ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第一部ブロック・バスター 055原爆開発 ![]() 船に帰ってきた子どもたちは、テレビを見ていた。 それは、原爆開発という番組であった。 エノラ・ゲイ爆撃機の前に立つレポーターがいる。 「まず、われわれが、原爆というものを考えるとき、 二人の偉大なる科学者の理論を知ることが必要です。 それは、まずアインシュタインであり、次はボーアという理論物理学者です。 物理学はアインシュタインにより新しい時代を迎えました。 アインシュタインの相対性理論によって、エネルギーというものの把握ができたのです。 そして、ボーアは物理学の初歩の教科書には必ず出てくる。 そうこの周期表を作った人です。 これによって、物質の性質がわかったのです。 この二人の偉大な科学者の理論がなければ、原爆は生まれなかったでしょう。 しかし、彼らが原爆をつくったわけでもないし、研究したわけでもありません。 二人はルーズベルト大統領に親書を送りました。 ボーアはドイツが原爆をつくっていると……。 また、アインシュタインはアメリカに原爆をつくるべきだと……。 ボーアはこの世が終わってしまうような原爆をつくれ!と、研究員たちに話しました」 「この世が終わる……」 と再度話したので、テレビを見ていた子どもたちは驚く。 「そうです。この世が終わるという力があれば、 誰も戦争はしないだろうと、ボーアは考えたわけです。 この狂った戦争を止めるのには、 それほど巨大な力が必要であると思ったのです。 戦争が始まれば、すなわち人類は破滅する……。 それをのがれたいために、戦争をしないだろうと考えたのです。 それは一見、理にかなったように思えますが、間違っていることです。 さらに、シェルターなどを人類は考案しています。 核戦争になれば、シェルターは役立たないと言われていますが、未来にはわかりません……」 画面が変わる。ナチスの旗の前でヒトラーが叫んでいる。 「この二人の偉大なる科学者には共通点がありました」 「ユダヤ人!」 と博士。 「ユダヤ人なのです。 同胞であるユダヤ人が何百万も殺されているということを、 この二人もニュースによって知っていたのです。 ヒトラーがもし、この巨大な兵器を手にしたら、この世の中はどうなるのか? 二人は恐怖したのです。 しかし、それは杞憂だという人物もいます」
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