風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

初夏の九州・南に北に1-1(宮崎)

2019-09-10 | 九州

● prologue

瀬戸内旅行から2週間後、再び旅に出ることにしました。
ふたたびJALから「マイルの期限が近づいています」というメッセージが届いたのです。

現在の手持ちは6007マイル。
「どこかにマイル」は6000マイル必要なので、ぎりぎりもう一度トライできます。
もうこれはやるしかないでしょう!と、再挑戦することにしました。

今回の候補地は、三沢(青森)、長崎、宮崎、那覇。
私にとっては、どこでもいいなあと思います。
前回は、4つの都市のうち一番距離が近い岡山に決まったので、今回もきっと、最短の三沢になるんだろうと思っていました。

フライト時期は、7月末まで選べますが、申し込める最短の週末を選びました。
すると、フライト先の決定に通常3日かかるところが、翌日結果通知が届きました。

● 行き先決定

行き先は、宮崎でした。
(あれ、三沢じゃないの?)と思いましたが、それは私が勝手に予想していただけで、最短都市になると決まっているわけではありません。

宮崎は、前に一度、バスツアーで訪れたきり。
新幹線も通らない、ちょっと行きにくい場所にあります。
一度しか行ったことがない南九州への旅。これはいい機会をもらいました。

出発までそれほど日がないため、さっそく旅のプランを練ります。
宮崎といったら高千穂峡かなと、アクセスを調べましたが、宮崎市内からはかなり遠いとわかりました。
北部の延岡が最寄都市。むしろ熊本市から行く方が近そうです。
そして、宮崎駅から延岡経由で行くのは、けっこう時間がかかることがわかりました。
雨が強いと、高千穂峡のボートも出ず、あの透明な水も見られなくなります。
高千穂循環バスはハイシーズンのみの運行で、今は出ておらず、公共手段で行くのは相当大変なことがわかりました。
前はツアーバスでスイスイ連れて行ってもらったので、まったく大変さがわかりませんでしたが、どうやら車でないと難しそうです。

高千穂は以前訪れたことがあるので、今回は無理に行かないことにしました。
それよりも、日南の方に行ってみましょう。まだ行ったことがない鵜戸神社や飫肥(おび)が、気になります。

● SUNQパス

調べていくうちに、九州内のバスが乗り放題になる「SUNQ(サンキュー)パス」があるとわかりました。
学生時代、ユーレイルユースパスでヨーロッパを巡ったことを思い出します。
また、今回のGWに神奈中フリーパスを使い倒したことも。
じゃあ、これを使ってみましょう。
長距離バスだと、別の県も行くことも可能になります。

さて、気になるのは天気です。
6月の梅雨のハイシーズンなので、滞在中ずっと大雨が降る可能性もあります。
しかも九州は、国内でも台風の規模が巨大な場所。
天気予報は毎日めまぐるしく変わっていきますが、予報をみる限りは雨は大丈夫そうです。ラッキー!

● 当日の空港にて

当日は、6時に出発。
朝から本格的に雨が降っています。関東は一日降り続くそう。
リムジンバスで羽田空港に向かうと、保安検査所には長い列ができていました。

フライト30分前とまだ時間があるので、焦らず列に並びますが、電光板の8時発のところには、帯広行きと青森行きの表示しかないのが気になるところ。
(宮崎行きも飛ぶのよね?)と何度も自分の券を見直します。うん、確かに今日だわ。

列はなかなか進まず、そのうちに「7時50分発のフライトの方はこちらの優先コースに」という声がかかります。
それでもまだ中に入れません。こんなに動かないなんて。
とうとう「8時発のフライトの方は優先コースに」と声がかかりました。

(30分前から並んでもこうなっちゃうの?)と驚きながら、優先ラインに移動します。
グランドスタッフさんにチケットを渡すと「宮崎便は連絡バスになったので、ご案内します」と早口に言われて、ついて行きました。
電光板に表示されていないわけを聞くと、連絡バスになったので、搭乗時間が早まったんだとか。
質問と答えが合っていない気がしますが、お互い小走りしながらの会話なので、まあ仕方がありません。

● 空港内を走る

歩いていると「宮崎行きの方、あと11名お待ちしております」と放送がかかります。
とほほ、私はこの中に入ってしまったのかしら。
ゲートの前までつれてきてもらい、そこを抜けると連絡バスが待っていした。
中には、20人近くの人が乗っていました。
あれ、数が合わないわ。11人って何の数だったの?
さらに2、3人がやってくるのを待ち、バスは出発。
この旅客ターミナルと航空機の間を行き来するバスは、ランプバスというそうですね。初めて知りました。

