風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

光と緑の新潟紀行 4-1

2014-08-04 | 中部(甲信越)
3-2からの続きです。

○ 新潟も暑かった

前の日に早起きしたため、この日の朝はゆっくりめに起きました。
朝からカーッと照りつく暑さです。
新潟は、もっとずっと涼しいところかと思っていましたが、北海道だって暑い時は暑いですからね。
日中は暑くても、東京と違って夜は気温が下がり、熱帯夜にならないところが、いいところです。



○ 日本一おいしいところてん

朝食は、ヘルシーにところてん。
「日本一おいしいところてんの店」へ向かいました。



「自分たちでハードル上げてるね~」「どんなすごいおいしさなんだろうね~」と、期待値が高まります。
わかっていないとたどり着けないような、きれいな水の湧く辺りにぽつんとあるお店で、見るからにおいしいところてんを出してもらえそう。



到着しました。画像の色が薄いのは、暑さを避けて車の中から撮影したからです~。
駐車場から、ダッシュで店内に駆け込みました。

創業は明治時代で、その時からこの店名のようです。
今の店主はその何代目かなんですね。壮年のご夫婦が切り盛りしていました。



メニューは、ところてんのほかは、かき氷やアイスクリーム。
ほぼところてんワンメニューといったところです。
二人分頼むと、すぐに出てきました。
「昨日延々待ったポークカレーとはえらい違いのマッハぶりだね」と二人で話しました。(別に根に持ってませんよ~、笑)



奥では、店主が天突きからところてんをツーッと出しています。
久しぶりに見る天突き。ヒノキ製が売られていました。
実家に小ぶりのがありますが、全然使わなくなっているようです。



出てきたところてんには、一本箸がついていました。
というか、箸一本しかついていませんでした。
そういえば、ところてんって一本箸で食べるものでしたっけ。
と、ぼんやり思い出しますが、これまで食べたことがないため、慣れるまであたふた。
つるっとしているので、なかなかバランスがつかめないのです。
無言になって、彩とそれぞれ格闘しました。



みずみずしく、透明感あふれる味。うん、たしかに日本一なのかも・・・。
日本中のところてんを食べ比べていないので、わかりませんけどね!
不便な場所にあるのに、ひっきりなしに人がやってくる、知る人ぞ知るといった風情の人気店です。
これを食べると、身体の中からきれいになれる感じ。
お店の湧き水もおいしくて、ごくごく飲みました。



○ 屋根付き橋

川沿いを走っていたら、屋根付きの橋が見えたので、さっそく車を停めてもらいました。



屋根付きですよ。すてきー。
普通、屋根付きの橋は、弥彦神社にある神橋のように、神様用のものが多く、人間は渡れません。
でもここは、完全に一般人用のものです。



幅が割とあって、橋には椅子やテーブルもありました。
ここは地域の集会場みたいな使われ方をしているんでしょうね。



上流も下流も、山と川がきれいに見える気持ちのいい場所。
こんないい橋が家のそばにあったら、毎日居座りそうです。
「ほたるはし」という名前なので、きっと初夏には蛍も見えるのでしょう。



途中、観音湧水で水を汲んでいきました。
毎日湧水を飲んでいます。浄化できそう~。

○ 美人ぞろいの美人林

四国八十八カ所巡りの石碑が一同に並んだ場所があるというので行ってみましたが、急傾斜の細い山道になり、生い茂った夏草に遮断されて車が先に進めなくなったので、断念。
石仏群はどこにあったのかしら~。幻じゃなかったのかしら~。



山間の神社に立ち寄りました。綺麗に片付けられています。



拝殿の屋根には、雷門がついていました。
落雷防止の意味を込めてでしょうか。



温泉の横を通ります。連日入っている温泉。スポットはこの辺りにたくさんあるんだなあと思います。



それから美人林へ向かいました。
名前のインパクトに驚きます。美女木みたい。
美人がいる林なの?林が美人なの?
後者だそうです。美林じゃなくて人なんですね?
行ったことがあるという彩は「きれいで好きな場所」と言います。
実際に行ったら本当に美しいブナ林が広がっていました。



