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CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

セピア色の渋い奴

2023年10月17日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

その昔、コマーシャルでオレンジ色の憎い奴ってキャッチ・フレーズの夕刊紙ありましたっけ。

ただ、最新の出来事を次々とタイムリーに伝えるネット・ニュースの登場により、その日の午前中の出来事を伝える夕刊紙は少々時代遅れ。

夕刊紙の衰退が顕著になる今日この頃、かっての記憶が少しずつ消されていく感じでちょっと寂しく思う。

そんな中オイラとしてはセピア色の渋い奴を応援したいですね。

それは1969年のザ・バンドのセカンド・アルバム、The Bandの事。セピア色のモノクロ写真に写っているのは5人組の地味な出立ちの兄貴達。

ただレコードに針を落とすとそこにはアメリカの市井での様々な情景が描かれていて懐かしさを感じる。

ポップなサウンドかと言われればそうではないが、その渋みを何度も繰り返し味わうことによってなんとなく温かみや親しみが染み出してくる。

ロビーもついこの間あの世に旅立ってしまい、ガースのみが最後の生き残りとなってただただ寂しい限り、でもセピア色の渋い奴は永遠不滅と声を大にして言いたいね。


マニアにおすすめ

2023年06月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

のっけからゴスペル調のフォーク・ロック。そしてブルースありカントリーあり、更にジャクソン・ブラウンのJamaica Say You Willのカバーもと結構バラエティーに富んだアルバム。

オリジナル・メンバーがロジャー・マッギンだけになり1969年のアルバム、Mr. Byrds And Mr. Hydeでスタートを切った新生バーズ。

それから4枚目に当たるオリジナル・アルバム、Byrdmaniaxが1971年に出た。前作と前々作の評判もよく当時精力的にライブ活動にこなしていた彼等だが、何故かこのアルバムの評判が良くなかった。

(このアルバムの内容とはリンクしないと思われるデス・マスクのジャケにビビってアルバムの購入意欲が削がれたのだろうか?)

(何故か我が家にはSQのクアッド盤が... バーズを4チャンで聴く必要があるの?)

プロデューサーのテリー・メルチャーがコーラスやストリングスをバンドの了解を得ずにうオーバー・ダブしたとかアルバム制作に於いて色々フリクションがあったみたいだが....

まあバンドとしてはもっとシンプルにやりたかったのかもしれないが、今聴けば特にそれらのオーバー・ダブが聴き苦しいとは感じず、なぜこのアルバム売れなかったのかな?

もちろんデビュー当時のMr. Tambourine Manを歌っていた頃とは趣は違うが個人的にはいいアルバムだと思う。

少なくともバーズのマニアにはおすすめのアルバムであることは間違いない。

そうオイラはByrdmaniax。


Slow Train Coming

2023年04月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ユダヤ人だったディランが1978年突如クリスチャンに宗旨替えした、そしてその翌年からゴスペル・アルバムを制作が開始していく。

後にゴスペル三部作と呼ばれたその第一弾が本日の1979年作Slow Train Coming。

ゴスペルと聞いて戸惑いディランから離れていったそれまでのファンもいたが、信仰心の熱い彼の地では新たなファンを獲得し、アルバムもチャートのトップを窺うほどの大ヒットとなった。

今回はマッスル・ショールズ・スタジオでジェリー・ウィスクラーとバリー・ベケットによるプロデュースの下、腕利のセッション・ミュージシャンに囲まれたレコーディングはそれまでの行き当たりばったりではなくかなりプロフェショナルに満ち溢れた作品になったのではないだろうか?

ギターにはダイヤー・ストレイツのマーク・ノップラーが主人公を喰わない様に控え目のながらもツボを押さえたプレイである。

移民大国アメリカでは、ヨーロッパの国々と比較すると信仰心は強いと感じられる。住み慣れた祖国を離れ新たな希望に満ちあふれプロミスランドに到着した移民者達を結びつけるのは祖国の政治的なイデオロギーではなくやっぱり宗教で現在に至るも生活の一部となり結構強固な結び付きを維持している。

片や、全国各地寺社仏閣に溢れた我が祖国日本では、一部の熱心な信者を除けば手当たり次第お願いすると言う少々薄~い繋がりですかね。

果たして、我々に未来の希望に満ちたSlow Trainが将来やってくるのだろうか?