● 積み荷問題

雨に濡れながらタラップを上がり、飛行機の中に入ります。
まだ8時前なので、予定通りのフライト時間になりそうでしたが、全員が着席してからも、飛行機が離陸する様子はありません。
「荷物を積むのに手間取っている」と放送がかかり、結局予定時間よりも35分遅れての出発となりまました。

前に航空貨物会社の人の本を読んだことがあります。
航空機のバランスを調整するため、積み荷の計算をする仕事で、力士のような重量のある人たちが団体で乗り込んだりすると、計算し直しになるんだとか。
力士っぽい人たちは見なかったけどなあ。

今回は、直前のフライト予約になったので、三列シートの真ん中の席しか空いていませんでしたが、両側は細身の人たちだったので問題なし。
息苦しさは感じませんでした。

● 宮崎ブーゲンビリア空港

遠いイメージの九州ですが、1時間半乗っていると着くんですね。
東京は朝からジメジメとした雨が降っていましたが、宮崎に着いたら、明るい空になっていました。
わあ、きれいに晴れ上がってる。



こちらも雨が降っていたようですが、もう道路はすっかり乾いています。
宮崎ブーゲンビリア空港。スゴイ名前ですが、ちゃんとブーゲンビリアが咲いています。



インディアン、嘘つかなーい。ブーゲンビリアも、嘘つかなーい。
一気に南国にきたなあという感じ。

空港スタッフもみんな南国仕様のアロハな制服。
トイレの男女の絵は、ハワイアンでいい感じです。


成田や羽田のトイレ表示も、舞妓さんと侍みたいな絵にすれば、外国人にウケるんじゃないかしら。

● サンキューパス

ここでサンキューパスをゲット。
これがあれば、これからの3日間、九州全土の公共交通機関がほぼ乗りこなせることになります。
強力な旅の助っ人がつきました。


さっそく青島に向かいたいところですが、フライト到着が遅れたため、乗りたい便はもう行ってしまっていました。
時刻表を見ると、次の便は1時間半後。けっこうありますね。
その間じっと空港で待つのも退屈だし、町を走る青島行きバスに乗ると、予定より1時間遅れで行けます。
少しは時間を挽回できるので、いったん繁華街に出て青島行きのバスに乗りました。
パスがあると、こういった変更が気軽にできるのがいいところ。

● 2つのスタジアム

バスの前からも後ろからも、外国語が聞こえてきます。
外国人乗客がずいぶん多いようです。

アナウンスも、日本語に続き英・韓・中と4カ国語流れて、インターナショナル。
韓国や中国に近い九州は、アジアからの観光客が多いんですよね。

川向こうに球場が見えてきました。
サンマリンスタジアムです。



その近くにある、白い木の花ドーム。
カブトムシの幼虫チョコレートを思い出します。(なぜかチョコの方)



どちらも名前の始めに「KIRISHIMA」とつくのが正式名称。
霧島酒造がネーミングライツを持っているからだそうです。

● 日本のチンタオ

バスに乗ると、外国人が多いことに気づきます。
前も後ろも外国人。
アナウンスも、日本語に続いて英韓中と4カ国語流れてインターナショナル。
九州は韓国や中国に近いので、アジアからの観光客が多いんですよね。

青島に近づいたとき、中国語で「チンタオ~!」とアナウンスされました。
チンタオビール、中華街でよく見かけます。

● ボタニックガーデン

バス通りから青島まで続く商店街参道に気づかず、隣のボタニックガーデンの中に入っていきました。
南国の花々が咲いてきれい。

 
美しいアガパンサスの群生


マンホールは、宮崎市の花「ハナショウブ」のデザイン。
ここはブーゲンビリアじゃないんですね。

 

● 幸せの黄色いポスト

島に渡るところには、幸せの黄色いポストがありました。
ここ青島は、山幸彦と豊玉姫が恋文を交わした、ラブレターの始まりの地とされているんだそう。
黄色くても、郵便屋さんがちゃんと集配に来るそうです。



若山牧水の歌碑もありました。


「檳瑯樹(びろうじゅ)の古樹(ふるき)を想へ
その葉陰 海見て石に似る男をも」

熱帯樹林と鬼の洗濯岩を歌っているのかなあと思いましたが、なかなかどうして、熱烈な愛の歌でした。

 

かつての青島は神域とされ、神官など限られた人しか渡ることは許されていませんでした。
人々は、陸側から島に向かって祈りをささげたそうです。


● 鬼の洗濯岩

雨が上がったばかりだからか、風が強くて、足元からあおられます。
帽子は飛ばされる前に、バッグにしまい込みます。
ごうごうと高い波が、しぶきを上げて岸に打ち付けられます。


