。そんなことも感じる映画でした。

公式サイト「ターミナル」