磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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どうわの もりへ むらさき色のピカ

2006年08月01日 | 読書日記など
『どうわの もりへ むらさき色のピカ』
     馬場淑子・作/中沢啓治・絵/太平出版社1981年

表紙の紫色のクレヨンが爆弾のようですね。
心に傷をもった人たちはこの世界には多いものですね。



絵は「はだしのゲン」の中沢啓治さんです。

心の傷をもった方が担任の先生だったとしたら、
どんな気持ちなるのでしょうか?
そんな質問をされても困るでしょうね。

ケースバイケースのことは、
なかなか意見をいえるものではありませんね。

この先生はとてもやさしい方だと評判ですが、
紫色のクレヨンを使うことを病的に嫌悪されています。

紫色について教師は告白します。下「」引用。

「ピカッと、ひかったあの色……人によっていろんな色にみえたというけれど、わたしのみた色はむらさき--。むらさきって、くらいおそろしい色よ。いまのきみたちに、こんなとをいったって、わかりはしないでしょう。だけど、わたしのうけもった子供たちにだけは、あの色をつかってほしくないの。」

この教師の評価の仕方も何か個人的な嗜好の問題という感じで、
困ったものだなあーと思いました。

ぼくは京都市内の小学校にいたころ、
作文とか詩をかくと、学校の玄関とか、
展覧会みたいなのに出してもらいました。
それだから、国語の点がよいかといえば、
勉強していないので、3でした。(-_-;)
先生は、学校の成績より大切なものがあると
教えてくれてましたけど……。
文部省がいわれたとおり、成績をつけておられました。
ぼくは先生と争う必要はありませんでした。

少年と教師は対立します。少年はむらさき色にも、
スミレの花の色などはきれいだと意見します。
しかし、この教師はむらさき色は使うなと、
逃避したままで終ります。

そして教師は白血病でなくなりました。
紫色を使う時に、いつも先生のことを思い出すそうです。

弱い人間ですから、こんなこともあるのでしょうか?
弱い人間が、弱い人間を苦しめているとは思えなかった
のでしょうか?

きちんと物事を分けて考えることができる
大人になりたいものですね。

理想論としてはそうですが、それほどの
トラウマがあっても仕方がないのが、
被爆ともいえるのかもと思いました、……。





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