鬼の洗濯岩は、相変わらず広々として、端まで行くのも大変。
洗いがいがありそうです。


こういった岩がずっと並んでいるのが、鬼の洗濯岩。
長い年月をかけて海底が隆起し、砂岩と泥岩が積み重なってできた砂岩泥岩互層です。


正式名称は「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」。
天然記念物として登録されている、よそでは見ない独特の波状岩地質になっています。

 ● 青島神社

以前にも訪れたことがある青島。
島全体が聖域となっている緑深い南国の神社の印象は強く、いつか再訪したいと思っていました。


青島に渡り、ジャングルのような鬱蒼とした神社の境内に入りました。
現実感が薄れる、独特の雰囲気に包まれた場所です。


深い緑に囲まれた中に、ひっそりと神社が鎮座しています。
ここには「海幸彦山幸彦」伝説の彦火火出見命(山幸彦の方)とその妃神の豊玉姫命が祀られています。


黄色いパチンコ台のようなものを見つけました。
ピンボールかなと思ったら、これはれっきとしたおみくじ。
御魂神事です。どうやるのかしら?
自分と共鳴した運魂を投げて、運魂を占うそうですが・・・はてさて??


前に訪れた時に拝受されたしあわせお守りが、今もちゃんとありました。


青島にいる間に正午の12時になり、町の放送が流れました。
ただ、そのメロディが「エーデルワイス」だったことに、なんだか違和感を感じます。
だってここ、まったく、かけらもスイスっぽくないんですもの。

南国っぽく「レロンレロンシンタ」とかを流してほしいわ~。
♪ パパイヤの木が 風に揺れて おいでおいで~ ♪
そうそう、そんな感じ。


● 荷台付きバス

ふたたびバスに乗ると、今度のバスは空いていました。
青島で、入れ替わりに大勢の観光客が降りていったためでしょうか。
バスの中では、大きな荷物置き場が幅を利かせています。
渋滞ラッシュが起こる都心のバスでは考えられない、大胆なスペースの使い方。
おそらく、大きなトランクを持った観光客が多いからでしょう。



バスは海岸線沿いに走ります。
多少雲が厚めですが、時折青空が顔をのぞかせます。


● 堀切峠

バスは坂をどんどん上っていき、見晴らしがよい場所までやってきました。
日南海岸の絶景が一望できる、堀切峠です。

宮崎県の木は、このフェニックス。

 

青島だけでなく、ところどころに鬼の洗濯岩っぽい場所が見えます。
ところで鬼は、洗った服をどこに乾かすんでしょう?
ワイルドに、そのまま着ちゃうのかな?


こちらのアジサイは色鮮やかできれいなですね。
梅雨の季節の旅行は、雨が降らないかと心配ですが、6月にはあちこちで大輪のアジサイが歓迎してくれるのがうれしいところです。


その2に続きます。

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4 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2019-09-11 09:35:08
今度は宮崎ですか!?
いいですね。
高千穂峡は車でしか行けないのですか?
確かに遠いですよね。
ボートに乗って下から見上げる滝はよかったです。
青島も美しいですね。
再訪できたんですね。
あそこまで2度行けたなんて凄いですよ。
まだお若いのにこれからの人生楽しみですね。
応援P
アネッティさん (リカ)
2019-09-11 19:27:54
はい、マイル期限に押されて、今度は九州に行ってきました。
高千穂は、交通の便が良くないため、車で行くのがベストのようですね~。次に機会があったら、今度はなんとか車で行きたいものです!

人生、いつ何が起きるかわかりませんからね。でも青島に2回行けたのは、とてもうれしいことでした☺💛
幸せの黄色いポスト (ユーミチカ)
2019-09-16 13:46:52
「山幸彦と豊玉姫」のお話をネットで見てみたら、約束を破って山幸彦が豊玉姫の出産の様子を見てしまったせいで、離れ離れになってしまったため、お互いへの思いを募らせ恋文を交わしたんですね。そんな特別な場所にただずむ黄色いポストは、いろいろな人の思いを優しく受け止めてくれそう。私の地元近くの橿原神宮前にも、宮崎市と姉妹都市ということで黄色いポストがあるみたいです(*^_^*)。
Unknown (リカ)
2019-09-19 08:50:11
ユーミチカちゃん、「うみさちやまさち」の話は絵本で知っていたけれど、山幸と奥さんの間にそんなエピソードがあったとは知りませんでした❣ 夫の立ち合い出産も多い現在を知ったら、2人ともびっくりするでしょうね。

橿原神宮の黄色いポスト、今度訪れたら、探してみまーす😉

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