さすがディラン様

2023年01月22日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ボブ・ディランの1965年の5枚目のアルバム、Bringing It All Back Homeを久々に通して聴いてみた。

束になってかかって来なさい〜!って、何となく挑戦的な構図のカバー・アート。猫もその役目を果たしと脇をしっかりと固めている。

当時ブリティシュ・インヴェイジョンと呼ばれたビートルズやアニマルズなど英国のビート・サウンドのアメリカ上陸の影響もあって、ディランもアコギの弾き語りからバック・バンドを従えたフォーク・ロック・サウンドに舵を切ることに。

このアルバムはちょうどその過渡期のアルバムで、従来のフォークとエレクトリック・サウンドを組み入れたバンド・サウンドの曲が半々で収録される構成となった。

この後、彼はアメリカや世界各地をコンサートで回ることになるが、ザ・バンドの前身バンドだったホークスを従えたエレクトリック・セットでの演奏が旧来のフォーク・ファンから叩かれたそうな...

時代は変わる (The Time They Are A-Changin’)って確か1年前に言ったよね。

ねえ君、全ては今終わったのさ (It’s All Over Now, Baby Blue)とこのアルバムの締めをアコギで歌う。

そう、やりたい様にやるさ。

宣戦布告って感じですかね。

さすが。


気楽に味わうディラン

2023年01月09日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1989年に出たディランのライブ・アルバム、Dylan & The Deadで、1987年にグレイトフル・デッドとのジョイント・ライブ・ツアーの模様を収録したものだ。

発売当時、このアルバムのレビューでは覇気がないとか投げやりなボーカルだとか結構叩かれて、チャートでも全米37位とディランの人気アルバムとは言い難いが、何度も聴きているとこれはこれでいいんじゃないかという思いも…

思うに、ライブで長尺なジャム演奏が得意なデッドとのコラボは阿吽の呼吸と言うか綿密な打ち合わせなど無しにディランの思うがままにピタリとハマっている様な気がする。それ故、ディランの歌いっぷりもよりリラックスした感じで聴こえる様な…

ただ個人的には、40数分程度収録されたシングルLPでの発売という中途半端な形ではなく、2枚組にしてもう少し曲数を増やせばこのアルバムの個性なるものをクッキリと浮かび上げさす事が出来たのではないかと。

ジェリー・ガルシア率いるデッドのメンバーとディラン、アットホームな感じでいい雰囲気!


ディランの翻訳者

2022年11月15日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

フォーク・ロック調で12弦のリッケンバッカーを掻き鳴らし独特な声質でわかり易くディランのMr. Tambourine Manをカバーしたバーズ。

彼らのおかげで、ボブ・ディランの人気が一般大衆に一気に広がったのではないかと個人的に思う。

そのバーズのリーダーだったロジャー・マッギンが1973年にバンド解散後、ソロ活動をスタートさせた。

本日は1976年の彼の4枚目のCardiff Roseでも。

当時ロジャーはボブ・ディランのローリング・サンダー・レビューと言うライブ・ツアーに参加し、ジョーン・バエズらと共にディランをサポート。

何故かデヴィッド・ボウイーのグラム期を支えたりグラム期のモット・ザ・フープルやしイアン・ハンターのソロに関わったミック・ロンソンも参加していて、その時にお互い知遇を得たのか当アルバムのプロデュースとギターの演奏を引き受けた。

内容は従来のフォーク・ロックやトラッド・フォーク調の楽曲だけでなくミック・ロンソンの影響なのかソリッドなロックの味付けも組み込まれていて、ローリング・サンダー・レビューのライブの如く力強くまたディラン風味の出汁も効いていて中々の出来。

(ディランやジョニ・ミッチェルの曲も演ってます)

これまでに数多くの歌手やバンドがディランの曲をカバーして来たが、このアルバムを聴いてやはりディランの一番の翻訳者としてロジャーとバエズは双璧と言えるかな?

ディランに合わせて白塗りのお顔のジョーン・バエズ

奥でアコギを弾くロジャー


サイケデリックなお方々、その5

2022年08月27日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

サイケデリック・サウンドと言うとThe Byrdsを忘れてはならない。

本日は彼らの1968年に出た5枚目のアルバム、The Notorious Byrd Brothers(名うてのバーズ兄弟)でも。

5人でデビューしたバンドも、このアルバムのジャケではついに3人と馬一頭となってしまった。

そもそも個性強いメンバーが集まったわけだが、うまくバランスを取れずにメンバーがそれぞれ脱退していった。3枚目のアルバム、Fifth Demensionではジーン・クラークが既に脱退しており、この5枚目では収録途中でデビッド・クロスビーが解雇、その後ドラムスのマイケル・クラークも脱退。

(レコーディング初期の頃だろうか、デビッド・クロスビーが映り込んでいる。クロスビー:もう半荘やろじゃないの。ロジャー:却下、レコーディングが先!あんた頸だよ。てなこと話してるのかね....)

