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CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ネットからのニュース、時代は変わる

2021年07月01日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

2年ほど前にオーディオ・メーカー、オンキョーの身売りについてこのブログでも取り上げたが、つい先日ネットに上がった記事によると、ついに8月1日に上場廃止との事らしい。

パイオニア・ブランドを含むAV部門はシャープとアメリカのオーディオ・メーカーに譲渡される模様で、譲渡を引き受けるメーカーがオンキョー及びパイオニア・ブランドを残すかどうかは現時点では未定らしい。

さらに記事によると、平成12年国内オーディオ・マーケットの出荷額が3786億円あったのに対して、令和2年ではその4分の1以下の802億円まで落ち込んだとの事、そうなると業界が負のスパイラルから抜け出すことは容易ではなく、厳しい状態が続くみたい。

今時の若い人たちの音楽を楽しむスタイルは、スマホにダウン・ロードされた音源或いはストリーミングで流れて来る音源をワイヤレスのイヤホンでいつでもどこでも手軽に聴くのが主流。

置き場所に困る重厚長大なる据え置き型のプレーヤーとアンプに接続された大口径のスピーカの前に鎮座し大音量でミュージックを楽しむオジン時代のオーディオも終焉を迎えるって感じですかね。

時代と共に技術は進化、嬉しいような悲しいような

And The First One Now Will Later Be Last

今一番の物ってしばらくすれば一番後ろに

For The Times,They Are A-changin’

時間って移り変わるもの

今時の若い人たちが初度興味を示さないアコギ一本で淡々と歌われるビート感の乏しいオールドファッションなフォーク・ソングの運命やいかに...


今年最後の日のこの一枚、その2

2020年12月31日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

今年最後の日、何を聴こうかと再び考えた。

やっぱり大晦日に聴くロックならコレ!って言う人もいるかも?

てな事で取り出しましたるはThe Bandのライブアルバム、Rock Of Ages。

1971年の12月にAcademy Of Musicで28日から31日までの4日連続の公演をLP2枚に編集し収録したもので、最終日にはサプライズ・ゲストとして公演の終盤にボブ・ディランが登場し日を跨いだ翌日の1月1日の朝早くまで4曲をThe Bandと共に演奏を続けたと言うからすごい!

ディラン登場のパートは、当時のLPには契約の関係で収録されず2002年の再発リマスターのCDに収録されている。

Rock Of Agesとはいくつもの時代を経た岩(Rock)、つまり永遠なる岩でコレに音楽のRockを掛け合わせて永遠なるロックと言う意味。

ロック・バンザイ〜!てな事で、コレだけでおかず無しにご飯2杯いける。

アメリカ盤を購入。レコード1にはサイド1とその裏にはサイド4が収録され、当時オートでLP2枚連続演奏できるレコード・プレーヤー用のものである。

因みに実際の大晦日の公演ではUp On Cripple Creekからスタートしたらしいが、このアルバムに馴染んだ者としてはやっぱりDon't Do Itの方がしっくりくる。

それでは良いお年を。

 


サンタもビックリ!

2020年12月24日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

今日はクリスマス・イブ。

クリスマス・ソングでもと取り出したるはディランの2009年の作品、Christmas In The Heart。
 
クリスマス・ソングには思い入れがあったそうでpart of my lifeと言ったそうな。
 
これもフォークソングだからストレイトに演奏すれば良いとの事らしい。
 
しかも、収益の100パーセントを寄附。
 
さすがディラン、サンタも驚くダミ声も問題なし!
 

ディランのMTV Unplugged

2020年11月17日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

それではイントロ・クイズ第3問!