高原にいるような気分を味わいます。
う~ん、すがすがしい気分。ここにいたら、私たちも美人になれるかも~。





とうっとりしながら歩いていたら、「美人林はここまで。モドル」の表示があって、あれっと肩透かしを食らいました。
美女はやはりはかないもの?夢から現実に引き戻された感じー。



ここは観光用の林なので、営林署ではなく守る会が手入れをしているのだそうです。

4-2に続きます。

     ◆ 光と緑の新潟紀行 index

光と緑の新潟紀行 3-2

2014-08-03 | 中部(甲信越)
3-1からの続きです。

○ 竜が窪と竜神伝説

昼食後、私のリクエストした竜が窪へ行きました。
この辺りは湧き水が多いと聞いて、気になっていたのです。
中でもここは湧き水の量が豊かなのだそう。



伝説に出てきそうな地名だと思ったら、ここゆかりの竜神伝説は4つもあるそうで、4つ全てが大きな看板に紹介されていました。
全部読んだら、混乱してきました。どれか一つに絞ってもいいのに。人気投票とかで(!?)



車を降りてみずみずしい緑の遊歩道を歩き、水源の方へ向かいます。
昔から変わらないような自然の中で汲んだ湧水は、やわらかくおいしい味がしました。



○ グーグルマップのストリートビューカー

帰り道には、ひまわり畑もあります。
ちょうどひまわりが咲いている季節で、そこに向かう車も多いようなので、気になりましたが、あまりの暑さに私たちはあきらめました。

青々とした緑のトンネル。夏は草木が生き生きしています。





その近くで、停まっている車を追い越した時に、運転中の彩が「あ、グーグルマップのストリートビューカーじゃない?」と声を上げました。
「わあ、写真に撮って~」



ストリートビューカー、初めて見ました。
車の上に身を乗り出して、カメラの位置の調整をしていました。

○ 見倉橋ふたたび

ダムを見ながら、川沿いにどんどん上流に上っていきます。
いよいよ、私お待ちかねの見倉橋へ。
ここを前に訪れた時に吊り橋の魅力に目覚めた、私にとって思い出深い場所。
私にとってまさに理想的な吊り橋です。
それからたくさんの吊り橋を見て渡ってきましたが、未だここ以上に好みの橋には巡りあっていません。
近づくに連れて、ドキドキと胸の鼓動が高鳴ります。



木造の廃校を使った「かたくりの宿」も、以前訪れた時のまま。



駐車場から細い山道を降りていくと、ごうごうと流れる水の音が聞こえてきます。
新しく、熊出没注意の札ができていました。



緑の中に見倉橋がありました。
前と変わらぬ姿です。
また来れて、うれしさで胸いっぱいになります。



前はほかにも人がいましたが、この日は平日だからか、誰もおらず、大好きな橋を彩と2人占め!
ああ、しみじみ、いい橋だわ。



でも彩は「揺れて怖ーい」「水の量勢いがすごーい」とおびえていました。
一見華奢な危なさを感じますが、メンテナンスが行き届いた、しっかりした作りです。



前は、往復しただけでしたが、今度は橋を渡った先に何があるのか、確かめてみよう!と、腰が引けた彩を置いて対岸の階段を上ってみました。
でも、どこまでもその階段は続いていそうなので、途中で引き返しました。
元来た坂を上って、車のある場所まで戻る体力を残しておかなくてはいけませんからね。



それに、すでに地図で見て、橋を渡った向こう側に何があるのかはチェック済みでした。
好きな場所に来れて、心身が満足感に満ち溢れます。
これからもがんばれそうだわ。

○ けっとう橋とダム

元の道に戻ると、はるか下方の川にも吊り橋が架かっていました。
「あ、あれも吊り橋」と気になります。
「近くまで行けないかな」と、ナビをそれて川の方へと下っていくと、果たして、吊り橋のところへとたどり着くことができました。



けっとう橋という名前でした。
響きがすごいけど、穴藤橋と書きます。
車がぎりぎり一台通れる幅で、そろそろと渡りました。
向こう側から車がやってきても、絶対にすれ違えません。
譲り合いの気持ちがないと使えない橋です。


 
車でこうした一台用の吊り橋を渡るのって、貴重な体験です。
渡り切ってから車を降り、歩いてみました。
橋の上流すぐのところに、ダムが見えます。
「ダムのところも渡れないかな?」

