どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『ユウレイグモ』

2022-11-07 00:02:39 | 短編小説
 雅恵は台所の壁に何か黒っぽいものが張り付いているのに気がついた。 (こんなところに、紅葉の葉っぱ?・・・・) チリチリに乾いた公園の落葉が、風に飛ばされて舞い込んできたのだろうと顔を近づけた。 とたんに紅葉の葉がツツーと上部に動いた。 見る角度が変わって、白壁にしがみつく何本もの足が見えた。「ヒエーっ」 仰け反って、かろうじて椅子の背に手を突いた。 乾ききって縮れた紅葉の葉ではなく、足の長い蜘蛛 . . . 本文を読む
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