風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

天空の郷、吊り橋三昧(玉置山・本宮)1-2

2013-02-09 | 近畿(奈良・和歌山)
1-1からの続きです。

○ 雷の滝
○ 玉置神社への山道
○ [世界遺産] 玉置神社
○ 道の駅「奥熊野古道 ほんぐう」
○ 八大竜王社
○ 十津川村
○ 道の駅ほんぐう

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○ 雷の滝

国道169号線沿いの小森ダム付近に、落差20mの直瀑がありました。
「雷(いかづち)の滝」という案内板が立っています。絵になる滝、そして名前ですね。



それから、対向車が来たら通れないほど狭く長い田戸隧道を通って、今来た道を戻っていきます。





途中、R169が通行止めになっている箇所を見つけて、pinoのテンションが上がりました。そういえばあなたは廃道好き…。



ところどころで、山肌から滝が流れているのを見かけます。まさに自然の美。





ただ、それを詠じる余裕をもたせない、道の過酷さ。
助手席にいても、息詰まるような道のりです。

○ 玉置神社への山道

途中でR169をそれて、またもや山を登って行きました。
目指すは熊野三山の奥の宮、玉置神社です。
玉置山の標高1000m付近にある、山の奥深いお宮。

玉置川沿いに、どんどん上っていきます。
玉置神社はたまきじんじゃ、ですが、玉置川はたまいがわ、と読みます。
間違えそう。

玉置口から細い山道になり、なおも上って行きます。
ここに至るまでもかなり過酷でしたが、とにかくリミット超えしてしまったようで、なにかと記憶が飛んでいます。
写真もあまり残していませんし。
くねくねとした細い道を上っているところで、いきなり目の前のカーブに、急ハンドルを切りながら軽自動車が飛び出て来ました。
私たちの車を認めてかろうじてブレーキをきかせましたが、センターラインを大幅に超えており、突然の登場に、肝を冷やします。
運転しているのはおじいさん。助手席はおばあさん。こわい~~。
当のおじいさんは、ことの危険さがあまりわかっていない様子でしたが、運転手のpinoは完全にフリーズしていました。

駐車場が見つからず、神社の位置も分からなくなって、迷走し始めますが、迷っているうちに小さな看板を見つけました。
あまり大きな表示がないようです。
さらにぐぐっと標高が高くなったところには、こんな道が待っていました。



雪道ー!アイスバーンだったらどうしよう!
今までさんざん緊張してきましたが、ここに最高のピンチが待っていました。
(無理ならここで諦めるしかないかな)と思いましたが、行けそうだったので、そろそろと車を進めます。
雪装備を一切していない、軽自動車で!
向こう見ずにもほどがありますぜ!



pinoが雪道に慣れている人で、助かりました。
といっても、「こんな運転、したことない!」と悲鳴を上げていましたが。
この坂道をしのぎ切ったところに、駐車場はありました。
見渡す限り遠くまで連なっていく山々を見渡して、ほっと一息。晴れている日でよかったです。



「あれ、あそこに・・・」とpinoが指す方を見てみると、そこには鹿がいました。
北海道のようです。本格的な山の上まで来たんだと、動物からも実感できます。



○ [世界遺産] 玉置神社



広々とした駐車場に車を止めて、大鳥居をくぐります。
参道というより、林道のような道をしばらく歩いていきます。
あれ、すぐにお社があるわけではないのかしら?



途中で、道は二手に分かれます。左は身体の悪い方と書いてあり、見るからに左の方が楽そうな道ですが、誘惑に打ち克って、右の参道を通ることに。
どんどん下に下っていくので、「つまりは降りた分、また上がるっていうことよね?」と不安になります。



澄んだ高山の空気に満ち満ちており、次第に神聖な場所へといざなわれていく感じ。
なんというか、自然の揺らぎない力を感じます。木々も神も静かにしっかりと息づいている、まさにパワースポット。



参道の途中に、天然記念物の「枕状溶岩」がありました。
深い海の底から噴き出した玄武岩質マグマが固まったものが隆起して、今の玉置山が創られたそうです。
そもそもの山の成りたちからして、深遠広大です。