ナビを見ても、道がはっきりわからなかったので、行ってみることにしました。
こちらも車1台分の道でしたが、きちんとつながっていました。



東電のダムの上を通ります。ダムにはばらけた木材がたくさん浮いています。
こちらも、三国川ダム同様、たっぷりの水をたたえていました。



当分、水不足に困ることはなさそう。
そして、ナビの示す元の道に戻りました。

○ 見玉不動尊

それから見玉不動尊へと行きました。
日本の三大秘境の1つと言われるここ秋山郷を、初めて世に紹介した鈴木牧之氏が参拝して感銘したという場所です。
不動といったら火炎がつきものなのに、ここは湧き水がほとばしる、みずみずしい場所。
飲んでみたら、まろやかでおいしかったです。



とても暑いながら、木立なので日がさえぎられて照り返しはありません。
石段をひたひたと上ってお参りしました。



今回訪れた、千手観音でも八海山尊神社でも、手水舎に不動明王が彫られていました。
でも、ほかではあまり見ません。
水に近いところだと、水かけ不動などになりますが、それとはまた違うようです。
この地方独特なのか、気になるところです。
入り口の灯籠は、猿が支えるデザインでした。

○ モダンアートと温泉

美しい夕焼けが臨めましたが。昨日も夕方に突然大雨が降りましたが、この日もまた突然の大雨。



スコールのようです。異常気象でしょうか。
雷も光り始めて、ゴロゴロいってるなと思ったら、すぐ近くに大きな轟音を立てて雷が落ちました。
こんなに近くに落ちたのは初めて。耳をつんざくような音だけでなく、おなかにダイレクトに振動が響いてきて、その迫力に肝が冷えて震え上がりました。

すこし小降りになってきたところで「この近くにある「大地の芸術祭」の会場は、温泉も出るんだけど、入っていく?」と聞かれます。
なにそれ、おもしろそう。
「大地の芸術祭」の宿泊施設に泊まっている身としては、行ってみたい場所です。
ということで、キナーレという施設に行きました。





町の中の現代アートの建物の中に温泉があります。斬新です。
大雨の直後だからか、中はすいていました。
日中は暑く、夕方には雨で湿度が一気に上がったところだったので、入ってさっぱりすっきりしました。





内湯の外には湯冷まし休憩コーナーがあります。
前衛的なコンクリート打ちっぱなしのスペースで、2人でコンクリの壁を見上げながら「裸で現代アートを見る機会もそうそうないよね」と話しました。

○ へぎそばとまいたけ

さっぱりしてから、新潟名産、へぎそばの夕食にしました。
お店は天井の高い、立派な和風の内装。



つるつる、つやつやで、見た目もおいしそうですし、やはり味も抜群。
この味と食感に慣れていたら、ほかの蕎麦は食べられなくなってしまうでしょうね。



「名産だから食べて」と、舞茸天ぷらも勧められました。
雪国まいたけは、今ではブルボンや越後製菓に並ぶ、この辺りの有名企業ですからね。

翌日はのんびり起きることにします。
食後はお茶を飲んでおしゃべりしながら、ゆっくり寝につきました。

4-1に続きます。

     ◆ 光と緑の新潟紀行 index

光と緑の新潟紀行 3-1

2014-08-03 | 中部(甲信越)
2-2からの続きです。

○ はくたかとほくほく線

8時に起床し、早めに宿を出発。
線路沿いのお店でモーニングを取っている時に、はくたかやほくほく線が通るのを見ました。
ちょうどタイミングよく、友人から「今はくたかに乗ってまーす。新幹線が通ったらこの電車はどうなるんだろう?」と連絡が入りました。
彩に聞くと「なくなっちゃうんだよ」。
一度も乗ったことがないけれど、なくなると聞くと寂しくなります。

昨日から、何度か信濃川の上を渡りましたが、今まで見たことがないほど茶色の濁流でした。
「長野の方でここ数日、大雨が続いているんじゃないかしら」と彩。
魚沼川のような小さな川の方がきれいな流れでした。