苦肉の策として脱退したジーン・クラークを呼び戻しレコーディング・セッションに少しばかり参加したものの彼もバンドに留まることは無く、アルバム完成時点ではロジャー・マッギンとクリス・ヒルマンのみとなった。

そんな中で完成したアルバムは結構サイケデリックな香ばしい味付けがなされていて大ヒットとはならずも、全米47位・全英12位とバンドが途中で崩壊してもおかしくない中、割と健闘した部類なのでは…

元々フォーク・ロック・プラス・カントリー志向のバンドであるが、ビートルズのレボルバー辺りから影響を受けたと言われている本アルバムでは、収録曲がバラエティーに富んでいてムーグ・シンセやジェット・マシーンが登場したりカントリー調のペダル・スティールにロジャーの逆指向的なサイケデリックなギター・ソロが絡むと言った一癖も二癖もあるちょっと不思議な感覚。

サイケデリックっていいもんですね。

Notorious Byrd Brothersの皆さん


とうしろディラン・ファンのお供に

2022年06月29日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

初期のディランって自身のアコギとハーモニカの伴奏そって単調なメロディーの数え歌を歌うような感じですかね?

抽象的な文言を含む歌詞を例のガラガラ声で英語で歌われると私のような英語不得手のリスナーにとっては一体何を歌ってんの?ってなってしまう。

ライナーに記載された和訳を眺めながら歌を追っかけるのも少々面倒。

ディラン通の方々はオリジナル・アルバムを聴いた方が良いっていうけれど、やっぱり私のようなとうしろディラン・ファンなら単調の中にも少しでも親しみのあるメロディーを持った曲の方が有難いのですけどね…

てな事で取り出しましたるは、1967年のBob Dylan’s Greatest Hitsでも。ちょうど前年にウッドストックでのバイク事故により重傷を負って当面活動休止となり、レコード会社は苦肉の策でそれまでのアルバムから選りすぐりの曲でコンピ・アルバムを制作。

(ディランにとっては、事故後の長い療養生活も多分良い息抜きになったのでは...  その後ウッドストックの隠れ家でのザ・バンドとの充実したセッションが物語っている。)

アルバム、Blond On Blondに収録された気の抜けたマーチング・バンドのような演奏をバックにこれまた怠く歌い出すRainy Day Woman #12 & 35からゆるりとスタートし、Blowing In The Wind、Like A Rolling Stoneに Mr. Tambourine Manなど著名ヒット曲を挟み、同じアルバムのJust Like Womanで締めくくる。

オォ~!これなら全編どこかで聴いたことのある曲ばっかりで分かり易い。

100回ほど聴いてからオリジナルのアルバムに進めば、これでオイラもディラン通!

あの~ その意気込みは買いますがね。でも今夏、電力需給ひっ迫で節電しなきゃならないので…

いつまで経ってもオイラはとうしろファンって事か…


かって僕らは兄弟だった

2022年06月04日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

昨日アマゾンのプライム・ビデオのサイトでThe BandのOnce Were Borthersを発見。

エグゼクティブ・プロデューサーにマーティン・スコセッシやロン・ハワードら映像界の大物が並ぶ2020年製作のThe Band自伝的作品で中々見応えがあった。

ただこの作品ロビーの視点から制作されたもので、5人のメンバーのうち3人は既に鬼籍に、さらにガースこの映画についての発言が無かったのが残念。

多分バンド・メンバーによるドラッグ摂取がバンド崩壊の引き金になった事など概ね事実を描いていたと思えるも、他のメンバーからの解散に至った当時の発言なんかも盛り込めばよりバランスが取れた作品になったのでは…

兄弟のような存在だったメンバーが兄弟のようで無くなっていくのをみるのは悲しいことだが、最後の打ち上げ花火、ラスト・ワルツを催せた事で何とか帳尻が合わせられたと思う。

それにしても、ラスト・ワルツに出演したロニー・ホーキンスもまさか自身のバック・バンドだったThe Hawksと共に自身が世界のロック・スター達に囲まれて大団円を迎えるとは感慨深かったのではないかと….

なにしろロニーに乞われてロビーが若干16歳で単身でアメリカのディープ・サウスに乗り込まなければThe Bandは存在しなかったからね。

改めて彼らの1968年のデビュー・アルバム、Music From Big Pinkを聴いてみる。

当時から名盤と言われたこのアルバムを初めて聴いた時、1曲目のくら〜いイメージのTear Ofg Rageを聴いてなんて地味なアルバムかと...