チャララン〜 ♪

ピン! “ハリケーン”です。

ブズッー 残念。正解は“見張塔からずっと”でした。

とライブ盤におけるディラン物の早押しイントロ・クイズは中々難易度の高い代物である。

名曲であっても演奏のアレンジをライブの時期によって変えちゃうし、オリジナルのメロディーも崩して歌うので歌い出しの2小節の歌詞を記憶していないと厳しい。更にアルバムに収録されていない過去のアウト・テイクなんかを演られるともうグリコ。

難解な歌詞の意味をバイリンガルの如く頭で即座に理解出来る能力もなく比較的メロディアスなサビの部分を断片的に記憶している程度の私の様なディラン初心者には彼のライブ盤をどの様に聴けば良いのか…

本日はディランのライブ・アルバム、MTV Unplugged。

90年代になってオリジナルとは一味違うアコースティック・ライブの模様をMTVでオン・エヤーするのが流行り、クラプトン、ロッド・スチュワート、ニール・ヤングその他有名どころのアーティストが続々と登場した。

本作は1994年ニューヨークのソニー・ミュージック・スタジオでのライブ録音で、翌年のリリースとなった。

(John Brownってどのアルバムに入ってたっけ? 1962年作だけどオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。それじゃDignityは? これは1989年のアルバム、Oh Mercyセッション時のアウト・テイクだって! そんなの初心者にわかる訳ないって〜の! 新曲かと思った...)

ペダル・スティールやハモンド・オルガンが登場している事からタイトルに偽りありと感じないでもないが、ただ難易度の高いギター一本での弾き語りではなくアレンジ的には私好みのフォーク・カントリー・ロック路線なので結構聴き易い。

ちなみにスタジオに招かれたお客さんもイントロからどの曲が歌われるのかよくわからない様で、歌が始まったところから拍手が...

これは1978年の日本公演を収録し、当時日本のみで発売されたライブ・アルバム、ブドーカンと同じ様な反応で、“ブズッー 残念でした”は私だけじゃないんだ〜!と妙に安心。

って事は難し考えないでただ流れに任せて何んとなく聴いてりゃいいんですね。

まあ、生きてるうちにディラン道を極めるのは不可能だとも改めて思い起こす晩秋の一夜でありました。


ジェリコって何処?

2020年07月11日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1993年のザ・バンド再結成のアルバム、Jericho。

再結成とはいえ、ロビーは不参加、さらにリチャードは1986年に物故。

仕方がないので、旧メンバー3名に新たに3名の新メンバーを加えて制作された。

昔のザ・バンドを思い起こさせるノスタルジックな雰囲気が漂っているに過ぎないなど辛口のレヴューも目立つが、もともとザ・バンド自体が古き良きルーツ・ミュージックを追い求めてきたのだから、昔の雰囲気がまたまた楽しめるアルバムと言うか、私としてはよくぞ再結成してくれた、パチパチパチパチの出来です。

(ファースト・アルバムに登場したBig Pink)

因みに、アルバム・タイトルのJerichoは旧約聖書に出てきたパレスチナの古代都市かと思いきや、このアルバムの3曲目の曲、The Cave Of Jerichoを聴いてみると、ジェリコ〜、ケンタッキ〜♪♪って歌っていますね。

フランスのパリと思いきや、近所の洋品店、パリって感じですかね?

 


まったりとカントリー・ロックでも

2020年05月09日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

本日も緊急事態宣言延長による外出自粛要請を守り家から一歩も出ず、まったりと過ごす。

さらにまったりムードを補強ってことでThe Byrdsの1968年のアルバム、Sweetheart Of The Rodeo(ロデオの恋人)でも。

前作、The Notorious Byrd Brothers製作時に、デビッド・クロスビーが脱退、そしてアルバム完成後にドラムのマイケル・クラークが脱退と、ついに残り2名のThe Byrdsとなってしまった。

(左から、新加入のドラム担当のケビン、新加入のグラム、そしてロジャーとクリス)

そこでカントリー系のミュージシャン、グラム・パーソンを加入させ、そして彼の意向を大幅に取り入れ次作のアルバムの制作ベクトルはカントリー・ミュージックへと 。

因みに交通事故から復帰したディランは1967年にカントリー系フォーク・ロック・アルバム、John Wesley Hardingを制作。同年Buffalo Springfield も傑作アルバム、Buffalo Springfield Againを世に出し、さらにディランは更にカントリー寄りのアルバム、Nashville Skylineを1969年に出す。

これらのムーブメントが、カントリー・ロックという新しいジャンルを広め、CS&N、Neil Young、Poco、The EaglesやLoggins & Messinaなどが続くこととなる。

この新生Byrdsのアルバム、Sweetheart Of The Rodeo は大ヒットというわけには行かなかったものの、後のフォロワーに大きな影響を与えたアルバムの一つといえる。

収録されているYou Ain't Going Nowhereって歌のタイトルじゃないけれど、どこも行く宛が無い今日この頃!