○ ナンバリングの名前

(六日町とか十日町とか、ナンバリングされているところは、青森の一戸や八戸みたい)と思います。
青森は、一戸から九戸までありますが、新潟はどうかと聞くと「うーん、わからない」とのこと。
新潟は大きな県ですし、彩も少し離れたところに住んでいるからでしょう。
十日町の中には四日町もあるんだとか。ややこしー!
車で動いているうちに、二日町や五日町、九日町の表示を見つけました。





あと、新潟でよく目についたのが「第四銀行」。
「だいよんぎんこう?」と言うと、「だいし!」と訂正されます。
(川崎)大師銀行のようですが、「昔から決められた番号制のところで、一番古いんだよ」と彩は胸を張っていました。
宮城には七十七銀行があったし、地方では、数字がよく名前や地名に取り入れられている気がします。
昔ながらの名付け方が残っているということでしょうか。

○ さぐり川ダム

まちなかを離れて川沿いに山の方へ向かって行くと、大きなダムが見えてきました。
訪れたのはさぐり川ダム。三国でさぐりなんて、読めません。
三國連太郎もさぐりさんになっちゃいますね。

三国川という川沿いにあるからだそうですが、福島・群馬にも近いため、三県のそばという意味なのでしょうか。
くねくねとした細道を通って行き、(ここの職員は冬は通勤したくないだろうな)と思います。
ここでダムカードをもらいました!
前に、奥日光のダムで2枚もらっていますが、それからなかなか集められずにいたところ。
だって、土日はもらえないからです。貴重な三枚目です。



なみなみとした水がたたえられていました。
敷地内のポールに、オレンジ色のなにかがついており、「カマキリの卵かな」とこわごわ近づいてみました。
それは薬が塗られたもので、「蛾の駆除法実験中」という紙が貼られていました。
彩が「前からこの辺りに来るたびに、蛾が多いと思ってた。この辺は特に多いってことね」と言いました。
うーん、カメムシもイヤですが、蛾もイヤだなあ。



この日も快晴。まだ昼前なのに、じりじりとした日差しに照らされて、そんなに長居もできずに車の中に逃げこむように戻りました。

○ 坂本日吉神社

通りすがりに、雰囲気がよさそうな神社を見つけたので、寄ってみました。



坂本日吉神社。日本にはお寺も神社もたくさんあって、一期一会だわ。
緑に満ちた広い境内の中に、いい狛犬がいました。



○ 八海神社

次は八海神社に向かいました。
名前のとおり、八海山全体がご神体。
ふつう、山岳神社だと、かなり山を登ったハードな場所にありますが、ここは車で行けるところ。
一合目にあるそうです。参拝者にやさしい立地ですね。
古い杉木立が立つ気持ちがいい境内を歩いて拝殿まで行きました。



神社に比べて狛犬は新しく、ほかの神社も新しい狛犬が多いなという印象。
昭和期になって、奉納がはやったのでしょうか?
というよりは、古くなって新しいのに変えたという感じでしょうか?

扉には「猿が入るのできちんと締めて」という張り紙があり、私よりも彩の方が「えっ、猿がいるの?ウソ!」と驚いていました。
ここに古めかしい火消し車を見つけました。



○ 八海尊神社

それから八海尊神社へ。
八海神社と八海尊神社があるので、紛らわしいですね。

ナビに従っていったら社務所に着きました。
でも、神社というよりお寺のような雰囲気。
きょろきょろ見回しても、それらしい建物はなく、社務所しかないようです。
聞いてみると、やはり拝殿は別の場所にあるとのこと。
「どちらから?」と聞かれ「横浜から」と答えると、「まあ、遠いところからわざわざ」とねぎらっていただきました。



車だとすぐですが、歩くとちょっと距離のある場所に、神社はありました。
場所が離れているのが不思議です。
なぜナビが社務所の方に導いたのか、不思議になるほど、広々とした境内の神社でした。



私が大きな狛犬に注目していたら、彩は石段の下から柏手を打ちました。
よく響きます。
祈祷を終えたばかりの神主さんが、一家を駐車場の車のところまで送っており、(見送りまでするなんて丁寧だわ)と思いました。

○ 野生の猿に遭遇

この辺りは、まだ神仏習合が色濃く残っています。
帰り道、猿が道路にいました。
「わ、本当に猿がいるー!」
カメラを出している間に、猿は素早く走り去り、いなくなりました。
「猿だ!本当にいるなんて」と彩はショックを受けたよう。
新潟の中では都会っ子の彼女、野生の猿を見たのは初めてだそうです。
日光あたりに行くたびに遭遇している私の方が、驚きませんでした。
でも、カメムシには会いませんように!あれだけはイヤ~!

