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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム(289) 『かるいざわの離山』

2021-02-18 00:06:26 | ポエム
かるいざわの離山にはむかし話がいくつも残っている離山は一種のテーブルマウンテンで頂上は台地のようになっている下から見るとなだらかな山だが山頂に近い南斜面には深い洞窟がありその昔 大金を蓄えた義賊が隠れ住んでいた彼は土地の貧しい人々を助けていたらしい浅間山麓一帯は七つの谷に囲まれ谷筋にはポツポツと人家があった広く散在していたので「遠近の里」と呼ばれこの地を通った在原業平の歌も残されている「信濃なる浅 . . . 本文を読む
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ポエム(285) 『思い出の木の実鉄砲』

2021-02-04 02:11:56 | ポエム
庭の青木の実が 色づき始めました父がよく話題にしていた赤い実です私は 子供のころ病気がちだったので父が休みの日には おんぶされて過ごしました冬は私の好きな小さなお花が少なくて画用紙にチューリップの花を描いて遊びました父は 着せ替え人形を買って来てくれたりしましたが本当は女の子の遊びに飽きていたようですおまえが男の子だったらよかったのに・・・・口には出しませんが そう思っていたような気がしますある日 . . . 本文を読む
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ポエム(275) 『見られている』

2020-12-16 00:05:05 | ポエム
中学生のころ赤面症に悩まされていた好きな女の子を思い浮かべるとそこにいないのに顔が火照ってくる何かを見て何かを思うなんでもないことなのに自分が怖いきっと赤くなると思うと本当に顔が熱くなるのだ授業を受けていてもすべては上の空このままでは道も歩けないクスっと笑われそうで心が滅入るどこかの窓から自分が見られている向こうから来る人とすれ違うのも不安意識過剰なのはわかっていても心臓がドキドキするのを止められ . . . 本文を読む
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ポエム(272) 『知ってるかい』

2020-12-10 00:00:20 | ポエム
中野六丁目の猫は魚屋のおやじが店先に現れアラを入れた笊をガードするのを見てふん とあざ笑って通り過ぎたという噂を知ってるかい中野五丁目の猫は区役所の自転車置き場にうずくまって切られ与三郎のような目でお富か? と呼びかけたというんだが その顛末を知ってるかい中野四丁目の猫は深夜 四季の森公園に集合してギャーギャーと喚き合った末に口の臭さで番長を決めたらしいがそのことを知ってるかい中野三丁目の猫は街路 . . . 本文を読む
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ポエム(270) 『猫との会話』

2020-12-06 00:15:00 | ポエム
ミーコ ばぁばより 長生きしてねみゃーほら 肉球 撫ぜてやろうかニャー くすぐったいばぁば ミーコに先立たれたら・・・・またかよひとりぼっちになってニャオ ニャオ買い物に行ったりミャー ごはん作ったりにゃお したくなくなるに決まってるミャーミャーだから 置いていかないでよぐう ぐう~目エ瞑って 寝たふりかいスー スーかわいいなぁ~ ミーコは天使だべたべたすると ひっかくぞ . . . 本文を読む
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