(一曲目にシングル・カットされたディラン作のカントリー・ナンバー、You Ain't Going Nowhereが収録されている)


素朴な一枚、おまけ

2020年02月16日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1967年のゴードン・ライトフットのデビュー・アルバム、Lightfoot!に収録されたEarly Morning Rain。

そう言えば、この曲ボブ・ディランが1970年のアルバム、Selfportraitでカバーしていますな。

ディランのカバーはメキシカン・タッチのアレンジメントで曲の印象が結構変わっていたので今迄気がつかなかった。

 


The BandのIslandって実は凄いのかも!

2019年09月02日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1974年のディランとのライブ・ツアーから翌年のスタジオ・アルバム、Northern Lights-Southern Cross辺りが、The Bandとして最後の輝きを放った時期だと言われている。 

ライブ・ツアーに疲れたロビー・ロバートソンが他のメンバーにスタジオ録音に限定したバンド活動を継続したいと申し出たところから、それに反する他のメンバーとの確執が更に表面化しバンド活動がグタグタとなった。 

区切りをつける意味でロビーがExtravaganza的なコンサートを提案し、それが1976年11月の感謝祭の日にサンフラシスコのウィンターランド行われたのが、The Last Waltzのコンサートである。この催しは映画化されワーナー・ブラザーズからサントラが出ることになった。 

しかしながら、The Band自体はキャピトル・レーベルともう一枚スタジオ・アルバムの制作の契約が残っていたことから、サントラを発売する前に急遽翌年にリリースされたのが7枚目でロビー在籍最後のスタジオアルバム、Islandだった。

 

収録されたほとんどが前作のレコーディングの未発表曲を掻き集めてオーバー・ダブで肉付けした急拵えだったことから、当時の評価はThe Bandの作品としては物足りないとのことだった。 

まあ契約を消化するためのアルバムの出来は往々にしてこんなものである。 

しかし今一度聴けば今までのオリジナル・アルバムの制作のように全力を投入したものではなく、反対にその力の抜け具合がうまく作用し、シングル・ヒットを狙うようなポップ・バンドではなく枯れた味わいを売りにしている彼らゆえ、これはこれで出来の良い作品だと個人的には思う。 

特にリチャード・マニュエルの歌う郷愁を誘うGeorgia On My Mind、中々心に染み入る。当時ジミー・カーターの大統領選キャンペーンに使われたと言われている。 

そして1977年、第39代アメリカ合衆国大統領にジミー・カーターが!

それってリチャードの熱唱のおかげかも? 

かっての勇姿、リチャード、レボンそしてリックも今はいない。


ウイスキーとThe Band、ナイス・ペア

2019年02月14日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

2週間ほど前の夜、久々に友人が私の自宅の最寄の駅にやって来て、1杯いかがとお誘いがあったので、了解ということで出かけた。

長い付き合いの友人なので、当然グラス1杯で済むわけもなく"いっぱい”飲む事とと相成った。

久々にかなり飲んだみたいで、気がつくと自宅の布団の中。

一体どうやって家にたどり着いたのか今一つ記憶が定かではない。

航空機や船舶に搭載されているオート・パイロットもないのによく無事にたどり着いたものだ。

まさか昔学生時代に経済学を履修したので、あの著名なアダム・スミス先生の見えざる手に引っ張られたのではあるまい。

てなことでお酒はしばしの間控えていたのだが、昨日夜遅く近所のスーパーに出かけると、サントリーの角瓶が税抜き価格で1400円と結構安く販売されていたので、つい買ってしまった。