○ 灯籠にトカゲ

うしろ山を超えていきます。ナビを見ると、新道の横をずっとくねくね折り曲がった旧道が並走しており、旧道隧道もありました。
ハイキングルートにいいかもしれませんが、一日コースになりそう。



見慣れないドームがありますが、あれは雪国特有のバス停。
雪が降りしきる中でじっと待つのは冷えますからね。



見渡すと広がる水田。
気持ちの良い光景です。



陸上競技場となりの高龗(こうりゅう)神社へ。
狛犬はいませんが、自然そのままに雰囲気がある気持ちのよい境内。



石灯籠の彫刻が凝っていてすごいなとカメラを向けると、くぼみのところにトカゲがちょうどはまりこんで、休んでいました。



カエルだけでなくトカゲもこれまでちょこちょこ見かけていましたが、気持ちよさそうに昼寝しているのを見るのは初めて。
でも、野生の本能で私達の視線を感じたのか、あっという間に身をひるがえして、いなくなりました。



狛犬にカエルがいたり、灯籠にトカゲがいたり。
本当に、自然たっぷりの土地ですね~。
普段、都会にいるという意識は特にありませんが、こういう場所に来ると、いつも人間だらけの不自然な場所で暮らしているんだなあと実感します。



弁天宮に行きました。そんな水辺でもないのに?と思いますが、おそらく信濃川のそばということでしょう。
この辺りは山が多いためか、川が多いです。
古いいい狛犬がいて、木鼻も芸術的でした。



○ なじょだの通り
 
駅前アーケードに「なじょだの通り」と書いてあります。
黙って考えましたが、わからなかったので、「なじょだってどんな意味?」聞いてみました。
でも彩も「わからない・・・」と悩んでいます。



「聞いたことある気がするけど、使わないし、多分この辺だけの古い言葉じゃないかな」
響き的に、「マジョリカ・マジョルカ」とか、「フェイジョアの実」とか「なこその滝」などを思い出しました。
「さぐりがわ」とか「うしろやま」とか、この旅ではなんだかざわざわするネーミングが多いなと思っていましたが、この「なじょだのとおり」でとどめの一撃を食らった気分です。

○ 妻有ポークカレー

そこから津南へ向かいました。
数年前に秋山郷に行った時に訪れた道の駅で休憩します。
あの時は、店先に熊よけの鎌が売られていて、一緒にいたみんなで(ウワッ、コワイ!)と息を止めたものでした。
だってこれまで、草刈鎌しか見たことなかったもの。
熊よけっていうか、闘う武器ですよね・・・?
今はそのシーズンではないのか、鎌はひとしきり売り終わったのか、店頭には見当たりませんでした。



「お昼はこの辺で有名な妻有ポークにしよう」ということになりました。
施設内にあるお店がおいしいと有名だそうで、順番待ちの人たちがいました。
順番を待っているうちに、おなかがすいてグーグー鳴ります。
やっぱり豚肉にしなくちゃね!と、妻有ポークカレーを注文しました。

のんびりとした店内。客さばきがなかなかはかどらず、料理がくるまでけっこう待ちました。
待っているだけの手持無沙汰な私たちは(もうランチタイムも終わっちゃったね~)と、ゆったりした厨房の様子を眺めていました。
お手伝いしてもよかったんだけど。あるいはセルフでよそっちゃうとか。



ようやくやってきたカレーは、おいしい上にボリューム満点で、最後の方は「食べきれないかも」と言いながらようやくいただきました。
カレーに味噌汁がついてくるなんて、初めての取り合わせ。完全に和食扱いですね。
ガラスの向こうに、地方名産のおやきを作る人たちが見えました。



