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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)98 『白郎左衛門殿』

2014-01-11 01:22:54 | 短編小説
   長崎県の大村湾に面した大村神社の境内には大きな楠木が茂っているが、あるとき危うく伐り倒されそうになったことがある。  この楠木を囲むように十本ほどの弟分の楠の木も生えていたのだが、明治三十七年ごろ樟脳を取ろうという話が持ち上がって、つぎつぎと伐られてしまったのだ。  いよいよ明日には一本だけ残った大楠木を伐るという前の晩、大村神社の神主の夢枕に一匹の老白狐が現れ「あの楠木を伐 . . . 本文を読む
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