goo blog サービス終了のお知らせ 

どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『恋焦がれ』

2022-10-24 00:01:13 | 短編小説
 父が亡くなったとき、葬式が始まる一時間ほど前に、一匹の揚羽蝶が迷い込んできた。 少し汗ばむ季節で、喪服を着た葬儀社の男も、親類の参列者も、庭からひらひらと入ってきた大型の蝶に気を呑まれていた。(仏さんになる前に、あいさつに来たのかな・・・・) 少しでも父のことを知る者は、蝶の飛来の仕方に曰く言いがたい暗示を感じ取っていた。 川を挟んで山が向き合う形の町だった。 父は東側の小学校の校長をしていた。 . . . 本文を読む
コメント