風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

平原の国ポーランドへ 2-(2) ウッチ

2018-10-11 | travel

その1からの続きです。  

● ひとりで散歩
夜の待ち合わせまで時間があるので、一人で出かけることにします。
ホテルのレセプションに、近隣のおススメの場所を聞いてみましたが、特にはなさそう。
そこで地図を片手に、4キロくらい先のピォトルコフスカ通りまで行ってみることにしました。




お馬さんの像がある、堂々とした門構え。
いったいどんな所か気になって、後日、ウッチに詳しいダミアンに聞いてみました。
ウッチで一番古い、家畜病院だそうです。
昔は馬がメインの患者さんだったんでしょうね。

普通の住宅街を歩いていくと、町の中には共産党風の過去の名残がまだまだ残っています。
武骨で味けのない灰色の建物ですが、それはそれでえもいわれぬ雰囲気があります。
過ぎ去った歴史がまだ残っているような感じ。

● ピォトルコフスカ通り

通りの建物を眺めながらてくてく歩いていき、ピォトルコフスカ通りに着きました。
全長2㎞の直線の道。実際に通りに立ってみると、まっすぐの道が前に後ろにずっと続いています。



エジンバラのロイヤル・マイルを思い出しましたが、あちらの長さは1マイル(約1.6km)。
こちらに軍配が上がりますね。
そういえば「ここはヨーロッパ一長い」とダニエルとマルヴィナに教えてもらいました。

時々車も通るので、歩行者天国ではありません。
よそ見をしながら通りの真ん中をぷらぷら歩いていると、あっさり轢かれてしまいます。
こちらの人は、なんか運転荒いから!



お土産屋さんがありました。民族衣装が飾られています。
かわいい陶器も。
ポーランドの南西部にボレスワヴィエツという陶器の町があります。
ちょっと行きづらい場所ですが、ポーリッシュポタリーってすてきだわ~。 心惹かれます。

● アール・ヌーヴォーと共産主義風

通りの両側に立ち並ぶアール・ヌーヴォー様式の美しい建物を眺めながら、歩いていきます。



ケーキのようにきれいなビル。



でも、時折共産主義風の建物も混ざっています。



一瞬窓かと思いましたが、ウォールペインティングでした。
ストーリーがあるようで、すてきですね。




● 通りの銅像

通りのあちこちに銅像があり、昨日映像博物館で見た、片耳折れた熊がいました。
「おやすみ、クマちゃん」ですね。 子どもが大興奮していました!



街灯をつける人の銅像がありました。
外国の人って、一緒にポーズをとるのが上手ですよね~。




● ピアニストの像

ピアノを弾く人の像がありました。 蓋が翼の形をしていて、すてき。



あ、ショパンね!と思って近寄ります。
反対側には、大きなト音記号のベンチがありました。



ショパンではありませんでした。
銅像の肩越しに楽譜を見たら、ショパンを弾くアルトゥール・ルビンシュタインだと刻まれていました。



彼はウッチ出身のポーランド人だそう。知らなかった!
楽譜は、ショパンの《ピアノ協奏曲第2番ヘ短調, Op.21》でした。

● 自由広場

てくてく歩いていき、たどり着いたのが突き当りの自由広場。
ここで通りは終わっています。
高いところに立っているのは、ポーランド独立運動の父、コシチューシュコの像。



円形広場をぐるりと取り囲む建物は、みんな共産風のビルジング~。
ハードボイルドな感じが、なんか緊張するんですよね。
住んでいる人いるの?みたいな廃墟感。
カーテンの陰から、ゴルゴ13が狙っているような緊張感があります。



ママさんたちが会話をしながら、めいめい巨大なバギーを引いて、一列に並んできました。
「ゴルゴなんて敵じゃないわ!」と言いだしそうな迫力でした。

● フィアットのパレード

ポーランドに来てから、まだ教会に入っていないことに気がつきました。
ダニエルとマルヴィナは「ポーランド人はとても信心深くて、みんな日曜日にはミサに行く」と言っていましたが、彼らがミサに行った気配はありません。
ほんとなのー?