今宵は角瓶で音楽を聴きながら1杯。

今宵のウイスキーのお供は、The BandのAcademy Of Music、彼らの二枚組ライブ・アルバム、The Rock Of The Agesの完全版と言うか増補改訂版である。



CD Disc1/2 は、ロビー・ロバートソンが選んだ4日間のコンサートのベスト・テイクを並べ替えたもので、CD Disc3/4は大晦日の公演をそのまま収録したもの、そしてDVDにはDisc1/2の音源の5.1のサラウンド・サウンドが収録されている豪華版。



ただ不満があるのは、The Rock Of The Agesを聴いて来た者にとっては、オープニングはリック・ダンコの ベース・ソロから始まるDon’t Do Itじゃないと違和感が….

とは言え、お酒が胃の中に流し込まれるともうどうでもよくなってくる。

ビンテージ・ワインの如く、聞き手が歳を重ねることによってさらにThe Bandの演奏に渋さが増すって感じでああ〜いい気分!

12年物でもあればさらに心地いいんだけど….


来年もよろしく。

2018年12月31日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

あっという間に大晦日。

歳を取ると一年がすごく早く感じる。

このブログもあと一月余りで4周年となる。

初めは、子供の頃から買い集めてきたレコードやCDをもう一度聴きなおしてみようと思い立ちこのブログをスタート。

もともと文才が無く駄文しか書けない身の上故に、当初はこのブログをわざわざ覗いていてもらえるとはそれほど期待はしていなかった。

有り難いことに幾ばくかの方々に読んで貰っているみたいで感謝感激。

来年もよろしくお願いします。

てな事で、今回は元バーズのRoger McGuinn、1973年のデビュー・ソロ。



バーズ解散の同年、セルフ・タイトルのアルバムが出た。

そこはかとなく感じるバーズの残り香。

それもそのはず、収録された11曲の幾らかはバーズ時代に録音されていたりライブで演奏された曲だった事。さらに、収録されたオリジナル作品の中5曲がロジャーの盟友、Jack Levyとの共作で後期バーズ存続時代に作られそうな。

後期バーズの時代は、大ヒット曲もなく結構地味であったが、メンバー各人が各々のバンドにおける役割を認識し活動していたので、バンドのまとまりはよかったのではないかと思う。

バンドの解散で固定メンバーもいなくなり、レコードのプロデュースを自身で行うとなると、自身の身体ひとつでは中々厳しいものがある。

てな事で、おなじみのある技が使われたのではないだろうかと推測する。

ご存知、Naruto、いや違ったロジャーの影分身の術!



そんなわけないか。

オォ〜、もうひと方影分身の術の使い手が!



このお方なら、雰囲気的になんとなく使ってそうな。



ディランを聴く、その8 箱物に挑戦 ! バイオかブート?

2018年06月21日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

モノ・ボックスとかコンプリート・ボックス、更にはブートレッグ・シリーズなどと謳う箱物がバンバン登場して、今ではディランの豪華セット限定盤はさほど珍しくは無くなってしまった。

ディランというより、もうイランという感じで財布の紐を引き締めねばならない今日この頃である。

ディランのオフィシャルの箱物は、1985年に登場したBiographが最初だったのではなかろうか。

(ボックスを保護するシュリンクが破れない様に、シュリンクの上からテープで補強。)

1962年から1981年にレコーディングされた音源で、21曲のレア音源 を含む計53曲がその制作の時系列を無視してランダムに散りばめられたLP5枚組のボックス・セットが出て大ヒットした。

オン・タイムでは買っておらず、90年代のCD3枚組で再発された物をようやく手にした。

ギター一本での弾き語り古いフォーク・ソングがキタ〜と思えば、次にバンド・アンサンブルによる後年の楽曲が来たりと、単なるベスト物とは異なり変化に富んで個人的には楽しめた。