あれから50数年、この映画のおかげでこのアルバムがさらに味わい深く感じられるように。

博士:オイラもこれでようやく大人になったって事。

通りすがりの人:大人ってよりはもうオジンでっせ!

兄弟だけでなくファミリー集合!


追憶のHighway 61

2022年04月23日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ボブ・ディランの1965年の作品、Highway 61 Revisitedでも。

今回はそのモノ音源のCDを聴いてみた。

一般的にステレオ音源は音の広がりを感じさせるが、当時のアレンジは彼の歌唱を際立たせることが主で唸る様なソロ・プレイも存在しない、また60年代当時の4トラックのステレオ録音のミックスは結構しょぼいから、スピーカとスピーカーの中間地点から音の塊が飛んできて迫力があるモノ音源でいいんじゃないの。

歌の中身は?って問われると、ディランの事をああだこうだと知ったかぶりするつもりは毛頭ないって言うか、実を言うとよく分からない。

歌詞カードを見ながらようやくどんな事を歌っているのか朧げにわかる程度で、その歌詞のストーリー全体の理解となるとその道の専門家に譲る事に….

ところでHighway 61といえばアメリカのインター・ステート・ハイウェイのことで、南部の州、ルイジアンナのニューオーリンズからミシシッピ川を遡ように北上し北部ミネソタのミネアポリスを結ぶ総延長1400マイルに及ぶ大動脈。

解決できなきことがあればHighway 61にまかせなさ~い!あっと言う間に北でも南でも遥か彼方まで持ち去ってくれるって歌っているのかな?

まあディランを聴く友の会ノービス・クラスの私などは、余計な事を考えずにシンプルなメロディーにダミ声で語るように歌われる独特の雰囲気をただ楽しめってことですかね。

因みに、日本の一級国道のナンバリングは1から、二級国道は100から始まり、現時点では沖縄の国道58号線が最後の一級国道だそうで、辛い悲しみを捨て去れる追憶のHighway 61は日本には存在しないみたい。

ディラン先生、ベースを触って何を想う?


Turn ! Turn! Turn!

2022年03月04日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1965年のバーズのセカンド・アルバム、Turn ! Turn! Turn!

バーズのエレクトリック・フォーク第二弾で、音楽的には前作のミスター・タンブリンマンと同じ方向性で制作された。

このアルバムの一番の出来はやっぱりTurn ! Turn! Turn!。

フォーク・ギター一本で歌われる元歌をバーズ流に上手く消化し名曲に仕上がった。

全ての起こり得る事象は天の下あたかも定められたかの如く適切に季節や時と共に移り変わってゆく。

なぜかこの曲を聴くと若かった昔の事を思い出し目が潤む。

オイラもオジンの世界にどっぷり浸かったって事かな?

左から、マイケル・クラーク(Dr)、デビッド・クロスビー(G)、ロジャー・マッギン(G)、クリス・ヒルマン(B)にジーン・クラーク(Vo)

皆さんお若い!


まったりして土曜おの昼下がりにマッチする

2022年01月29日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

本日はボブ・ディランの1976年のアルバム、Desire。

ディランの曲ってメロディーやアレンジがシンプルなので歌詞の聞き取りが出来ない私などはどれも同じに聞こえる時もある。

その中でもこのアルバムは結構バラエティーに富んだ構成で分かり易い。

中でも大きなアクセントとなっているのが哀愁が感じられる音色を生み出す新人バイオリニスト、スカーレット・リビエラとディランの歌唱に負けじとコーラスを付けるカントリー・シンガーのエミルー・ハリスの御両人ですかね。

特にディランさん、独特の節回しでその場その場で歌い方全く変えちゃう場合もあるからオーバー・ダブじゃなければ彼の歌唱や演奏に合わせるのは中々骨が折れるのではないかと想像したりして。

歌唱に関して言えば、即興でコーラス付けられるのは長年付き合いのあるジョーン・バエズぐらいだと思っていたけど、なかなかエミルーさん、やるな~と思った次第で…

本日は2003年に出たSACDで鑑賞。これ買ってからもう20年近く経つと思うと光陰矢の如しを改めて実感。

SACDは情報量が多いので再生音の質が向上してるはず。

間違いない!

多分...

