磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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055原爆開発

2006年05月12日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

三、灯籠流し

055原爆開発



船に帰ってきた子どもたちは、テレビを見ていた。
それは、原爆開発という番組であった。
エノラ・ゲイ爆撃機の前に立つレポーターがいる。

「まず、われわれが、原爆というものを考えるとき、
二人の偉大なる科学者の理論を知ることが必要です。
それは、まずアインシュタインであり、次はボーアという理論物理学者です。
物理学はアインシュタインにより新しい時代を迎えました。
アインシュタインの相対性理論によって、エネルギーというものの把握ができたのです。
そして、ボーアは物理学の初歩の教科書には必ず出てくる。
そうこの周期表を作った人です。
これによって、物質の性質がわかったのです。
この二人の偉大な科学者の理論がなければ、原爆は生まれなかったでしょう。
しかし、彼らが原爆をつくったわけでもないし、研究したわけでもありません。
二人はルーズベルト大統領に親書を送りました。
ボーアはドイツが原爆をつくっていると……。
また、アインシュタインはアメリカに原爆をつくるべきだと……。
ボーアはこの世が終わってしまうような原爆をつくれ!と、研究員たちに話しました」

「この世が終わる……」
と再度話したので、テレビを見ていた子どもたちは驚く。

「そうです。この世が終わるという力があれば、
誰も戦争はしないだろうと、ボーアは考えたわけです。
この狂った戦争を止めるのには、
それほど巨大な力が必要であると思ったのです。
戦争が始まれば、すなわち人類は破滅する……。
それをのがれたいために、戦争をしないだろうと考えたのです。
それは一見、理にかなったように思えますが、間違っていることです。
さらに、シェルターなどを人類は考案しています。
核戦争になれば、シェルターは役立たないと言われていますが、未来にはわかりません……」

画面が変わる。ナチスの旗の前でヒトラーが叫んでいる。

「この二人の偉大なる科学者には共通点がありました」
「ユダヤ人!」
と博士。

「ユダヤ人なのです。
同胞であるユダヤ人が何百万も殺されているということを、
この二人もニュースによって知っていたのです。
ヒトラーがもし、この巨大な兵器を手にしたら、この世の中はどうなるのか?
二人は恐怖したのです。
しかし、それは杞憂だという人物もいます」








閑話休題

原爆開発をしたことは、
間違いだったといえる人は、
幸福かもしれません。

科学は人を幸福にするためと、
理想や希望をもって、
生きているからです。

原爆は悪夢であり、
大きな失望であり、
人間不信でもあると思います。






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