そして次の箱物と言えば、海賊盤駆逐作戦発動だったのか、1991年にThe Bootleg Series Vol. 1-3が急遽登場。


1961年から89年までのアウト・テイク、ライブを含む未発表曲、計58曲が時系列に従っててんこ盛りに収録された、CD3枚組のボックス・セットである。

ディランの場合、オリジナルのスタジオ録音の楽曲とライブ演奏でのアレンジが全く別物の様に異なっていたり、オリジナルよりもアウト・テイクの方が案外良さげに聴こえたりするので、ファンとしては彼のブートレッグ・シリーズは一概にオリジナルで出されたアルバムよりすべて劣っているとは言えないのが厄介なところ。

CD1には61年から63年頃までに収録された、ギター一本での弾き語り22曲のオン・パレード。

ギャ〜!

その手のアレンジが一般的だった60年代初期であれば、まあなんとか聴き通すことも出来たのであろうが、今改めて聴けばどれもがよく似た単調なアレンジの数え歌調の場合、英語の歌詞の意味を即時に理解出来ない私の様なリスナーにとっては些か退屈。

それに、収録された楽曲全てが素晴らしい出来なら話は別だが、中には個人的になんじゃこりゃ!とカスに聴こえる曲もあるしね〜

しかしCD2になるとお馴染みのメロディーが登場、ここでなんとか聴き続ける意欲を萎えさせるのを抑え、 CD3へとなだれ込む。

考えてみれば、ディランのブートレッグ・シリーズとは、数多くの未発表バージョンの中から良い出来にもかかわらず日の目を見なかった曲を探し出す作業と言うか、まあ宝探しの旅の様な物だと….

通と思しき人のCDのレヴューなんかでよくある、“よくこんな音源がオフィシャルで出てきて、感涙ものだ〜!とか生きててよかった〜!” な〜んて気持ちはあまり起らない 。

まあこの手の箱物に挑戦できる人は、基本的に自称ディラン研究家か私の様な自・他称暇人でなければならないかと….

個人的にBiographの選曲に少し不満はあるが、どちらかと聞かれればバラエティー性が感じられるバイオがブートに判定勝ちかな?


ディランを聴く、その7

2018年05月24日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ボブ・ディランとビートルズといえば、ジョージとの関係が一番有名である。

何しろ、ジョージのソロ・アルバム、All Things Must Passには ディランとの共作、I’d Have You Anytimeやディランの作品のカバー、If Not for Youが収録されているし、ジョージ主催のバングラデェシュ・コンサートに参加したりしているからである。

それ以外には、 アルバム、Helpに収録されたジョンのフォーク・ロック系の作品、You’ve Got To Hide Your Love Awayはアメリカ公演で出会ったディランの影響をもろに受けたとされている。

更に芸風がディランと一番遠いところにいると思えるポールにも、ディランとの繋がりが。

2014年に出たポールのトリビュート・アルバム、The Art Of McCartneyでアルバム、A Hard Day's Nightsに収録された彼の作品Things We Said Todayをなんとディランがカバーしている。


レコーディング・データが手元にないのでいつ録音されたのか不明であるが、年季の入った声の枯れ方からしてここ4−5年の録音ではないかと思う。

(ディランのこの曲に関するデータは、他の曲と違ってボーカルがディランと記載されているだけ)

このトリビュート・アルバムはポールの過去の作品を他の有名アーティストがカバーする企画であるが、残念なことにほとんどのカバーがポールのハウス・バンドの演奏の元で歌われてい流ようで、オリジナルとあまり変わらない切り口のアレンジとなっていること。

それぞれの曲は、ポールのヒット曲ばかりなので 心地よく最後までさらりと聴けるものの、著名なアーティストのよるカバーとしては少々物足りない。

出来れば彼らの個性を100%生かしたぶっ飛んだアレンジでカバーにして欲しかった。

ディランのカバーした曲もアレンジはさほど変わらないのではあるが、ポールのスムーズな歌唱と対極をいく彼特有の嗄れ声による歌唱で、一発でディランとわかるオリジナリティーがそこにある。

