風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

寅さん・荷風ゆかりの地-1

2014-09-21 | 東京

○ とげぬき地蔵と帝釈天

最近、都内の散策をしていないねという話から、ユウとウォーキングをすることにしました。
お互い行ったことがない場所にしようと、柴又の帝釈天を目指します。
寅さんで有名ですが、なじみのない場所。
どういうわけか、私の頭の中では、巣鴨のとげぬき地蔵とごっちゃになっています。
ようやく、区別をつけるチャンスがやってきました。

○ 金町あたり

朝、秋葉原で待ち合わせ、電車を乗り継いで金町駅に降りました。
ここまで来ると、もう全く知らない界隈。
古い住宅街を抜けて、江戸川沿いの葛西神社まで行きました。
立派な土地の鎮守社。境内にいると、帽子をかぶった歩け歩けクラブのご老人たちグループが大勢やってきました。



柴又まではもうすぐそこ。
ウォーキング日ですから、歩いて行くのかなと思いましたが、ユウのリクエストで、京成線に乗ることにしました。
京成金町駅からたった一駅ですが、この京成金町線に乗ってみたかったんだそうです。
テツですね~。

○ 寅さんとハリー

念願かなったユウは、ウキウキ喜んでいましたが、一駅なのであっという間に到着しました。
駅前にはおなじみの寅さんの銅像が立っていて、いなせなポーズで出迎えてくれました。



あまりにはまり役だったので、この像は寅さんなのか渥美清なのか、分かりませんね。
寅さん(渥美清)とハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)の立ち位置ってそっくりだなあと思います。

ダニエル・ラドクリフは、ファンの子供にせがまれてサインをしたら、「ハリーって書いてないー」と泣かれて、悩んだとか。
渥美清は・・・大人のファンが多そうなので、「寅さんじゃないー」って泣かれることは、なさそうですね。
あ、違いがありました。

人の流れができているので、行先を確かめる必要はありません。
にぎやかな参道を通って、帝釈天へと向かいました。



巣鴨の商店街、人よんで"おばあちゃんの原宿"も、にぎわっているわ。
まだとげぬき観音とイメージが重なっていますが、帝釈天の門の先にはずっと広い境内が広がっており、私たちが門をくぐった時に、ちょうど鐘が鳴りました。
ゴ~ン。



お坊さんが、鐘楼に上って鐘をついていました。
町に鳴り響く鐘の音に、癒されます。

○ 帝釈天は板でした

柴又帝釈天の正式名称は、経栄山題経寺というそうです。
まったくピンときません。帝釈天寺じゃないなんて。
柴又帝釈天というのは、あくまで通り名。
寅さんの毎度の口上で広まったんでしょうね。

実は、ここのご本尊は、帝釈天ではなく、曼荼羅なのだとか。
さらに、このお寺の帝釈天は、仏像ではなく板本尊なのだとか。
帝釈天としてとにかく有名なのに、像はないんですね。
予想外です!



母はこのお寺がお気に入り。「木彫りが素晴らしい」と絶賛しています。
確かに、本堂も手水舎も、木の彫刻が迫力に満ちていて、ドラマチックでした。

境内には、寅さんおみくじもありました。
「なんとかなるさ、ケセラセラ~」なお告げが出そうです。

○ 参道の草団子

無事に参拝を済ませ、お茶をすることにしました。
参道には古くからのお店が並んでいます。



「彫木」の看板を左右から持つサルの像が精密で、今にも動きそうでした。

参道には何軒かお茶屋があります。どこにしようかと考えて、よく親が草団子を買ってきてくれる高木屋に入りました。



見事な熊手が飾られていました。商売繁盛、家内安全。



三色団子とくず餅。
店内には、寅さん撮影クルーの写真がびっしりと飾られていました。
みんな、ここの団子で休憩したのでしょう。



○ 古墳の上の神社

仲見世通りとまではいかないながらも、門前仲町並みに混んでいる柴又帝釈天参道を抜けて、再びウォーキング。
次は、近くの八幡神社へと向かいます。
ここは、古代の古墳(石室)の上に建てられた神社だそう。
古墳好きには見過ごせない場所でしょうけれど、帝釈天界隈のにぎやかさとはうってかわって、閑散としていました。



○ サイレント矢切の渡し

それから、川の方へと向かいます。
目指すは矢切の渡し。渡し場はすぐにわかるものかしら?
看板があったので、迷いませんでした。
広い土手のグラウンドの間の道を通って、川べりまで行くと、ちょうど船が着いたところだたので、そのまま乗り込みました。

寅さん同様、矢切の渡しも耳になじんだ言葉。
船頭さんが漕いでくれます。



う~ん、川風が気持ちいい~。



小舟なので、川面がすぐそばにあります。
ちょっとドキドキします。



向こう岸からやってきた渡しとすれ違いました。



向こう岸の船着き場が見えてきました。



てっきり、船頭さんが「連れて~逃げてよ~♪」とごじまんの歌声を披露してくれるか、その歌が放送で延々と流れているものだと思いましたが、歌は一切流れていません。
渡し船の解説さえありません。
船頭さんは、黙々と漕いでいくだけです。

シーンと静かなまま、水面を滑って行く、矢切の渡し。
(あれー、歌わないの?じゃあ代わりに私が歌っちゃうよー!)と言いたくなりました。
でも、ユウをはじめ、ほかの乗客たちに「や~め!そ~れっ!」と川に放り出されそうなので、やめておきました。

乗客はみんな静か。
私は川を眺めて物思いにふけっているふりをして、実は脳内では「矢切の渡し」をフル回転させていました。
ほかの乗客も、実はみんなそうしていたんじゃないかしら!?

その2に続きます。


最新の画像もっと見る

post a comment