近くの教会を出たところで、突然クラクションがピォトルコフスカ通りに鳴り響きました。
同じ形の車がたくさんやってきます。周りのみんなはあっけに取られて見守りました。



車はポルスキ・フィアット・126。
ポーランドは、フィアット126を27年間製造しており、最終製造日が2000年9月22日でした。
それを記念して、毎年その日にファンたちが愛車と共にこの通りに集まり、パレードをしているそうです。
「ポルスキ・フィアット126 生産終了18周年パレード」
えっ、今日って…9月22日だー!
スモールフィアットたちは、勝手知ったる様子で、みるみるうちに整列し始めました。




「バン!バン!!」という、バクチクの音がはじけるようなすごい音が、あちこちからひっきりなしに聞こえてきます。
毎年、200台以上のポルスキ・フィアットが集まるそう。
すごい時に遭遇できて、ラッキーです。



(パンパンと大きな音がするので、お気を付け下さい)

● 鏡の屋敷

どんどん増えてくるフィアットの大群を見ながら、違う道から帰ろうかなと左にそれてみました。
すると、不思議な割れた鏡張りの屋敷を見つけました。



 



 



おもしろくてきれい。鏡に映っているはずなのに、一つ一つが細かすぎて、自分の姿が映し出されません。

● ファンシー・フィアット

結局また大通りに戻り、じゃんじゃん続く様々なフィアットを再び眺めました。



こんなファンシーな車も!うわ、ぬいぐるみだらけー!
高速を走ったら、みんな振り落とされちゃいそう~!



どんな夢見る乙女が載っているのかと思ったら、運転していたのは満面の笑みを浮かべた男性2人でした。
・・・大丈夫です!

● 迫力の帰り道

そろそろ、ホテルに戻ることにします。
これは通り沿いの建物。きれいにバラが咲いていました。



繁華街エリアを抜けて普通の道に戻ると、やっぱりドキドキするような古いおっかない(おっと)建物がいまだに残っています。
いかめしい威容感あふれる大きなビルがあったり。



はたまた、建っているのが不思議のような、オンボロの建物があったり。
ユトリロの絵に描かれているようなアパートがありました。




● コペルニカ通り

ホテルは、コペルニカ通りにあります。 コペルニクスからとった名前です。



毎度のことですが、正しい道を歩いているつもりがいつの間にか迷ってしまいました。
バスの切符売り場のようなところに駆け込んだら、そこは病院併設のバス停で、誰も英語がわからない様子。
中にいたのはおじいさんたちたけでしたが、老眼鏡を片手にわらわらと外に出てきて、なにやらかにやら教えてくれました。
ひたすら「コペルニカ!」のワンワードで、なんとか道をジェスチャーで教えてもらえました。
よかった~。ありがとう、おじさんたち、そしてコペルニクス。

夜の待ち合わせ時間ぎりぎりにホテルに到着。
ずっと部屋で昼寝をしていたかのような何食わぬ顔をして、ダニエル達の車に乗り込みました。
その3に続きます。





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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2018-10-23 15:40:20
無電信柱の町並みは美しいですね。
日本では全く進んでいません。
莫大な費用がかかるんですって。

ルビンシュタイン、懐かしい響きだなぁと
思い出すと姉が小さい頃に買ってもらった
ピアノの名前でした。
ポーランド出身のピアニストだったんですね。
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アネッティさんへ (リカ)
2018-10-24 19:42:25
そうなんです。電線がないだけで、こんなにも町は美しくなるものかと思います。
日本ももっと普及してもらいたいものですが、ポーランドでも、全ての電線が埋まっているわけではないようです~。

ルビンシュタインというピアノだったんですか?それなら、さぞ上手に弾けたことでしょうね~☺
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