人によっては不快にも聴こえかねない 超ガラガラ声の歌唱を許されるアーティストといえば、ディランとトム・ウェイツぐらいのものだ。

名誉あるガラガラ声かな。

博士:ワシもその昔よくカラオケに行って ワイヤレス・マイクを小指だけ立てて握りしめ歌ったものじゃ。

しかし歳のせいもあって昔のようにあれこれ歌えなくなった事から、ちょっとマンネリ気味じゃ。

助手:そんな時は、ディランを見習ってガラガラ声での歌唱に芸風を変えれば、気分一新!個性出ますよ〜

博士:オォ、それじゃ! 何か練習 になる歌ないかな?

助手:ここにありますよ。

博士:カエルの歌が聴こえてくるよ。♪
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ
ゲロゲロゲロゲロ、ガッガッガ〜♪

オー・マイ・ゲロゲロ!


ディランを聴く、その6

2018年05月20日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

サム・ペキンパー監督の名前が出たので、ディランが担当した彼の1973年公開の映画のサントラ、Pat Garrett & Billy The Kidでも。


(映画のいちシーンだと思われる、ジャケ裏の写真)

この監督の芸風はと言うと、アクション・バイオレンスで血飛沫がドバッと出てくるタイプのやつである。

昔はテレビで新作映画のコマーシャルで、彼が監督したダスティン・ホフマン主演のStraw Dog(藁の犬)、マックイーン主演のJunior BonnerとかThe Getawayなんかの予告編がオン・エヤーされていたような記憶がある。

しかし、日本でも公開されたPat Garrett & Billy The Kid となるとあまり記憶にない。

多分、当時は部活で忙しく音楽鑑賞には何とか時間が作れたものの映画鑑賞までに割く時間がなかったのだと思う。だから後にディランが担当したサントラ盤から、Knockin’ On The Heaven’s Doorがヒットした事から、映画もそう言えばあったっけ!だった。

このサントラ盤には10曲収録されていて、ディランがボーカルを務める歌物はBilly 1、Billy 4、Billy 7とシングル・カットされたKnockin’ On The Heaven’s Doorの4曲で、残りはカントリー調のインスト・ナンバーだ。

映画の場面の少し物悲しい雰囲気を醸し出す楽曲からアルバム全体が構成されているので、アルバムだけを通して聴けば少し単調に感じ退屈してしまうかもしれない。

ただ、音量を絞ってバック・グラウンドで流せば、これはこれで癒しの音楽として重宝する。

ところで、Knockin’ On The Heaven’s Doorを聴くたび、いつも思い出すのが、1970年のCSN&Yの2枚目のアルバム、Déjà vuに収録されたニールヤング作のHelplessだ。

本当に、瓜二つに聴こえる。

ニールの曲のコード進行はDAGG、DAGGの繰り返し。一方ディランの曲は GDAm7Am7、GDCCの繰り返し。

ギターで弾いてみると、キーは違うがほんと同じメロディーが思い浮かぶ。

まあどちらの曲も、シンプルなコードの繰り返しで成り立っているので、似てしまうのは仕方がないといえばその通りなのだろう。

片方が無名のアーティストとなると、盗作騒ぎに発展することが往往にしてあるのだが、ディランもニールそれなりの地位をすでに築いていて、お互いがリスペクトし合っていたので問題なしとなったのだろう。

一方私のアイドル、ジョージは貧乏くじを引くことに。

彼のMy Sweet Lordは60年代の黒人女性コーラス・グループ、シフォンズの歌うHe’s So Fineに酷似している事から、楽曲管理者から盗作だと訴えられ、長〜い裁判の末、判決は“潜在意識の中の盗用”とされジョージが多額の賠償金を支払うことになった。

しかし、シフォンズの元歌は 確かに似通った箇所はあるが、全体を通して改めて聴くと双方の曲のアレンジも含めて盗作だとは言い難いと個人的に思うのだが….