3-2に続きます。

     ◆ 光と緑の新潟紀行 index

光と緑の新潟紀行 2-2

2014-08-02 | 中部(甲信越)
2-1からの続きです。

○ 山を越えると日本海

スカイラインを下りていくと、いよいよ海のそば。
日本海が見えます。
緑深い山間部から、海沿いまでやってきたのです。





大きな鳶が翼をひろげて悠々と私たちを先導していきました。

○ シーサイドドライブ

海岸沿いのドライブを楽しみます。うーん、海風が気持ちいい。
海は真夏の日差しに照らされて、キラキラというよりギラギラと反射していました。
獅子が鼻というごつごつしたおもしろい岩場で休憩しました。





私達の前に駐車場に着いた軽トラから中年男性が転がるように降りてきて、あっという間に岩場の影へと向かい、姿が見えなくなりました。
「あの人、大丈夫かな。まさか飛び込むんじゃ?」と心配したら、
「いやー、デートの待ち合わせじゃない?」と彩。
まあ、すごく急いでいたから、そうかも。
かなり2時間サスペンスドラマっぽい場所でしたけどね。



次に向かったのは、弥彦神社の摂社の妻戸神社でしたが、参道には夏草がうっそうとしげっていて、どう頑張ってもたどり着けそうになかったため、断念しました。
せっかく行ったのにー。





誰も人が通った気配がないほど伸び放題です。
神社の人も、時々しか行かないのかもしれません。
狛犬を見ただけでも行ったかいがありましたが、やぶ蚊にたくさん刺されてしまい、しばらく「かゆい~!」と悲鳴を上げていました。

○ 寺泊は宿坊にあらず

それから、寺泊に入りました。
寺泊!よくよく聞く地名ですが、長い間「お寺の宿坊」と勘違いしていた寺泊!
宿坊というのに、刺し身や魚介類がふんだんに出るんだなあと思っていたら!
「停まらなくて大丈夫?」と聞かれました。
魚介類を楽しみたいところですが、山菜うどんとソフトクリームを食べたばかりで、まだおなかいっぱい。
「ああ~」と言いながら、車で通り過ぎました。





近くの十二神社には、狛犬が二対並んでいました。
どちらもそっくりの形です。
先代は石で、新人は陶器。同じ形なので、型取りしたようです。



ここは海沿いだし、雪も降るため、石だと摩耗が激しいでしょう。
それで、摩耗しない材質ものもをと寄進者は考えたのでしょう。
同じポーズが2対、並んでいるのは、仲が良い感じでほのぼのしました。



工事のストッパーはあちこちで見かけますが、トキバージョンを見たのは初めて。
新潟ですねえ。

○ ブルボンと原発の町

柏崎原発前を通りました。
前に、仕事の関係で見学に訪れたことがあります。



今は稼働停止しているんですね。もちろん見学も中止でしょう。
「原発は止めた方がいい」というのは二人の共通意見ですが、以前見学した時に、解説の女性が「ここができて、地元の雇用率が上がって助かっています」と言っていたことを思い出しました。
彩は「それもマニュアルに載っているんじゃない?」とちょっと意地悪な言い方をしていましたが。

ここの地名は刈羽村。
弥彦村とはまた違う意味で、財政的に潤っているので、村のままでいられるんですね・・・。

ブルボン本社の横を通りました。
さすがは全国規模の会社、ルマンドっぽい(?)大きな工場でした。



平屋の学校かなと思ったら、ここは駅でした。何の駅だったかしら?



○ 酒呑童子も神様に

燕市のあたりを通っていたら、酒呑童子神社をみかけました。
「えっ、酒呑童子を祀っているの?」とビックリ。
だって、すご~く悪い鬼だったんですよね。人間の敵!みたいな。
あと、丹波の大江山に住んでいたんじゃなかったかしら?
しかも、金太郎こと坂田金時に退治されたんじゃなかったかしら。
なので、京都か箱根の辺りがゆかりの地かと思っていました。

越後が酒呑童子の故郷のようです。
そして、彼は強すぎて一人では倒せず、金時を初めとした源頼光四天王が束になって、ようやく勝ったようでした。
その強さにあやかりたいと、祀られているのかもしれません。



ふと通りがかって参拝した安田神社にも、いい狛犬がいました。



境内の大きな忠魂碑の下では、ネコが気持ちよさそうにひなたぼっこしていました。



また車に乗ると、彩が「あっ、狛犬』と言います。
「どこどこ?」見回しても、見つけられません。
「鳥居の下にちょこんと一匹。ああ、撮影しておくから、あとで見てね!」



あとで見ると、本当にそれらしい狛犬がいました。



でもなぜそんなところにいるの?

