どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『水狂い』(Ⅳ)

2022-11-01 15:10:10 | 短編小説
 私を誹謗する一通の手紙が届けられたのは、庭の連翹がひときわ輝いた春の一日でした。 女子事務員が渡してくれた依頼の原稿や寄贈雑誌などの郵便物の中に、その稚拙な上書きの封書が混じっておりました。 どうせ名もない結社の案内だろうと無造作に封を切ってみますと、市販の便箋の第一行に「木戸野風の子供より」と題して、奇想天外なことが書いてありました。 細かな字で六枚にもわたりびっしりと書き連ねた内容は、要約す . . . 本文を読む
コメント