なぜこうなったかと言うと、WIKIの情報によれば、あるカントリーの女性歌手がジョージのMy Sweet Lordと同じようなアレンジでHe’s So Fineをカバーした事によって、盗作疑惑を印象付けることになったのだとか。作為あるカバーと感じるのだが...

しかし一般的にブルースにしろ演歌にしろ、コード進行はだいたい同じなので、もしアレンジを同じにすればどれもこれも同じように聴こえるのは間違いない。

まあ、楽曲管理者とHe’s So Fineの作者の遺族がちょっと儲けてやろうかなんて思ったのかね.?

ジョージの場合も相手がディランかニールであれば、盗作疑惑の騒ぎなんて到底起こらなかったのではないかと、Pat Garrett & Billy The Kidを聴いて今更ながらに思った。


ディランを聴く、その5 おまけ

2018年05月20日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

Self Portrait Side-4の1曲目、B. Bryant作のTake a message to Mary の一節。

少し物悲しいメロディーに平易な英語。ふと聞き耳をたてる。

Take a message to Mary

(These are the words of a frontier lad
Who lost his love when he turned bad)
女性コーラス:
(これは開拓時代のとある若者の話である。
悪に染まった時、男は愛を失う〜♪)

Take a message to Mary
メリーに伝えてくれ
But don't tell her where I am
だけど俺がどこにいるか言っちゃダメだぜ
Take a message to Mary
メリーに伝えてくれ
But don't say I'm in a jam
俺に行き場のないことを言っちゃダメだぜ
You can tell her that I had to see the world
俺が世の中をちょっと眺めなきゃ ならないって言ってくれ
Tell her that my ship set sail
船出の時だと言ってくれ
You can say she'd better not wait for me
俺をもう待たないほうがいいって言ってくれ
But don't tell her I'm in jail
だけど牢屋にいるなん言っちゃダメだぜ
Oh don't tell her I'm in jail
くれぐれもな

もう会う事はねえ、おいらの事は忘れてくれ〜って言付けを頼むってちょっと未練がましい気もするけどね。

まあ、これをSelf Portraitで歌うって、ディランも荒野を股にかけるアウトローのロンサム(孤独の)・カーボーイに憧れてたのかな。

数年後、サム・ペキンパー監督のビリー・ザ・キッドのサントラを担当し、その映画にも出演したのも新ためて合点がいった。


ディランを聴く、その5

2018年05月19日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1970年に発売された謎の2枚組アルバム、Self Portrait。

(表ジャケ、さすが大物!レコード会社にこのポートレートをジャケ表に使う事を了承させたとは!)

(ジャケ裏)

(ダブル・アルバムなのでジャケはゲート・ホールド仕様)

作風は1969年のアルバム、Nashville Skylineの続編とも言えるのだが、あまりに自由すぎてそれより更に緩いのではないかとガチガチのディラン・ファンに思わせたのではないだろうか。

何しろ、Side-1の1曲目のAll The Tired Horsesにディランの歌唱はなく女性コーラースが歌うのみ、そしてSide-4の5曲目Wigwamは最初から最後までちょっとヤケクソ気味のディランの、ラララララリ〜♪だけの歌唱。

更に収録された全24曲の半分以上は、トラッドか他のアーティストの作品のカバー。

8曲のディラン作の曲に至っては、新曲は4曲で残り半分は前年のワイト島でのライブ録音が収録されている。

何となくやっつけ仕事のような気もするが、本人一体どんな心境でこのアルバムを制作したのかな?

前作Nashville Skylineがあまりに気持ちよく制作できたので、 お気に入りの曲を前作のメンバーとちょっとセッションしてみたのが事の始まりじゃないかと….

期近のライブ音源も収録して、これが現在の俺ってことでSelf Portrait名付けられたのか?

Nashville Skylineでお披露目のクリヤートーンの歌声とかってのしゃがれ声をダブル録音して完成した、一人サイモン&ガーファンクルが歌うBoxerはご愛嬌。

全然ハモれていないが、ディランらしいといえばその通り。

Nashville Skylineがお気に入りの私にとっては、このアルバムもリラックスして聴くことができるので本当楽しめる。