○ 峠の温泉へ

これで今日訪れるところは終了。
う~ん、かなりたくさんのところを案内してもらいました。
とても暑い一日だったので、汗を流そうと、温泉に入りました。



この辺りは温泉がたくさんあるんですね。よりどりみどり。
重なりあうように続く山々を眺めながら、いいお湯につかりました。



人里離れた山奥に現代美術のオブジェを発見。トリエンナーレ作品でした。

○ 和食ではなくイタリアン

出てみると、外はザーザー降りの大雨。
「雨の運転、こわい~」という彩の言葉を聞いて、私も怖くなります。
でも、問題なく町なかについた頃には、雨も小降りになっていました。



少し遅くなりましたが、おしゃれなイタリアンで食事。
新潟といえばお米かお蕎麦という印象ですが、パスタもおいしそう。
でも結局ライスをたのんで、おいしくいただきました。



この日は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」サポーターの彩が、ボランティア活動をするときの宿に泊まりました。
夜トークもそこそこに、早めに就寝。
前日は、光の館で2時間・2時間という不規則な寝方をしていたため、すぐに眠りにつきました。

3-1へ続きます。

     ◆ 光と緑の新潟紀行 index

光と緑の新潟紀行 2-1

2014-08-02 | 中部(甲信越)
1-2からの続きです。

○ 光の館を出て

光の館まで彩が来てくれました。ここからは、彼女にお世話になります。
前の夜に一緒に泊まったほかの2台の車は、これからどこに行くのかしら~と気になりながら、私たちは先に車を走らせました。

まずは、ナビを見て気になった千手観音に連れて行ってもらいました。
この辺りの地名は千手というそうで、やはり観音様から来ているのでしょう。



昔から今に至るまで、ずっと人々に信奉されてきた古刹だとわかります。
古い仁王門の中には赤い仁王様がいました。
境内には無数の如意輪観音像の石碑が奉納されています。
きれいに整備された境内。
拝殿には「秩父三十四観音巡り」のポスターが貼られていて、(え、私まだ関東にいるんだっけ?)と一瞬クラクッとしました。

○ カエルくん

自販機に、アオガエルが何匹かいました。この夏、初めて見るカエルくん。
どうやって入ったのかしら。



参道にもアオガエルがいました。
「この辺りは普通にいるよ」と彩。
小さいのなら結構好きですが、苦手な人は青くなって悲鳴を上げそう。



再び車に乗ります。このあたりは車がないと身動きが取れないと実感します。
この辺りは山岳地帯。車はスノーシェッドがついた道をいくつも通りぬけ、急なカーブをくねくね走っていきます。
夏なので、広がる水田の新緑が目にまぶしいほど。



うさぎ追いし かの山~ 小ぶな釣りし かの川~♪
『ふるさと』の歌の世界のようですが、「カメムシ多発注意」の注意書きをあちこちで見て、悲鳴を上げました。イヤだー!
「えー、カメムシが出るの?」と及び腰の私に「そうだねー」と動じた風もない彩。
山も緑、田んぼも緑、カメムシも緑・・・。
ここはまさに、緑の王国です。

○ 狛犬巡り



三島神社には出雲型の狛犬がいました。
次に行った八幡宮も出雲型。
この辺りは出雲が多いです。北前船の影響でしょうか。



南部社という神社がありました。
石段を登った先には、ここには猫の狛犬がいました。でも一匹だけ。なぜ?







虹色のトカゲが、キラキラ光りながら走っていきます。



狛犬好きなので、よーく見ていたら、目のくぼみに小さなアオガエルが喉を震わせながら休んでいました。
「鬼の目にも涙」ならぬ「狛犬の目にもカエル」!





