風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

海の向こうの海岸へ(房総)1-1

2017-02-27 | 千葉
● prologue

時は夏。南房総にある職場の保養所に、同僚のベスと一泊旅行に出かけました。
保養所は海ぞいの民宿で、職場は夏の2か月間しかそこを借り上げていません。
毎年、職員の間で静かな争奪戦が行われているようですが、ダメもとで初参戦した私たちは、偶然予約を入れることができました。
やったあ。ビギナーズラックかしら。

● フェリー推し

東京から房総半島に行くルートは、何通りかあります。
 1. 電車でぐるりと陸伝い
 2. バスで川崎-木更津経由
 3. フェリーで久里浜-金谷経由

このうち、私は3番を強く推しました。
フェリーで海を渡って行くのが、一番旅っぽいなあと思ったからです。
それに神奈川県民にとって、房総といったらやっぱり東京湾フェリーで行く場所なんですよね~。
ただ、フェリーの出る久里浜港まで行くには、電車とバスを乗り継がなくてはならないのがちょっと面倒なところです。

● 京急で久里浜へ

当日朝、横浜駅の京急改札前で待ち合わせにしました。
彼女の姿はなく、連絡すると北改札にいると判明。
私がいるのは中央改札。
なぜ北に出ちゃったの?と思ってはいけません。本人にも分からないでしょう。
春に上京したばかりの彼女は、横浜に来るのもまだ2回目だそう。
それじゃあ迷っちゃいますよね。私がもっと細かく考えるべきでした。

乗りたい電車に間に合うように、それぞれ周遊きっぷを買って、ホームに上がることにします。
無事彼女とホームで落ち合うことができました。

ボックスシートに座るとドアが閉まり、「ファソラシドレミファソー♪」と音階を奏でて、電車は動きだしました。
「??」と窓の外を不思議そうに見るベスに説明します。
ドイツのシーメンス社の遊び心だということと、
もう製造が終わってしまい、いずれなくなってしまうものだということ。

「羽田空港行き以外の京浜急行に乗るのは初めて」というベス。
(京浜急行は、私を海に連れて行ってくれる電車)と思っている私。
捉え方が違って、はじめてづくしの彼女のコメントが新鮮です。

電車が横浜を過ぎ、横須賀に入ると、目に見えて緑が増えてきました。
京急久里浜駅で降り、バスに乗り換えます。
10分ほど揺られて、久里浜港のフェリー発着場に着きました。
ここで今度はフェリーに乗りかえます。
電車・バス・船と、交通手段を手を替え品を替え。

● 東京湾フェリー



スリムなのにおいしいもの好きの彼女は、さっそくお土産売り場の横須賀海軍カレーをチェック。
フェリー内は、以前乗った時よりも乗客数が多く、家族連れが大勢いました。
夏休みですからね~。
時間になり、合図が鳴って、出港。いってきま~す。



神奈川側の岸が遠ざかって行きます。



出港直後には子供たちで埋め尽くされた一番前の席も、じきに空いたので、私たちが座りました。



行く先に房総半島が見えている距離。
目の前に少しずつ迫ってくるのこぎり山。
夏らしい、いい天気です。



老いも若きも、結構な数の人たちが、船上でソフトクリームを食べています。
このフェリーのソフトは有名なの?いえ、単に外が暑いから、売れ行きがいいのでしょう。

見ているとこちらも食べたくなってきますが、房総に着いたらランチをとるので、おなかを空かせておこうと、今はガマン、ガマン。
とはいえ、前でも横でもみーんな食べているから、せつないわ~。



ほどなくして、船は対岸の金谷港へと到着しました。



車で来ると、いつも「着いた着いた」とスーッと先に向かうため、港の近辺はよくわからないままです。
でも今回は、この辺りでランチにするつもり。

● なめろうやタコの吸盤

ベスのリクエストで、地元の回転寿司店、船主(ふなおさ)へ。
いけすには活きのいい魚やカニがいました。



メニューを見て「地魚なめろう」ってなんだろう?と考えます。
ゲゲゲの鬼太郎、もーれつア太郎、地魚なめろう。
そう思ってみると、なんだかキャラが立っていそうなお寿司。(気のせいかな)



「生タコの吸盤」がメニューにあって、ビックリ。
タコじゃなくて、吸盤なの?
気になってオーダーしてみました。



吸盤が大きくて、二度ビックリ!
噛んでも噛んでも、なかなか呑み込めず、すっかりあごが疲れてしまいました。



海老の揚げたてから揚げも、採れたての新鮮さが伝わってくるおいしさ。



あおさ汁は惜しみなくたっぷり。



ほかにもいろいろと土地の味を楽しみました。

● 独特な神社

食事を済ませて、蒸し蒸しする暑さの中を、ロープウェー乗り場まで向かいました。
近くには、なが~い行列ができたさすけという食堂があり、外で20人ほどの人が順番待ちをしていました。

日陰で椅子に座っていましたが、それでもイライラしている様子の人は誰もおらず、皆落ち着いて舞っていることにびっくり。
黄金のアジフライが食べられるんだそうです。黄金ってどんな味なんだろう?
気になりますが、もうおなかいっぱいなので、そのまま先に進みました。



途中にあった諏訪神社。狛犬が気になって、近くに寄ってみました。
狛犬というよりも、中国獅子でした。



なんか、スティッチに似てますね…。



さらに進むと、今度は金谷神社がありました。
ここのご神体は「大鏡鉄」と言われる円形の鉄の塊で、県指定有形文化財に考古資料として指定されているそうです。
海中から引き上げられた鉄なのに錆びていないということで、信仰の対象となったのだとか。
太古のロマンを感じます。



金谷と横須賀の緯度は、さして変わりませんが、それでも南国に来た気がします。

● のこぎり山ロープウェイ

のこぎり山ロープウェイの往復チケットを購入。
ロッカーに荷物を預けて、身軽になって飛び乗ります。
冷房が効いておらず、ムッとした空気がこもっていましたが、動き出したら風が入って、心地よくなりました。



4分の行程。切り立った崖の上にどんどん上って行く感じ。



下をのぞいたベスが「あっ!」と声を上げました。



「そう言えば私、高所恐怖症だった!」



(忘れてるくらいなら、大丈夫じゃないかな~)と思いますが、「スカイツリーレベルなら、高過ぎて平気になるけれど、リアルに下がわかるくらいがダメ」なんだとか。
おもむろに腰が引けた彼女を励まして、ロープウェーを降ります。

● 山頂からの絶景パノラマ

山頂駅には猫が数匹いて、愛想を振りまいてくれました。



この手はなんだったかしら・・・?



ゴツゴツの岩肌がすぐ近くに見えます。



少し山を登ったところが、のこぎり山の山頂。
てっぺんまで来たわ~!ロープウェーでだけど。



海が近くに迫る、すばらしいパノラマが眼下に広がります。









ぐるりと見晴らしを堪能してから、山の上にある日本寺に向かいました。
ここはアップダウンが多くて大変だと、いろいろな人に聞いていたので、(真夏に行くのはよした方がいいかな)と思っていましたが、4分ちょっとで山頂に着いてしまったため、(こんな簡単な思いじゃいけない)と逆に気になったのです。

まあ、ここまで来たことだし、行けるところまで行ってみましょう。

その2に続きます。



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