知らんけど。


バーズ最終形

2021年11月06日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

グラム・パーソンが加入し、1968年元祖カントリー・ロックなるアルバム、Sweet Heart Of The Rodeoで新境地を見せたものの、アルバム制作後すぐにグラムとクリス・ヒルマンはバンドから脱退し新バンド、フライング・ブリトー・ブラザースを結成。

ロジャー・マッギン一人残ったバーズは新規メンバーを集め4人組で再スタート。

その後ベーシストが脱退しスキップ・バッティンが新規加入しバーズ最終形が出来上がる。

ジーン・クラークやデビッド・クロスビーら中心メンバーがいた初期の頃より地味に感じるかも知れないが、バンドとしては一番まとまっていた時期で積極的にツアーも行い実力を蓄えた。

そして1970年に出たアルバムが、Untitled(タイトルのないアルバム)を発表。

2枚組からなるアルバムで、サイド1と2がライブ録音、そしてサイド3と4はスタジオ・テイクの新曲を収録。

一番の注目はやっぱり一曲でLP片面全部を使った長尺のエイト・マイルズ・ハイだろう。

2本のギターが絡み合うインプロヴィゼーションが冴え渡り、また溌剌としたドラムスとベースのリズム・セクションも見逃せないあっという間の16分。

それから、アルバム最後の曲、Well Come Back Homeでは仏教の某宗派のマントラが唱えられ日本人にとっては中々のインパクトあり。

ミスター・タンブリン・マンだけじゃ無いバーズの凄さがわかった。

左から、クラレンス・ホワイト(G)、スキップ・バッティン(B)、ロジャー・マッギン(G)そしてジーン・パーソン(Dr)


ロビーのファースト・アルバム

2021年10月18日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ルーツ・ロックの探求者とでも言うべきThe Bandが1976年ラスト・ワルツのコンサートの終了とともに解散した。

翌年にアルバム、Islandが出た。私は特に悪い印象を持たなかったが、ファンの間では契約消化のためのやっつけ仕事の様な印象だったのか、当時の評価は低かったような。

そうこうしているうちに、ロビー・ロバートソンと袂を分かった旧メンバーのリヴォン・ヘルムやリック・ダンコらがそれぞれソロ・アルバムを制作。芸風はThe Band系ルーツロックを踏襲。

そして、ソロ活動だけでは飽き足らず、1983年にはロビー抜きでThe Bandを再結成しライブを再開。

一方The Band の殆どの楽曲を作詞作曲してきたロビーは、音楽プロデューサーとして映画音楽に関わったり、時に他のアーティストのアルバムにセッション・プレーヤーとして参加したりとマイペースを貫いた。

1987年、ついに自身のセルフ・タイトルのソロ・アルバムが出た~

なんとアルバムは同年U2のベスト・ラー・アルバム、ヨシュア・ツリーに関わったダニエル・ラノワとの共同プロデュース。それだけではなく、U2の面々、ピーター・ガブリエル、クリムゾンのトニー・レヴィンに千手観音の如くドラムを叩くテリー・ボジオら異色の顔ぶれがアルバム制作に関わることに。

一聴して、もうこれってThe Bandの芸風捨てさった80年代ニュー・ウェイブって印象。

The Band時代のロビーとのギャップに驚き、彼を含めたThe Bandの再結成はもう無いのかなと残念に感じた一枚であった。

このモノトーンの荒涼たる風景はなんとなくU2のヨシュア・ツリーを思い起こす。


Welcome To The Entrance of Psychedelic World

2021年09月19日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1966年、バーズが出した3作目のアルバム、Fifth Dimensionが登場。

イギリスではビートルズが1965年Rubber Soulを出し翌年にはRevolverのレコーディングが開始され、ストーンズもAfter-Mathを出し、それまでのヒット・パレードに登場する曲とは一味違った雰囲気の曲が生み出され始めた頃、バーズも大西洋を挟んで彼らの影響をもろに受けた。

これが4畳半フォークの原点か?

(中古レコード購入したいけど、予算に見合う出物が無くて今のところCDで所有)

後年アメリカではジェファーソン・エヤプレーン、アイアン・バタフライやバニラ・ファッジらが登場し主にステージでインプロビゼーションが繰り広げそれらしき雰囲気を醸し出しサイケデリック・ミュージックって称されるジャンルが新たに誕生し一時的に隆盛を極めることになるが、この時期はまだその入り口の段階でアレンジはシンプル。

ただ爽やかなコーラスが売りのフォーク・ロック系ビート・バンドのイメージが、ロジャー・マッギンの奏でる革新的なギター・ソロによって一新されたのには、当時のバーズ・ファンだけでなく一般のリスナーも結構驚かされたのではないだろうか…

などと偉そうなことを言っているが、当時私はサイケデリックのサも知らない小学生だった。

唯一それらしきイメージがあったとすれば、当時テレビで放送されていたSF番組、ウルトラQの逆回転を使ったオープニングですかね。

オォ〜!渦からウルトラQって出てきた。これはスゲ〜ってテレビにかじり付いていたような思い出が。