○ 日本のミケランジェロ

それから三尺房秋葉社へ。
広い公園に隣接した、上杉謙信とゆかりが深いお寺。



秋葉社の奥社は厳重に守られています。
拝殿には、めまいがするほど細緻を極めた木造彫刻が施されていました。



これを手がけたのは、日本のミケランジェロといわれる彫刻家、石川雲蝶。
ちょうど今年が生誕200年だそうです。



園内には謙信の銅像もありました。



この辺りは自然の湧き水があちこちで出ています。
ペットボトルに汲みました。
水の恵みを受けて、美味しいお米ができるのでしょう。

○ 越後一ノ宮 弥彦神社

それから、山越えをし、結構な距離を走って、越後一ノ宮の弥彦神社へ。



行ってみたかった場所なので、期待が高まります。



風格のある大きな鳥居。その奥には鎮守の森が広がり、鬱蒼としています。



境内は神聖な雰囲気に満ちていました。雨が降っていないのに林は湿気が高く、木々の表面はしっとりと水気を帯びています。
いつもそこまで湿気がすごいのか、知らぬ間ににわか雨が降ったのか、どちらなんでしょう。



小川かかった玉ノ橋というすてきな朱塗りの反り橋がありました。
屋根付きです。どうやっても登れない傾斜。まさに神橋です。

狛犬も独特でした。ここの狛犬は有名なので、会えてとても嬉しかったです。
しかしかなりの暑さ。曇りか雨だと思っていたのに、予想外の暑さで、二人ともぐったりへばります。



「りっぱなお宮だねえ」と言うと、「だから、ここだけ合併されずに弥彦村のままなの」と教えてもらいます。
周りはぐるりと市に囲まれている村なんだそうな。
新潟市にも長岡市にも吸収されずにいられるなんて、力がある村なんですね。

○ スカイツリーと弥彦山

それから弥彦山スカイラインを通って、標高634mの弥彦山の上へとどんどん登って行きました。
弥彦山という山があると知りました。
弥彦山頂上駐車場のところには、パノラマタワーとクライミングカーの乗り場があります。
ロープウェイ乗り場の表示はさっき見たけれど、こちらはいったいどんなもの?

とりあえずおなかが空いたので、山菜うどんを食べました。
(やっぱり山だから山菜よね)とまで考えたのは良かったですが、彩はさらに考えて、冷やし山菜うどんにしていました。
わーん。私は湯気が立ったうどんを、冷まし冷ましいただきました。



彩が、一枚のポスターをじーっと見ています。
「弥彦山はスカイツリーと同じ高さなんですって。だからここに登ってスカイツリー気分になろうって書いてる・・・」
おぉ~、意外な共通点。でも一緒なのは高さだけ!景色は全然違う~(笑)!



○ 弥彦山クライミングカー

パノラマタワーは、上までぐるぐる上って、そのまま降りてくるものだそう。



クライミングカーで登った頂上に、弥彦神社の奥宮があるとか。
奥社好きの私としてはかなり気になるので、クライミングカーをチョイス!





かなりの傾斜を上っていくと、そこには 弥彦山頂公園が広がっていました。
日本海が見えます。ずっと山の景色を眺めていましたが、とうとう海沿いにやってきました。
快晴の日には、佐渡ヶ島も見えるそうですが、あいにくこの日は少しガスがかかっていました。
海の反対側には、越後平野がずっと広がっており、雄大な気持ちになれます。
ここから見る夕日は、さぞきれいなことでしょう。



NHKや新大宇宙線観測所がありました。
新大宇宙線・・・なんだかあやしげな響き。
隣の山にあるのは気象台で、奥宮までは、歩いて700m。
ぬかるんだきつい石段をひたすら上って、奥宮へと向かいます。
あ、あづい~。



道すがら、アジサイの花が咲いていることに驚きました。
だって、もう真夏!
「こっちではまだ咲いてたりするよ」と彩。
涼しいんですね。

○ 弥彦神社の奥宮登山

ヒーヒー言いながら、がんばってたどり着いた奥宮には、何人もの参拝客がいました。
神職の方もおり、御朱印をいただきました。
「ここは御祭神と妃神の御廟なんです」と教えてもらいます。
神様のお墓。日本神話では、神様も不死ではないんですねえ。



暑さの中で頂上登山をしたため、全身がヒートアップ。
さきほどうどんを食べたところで、ソフトクリームを注文して、クールダウンしました。

2-2へ続きます。

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