15分ほど歩き、すっかり辺りの神秘的な空気になじんだ頃、本殿が目の前に現れました。
日本最古の神社。荘厳な雰囲気に、声も出ません。
満ち足りた、揺るがぬ空気を感じます。
静謐な心になっておかないと、鳥居をくぐり、参拝することができないほどのオーラに満ちています。



ここも熊野三社と同じく、神武天皇ゆかりの神社。
東征のとき、この地で兵を休め、「十種神宝」の玉を置いて、武運を祈願されたことが、「玉置」の名前の由来となっているそうです。
これほどの山に登ったなんて、やっぱり神武天皇はタダモノではありませんね。



本殿後ろには、天然記念物の巨大な杉の木が何本もありました。
神代杉・常立杉・磐余杉・大杉など、樹齢3000年の御神木ばかり。
3000年って・・・途方もない長さですね。中国四千年の歴史に迫る勢いです。
神木ですが、おさわりOKの杉もありました。



心身ともに澄みきった、おごそかな気持ちになれました。
なんというか、身体じゅうがビリビリくる感じ。
宗教的意味というよりも、自然の深い霊気が織りなす聖域だと、肌で感じました。
うまく言葉になりませんが、すばらしい体験ができました。



龍の手水舎には水が張られておらず、柄杓には「奉 吹石一恵」と書かれていました。
かの女優さんもここを参拝したようです。
そういえば彼女は奈良県出身でした。

不思議体験で、皮膚感覚がわからなくなっていましたが、温度計は氷点下を指していました。



社務所そばの水道とその後ろの池は、ほとんど氷っていました。



暖かいお茶をいただいてから、帰ろうとしたら、荷物を抱えて社務所に向かう郵便局の人とすれ違いました。
こんな山奥までスリップの危険を冒して!すごいわー!
十津川村は、日本一郵便局員の数が多い場所でもあるそうです。みんな運転のプロなんでしょうね。



○ 道の駅「奥熊野古道 ほんぐう」

自然による清冽な浄化体験を経て、どこかぽーっとしながら駐車場へと戻る私たち。
鳥居を抜けたところで、はっと感覚を取り戻したのか「おなかがすいた」と言いだすpino。
そうは言っても、食べる場所はありません。
またそろそろと雪道を通り抜け、くねくねと下へ降りて行きます。



途中に「野菊街道」という表示がありました。
まあ、可憐だわ。民さんは、野菊のような人だ。僕は野菊が…
呟く私に返事をするどころではなく、pinoは激しい道の運転に集中しています。

○ 八大竜王社

林道を下っていく途中、折立橋のところで美しい滝を目にしました。



祠もあります。滝の名前はわかりませんでしたが、祠は八大竜王姫松明神でした。
洞穴の奥にあるような、神秘的な滝です。もちろん滝があるからこそ、竜王姫が祀られているのでしょう。
玉置神社帰りで、かなり感覚が麻痺していますが、ここでもぐいぐいと引き寄せられるようなパワーを感じました。

○ 十津川村

車は十津川村に入ります。でも今夜の宿はここではないため、素通り。
吊り橋がいくつもあって、テンションが上がります。
いよいよやってきました、吊り橋天国に!











キャッキャッと橋の写真を撮りまくる私を「明日通るから・・・」とクールになだめる、空腹でテンションが低くなっているpino。
明日通るわー!!

でも、はしゃいでばかりはいられません。
ここ十津川は、本当に細道でカーブが延々と続く、ドライバー泣かせの場所。
カーブミラーを良く見ていないと、うっかり事故につながりそう。
路肩が崩れそうになっている場所もあり、気が引き締まります。

○ 道の駅ほんぐう

道の駅に着き、ここでようやく遅い昼食タイム。うどん・めはり寿司セットにしました。



めはり寿司は、正直あんまりおいしくないと聞いていましたが、食べてみるとちゃんとおいしかったです。
ヘルシーですしね。それぞれ、違う高菜が入っていました。

1-3に続きます。


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2 Comments

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十種神宝 (iina)
2013-05-26 09:14:50
十種神宝は、呪術に使う不思議な十の宝です。

タマげた。

十種神宝!! (リカ)
2013-06-19 18:02:48
iinaさん、教えて下さってどうもありがとうございます。
調べてみても、よくわからないままで、十種神宝が「くさのかんたから」と読むということさえ、知りませんでした。
リンク、とてもためになります!じっくり読ませていただきます。

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