風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

海を渡って内房総 2-2

2018-08-10 | 千葉

その1からの続きです。

● トンビとカラス

ビーチから、海に注ぐ川沿いに上流に向かって歩いていきます。
頭のすぐ上をトンビが翼を広げて飛んでいき、弧を描いて河原に降り立ちました。



地表に降りたトンビって珍しいなと思って見ていると、カラスもやってきて、トンビの近くに降りました。
どうやらトンビとお近づきになりたい様子。
羽をたたみ、さりげなく距離を詰めていきます。



トンビは、カラスが接近しすぎると威嚇しますが、1mくらいの距離なら嫌がりません。
そうして2羽はしばらく一緒に歩いていました。
種族を超えた友情が生まれるかしら。
でも少ししたら、トンビはまた翼を広げてサーッと飛んで行ってしまいました。



川の中には、シロサギがおり、叢にはゴイサギのような鳥がいました。
もしかして、ゴイサギって、ここから近い「五井」の鳥っていう意味かしら?
と思いましたが、漢字は「五位鷺」だったので、違いましたね。



さらに、私たちの目の前を、水色の鳥がサーッとよぎっていきました。
「あれ、今のカワセミ・・・?」
「そうかも・・・」
「カワセミって、きれいな水にしか生息しないっていうけど?」
川の水は、汚いというほどではありませんが、特にきれいでもありません。
カワセミであってほしいなー。
 
● 川のセミ?

じきに、目ざす道の駅の建物が見えてきました。
その手前に観光案内所があったので、ベスが質問します。



「この辺りにカワセミっていますか?」
すると係の人は「え?なんてセミ?」と聞き返しました。

不意打ちを受けて動揺しながら「カワセミです」と繰り返すベス。
「うーん、わからないわ。平日なら市役所の人に聞けるけど、今日は休みなので、ごめんなさいね」と言われて、その場をあとにしました。

「まさか、カワセミをセミと言われるとはね」
「まさか、山のセミ・川のセミとか思われてないよね」
「聞き取れなかったのよね、きっと」

あとで調べてみたら、やはりあの川周辺にカワセミが生息しているようです。
さらにカワセミは、今ではそんなにきれいじゃない水辺にもいるのだそう。
環境に合わせて、タフになってきたのかもしれません。

それにしても、ほぼ同じ場所でトンビとカラスとシロサギとゴイサギとカワセミを見られるなんて、鳥好きにはステキすぎる川。
もはや、自然観察教室状態です。
臨海学校に自然観察教室と、千葉って本当に自然豊かだわ。

● MAX COFFEE

道の駅の向かいにある農産物直売所「わくわく広場」に、マックスコーヒー(MAX COFFEE)が売られていました。
思わず「あっこれ」と声を出すと、ベスに「どうしたの?」と聞かれました。
「これ、すっごく甘くて有名な、千葉で大人気のドリンク」
そういって手に取ると、コカ・コーラ製造と書いてありました。
「あれ、全国販売してるのかな?」
考えている横で、ベスも手を伸ばします。
「見たことないし、せっかくだから飲んでみる」
私も買って、さっそく飲みました。



うわさはかねがね聞いていましたが…めちゃめちゃ甘~い!
数ある缶コーヒーの中でも、1番甘いとみなされているそうです。
もうこれ、コーヒーというよりコーヒー牛乳、いえそれよりも甘い何かです!

千葉民のソウルドリンクとされていますが、実は茨城のドリンクなんだそう。
そして今では全国展開しているそうです。

● 道の駅 とみうら枇杷倶楽部



房総に来たのなら、名産のビワを心ゆくまで食べたいものです。
でも、びわの季節は6月で、収穫はすでに終わっていました。
食べたくても、もう加工品しかありません。残念!

「道の駅 とみうら枇杷倶楽部」で、びわソフトクリームを食べようと思っていましたが、激甘MAX COFFEEを飲んだため、スイーツを食べたい気持ちがなくなりました。



ここでランチにするつもりでしたが、宿でたっぷり食事を食べたので、まだおなかが空いていません。
そこでお土産タイムに。ビワのスイーツやビワの葉エキス、銚子電鉄のぬれ煎餅を買いました。



銚子電鉄は、8月に「うまい棒」ならぬ「まずい棒」を売り出し、2日間で初回入荷分を完売したそう。
まずい棒と聞いたら…確かに気になって食べてみたくなるー!
スイーツ業界への才覚がありますね。

● 横浜行バス

道の駅の前にある、とみうら元気倶楽部の足湯につかりました。
真夏なのでお湯の温度が高く感じますが、さっぱりします。
時間になり、やってきた横浜行のバスに乗りました。



帰りのバスは、京急と共同運航の館山日東バス。
「日東」というと、どうも日東紅茶を思い出します。
そういえばこの週末、紅茶飲んでないなあ。
今回は、乗客は8名。やっぱりのびのびと座れます。

● アクアライン

バスは木更津を通り、海の方に方向転換しました。
千葉からだと、道路のどこからアクアラインになるのかよくわからず、道路の両側が海になったところで気が付きます。
今度はベスもちゃんと起きて、景色を眺めています。



じきに、道の先に海ほたるが見えてきました。
海ほたるに入る車の長い列ができています。



「みんな、海ほたるに何をしに行くの?」と聞かれたので
「休憩とか、食事とか…海の中の景色を見に。
天気がいい日は富士山が見えるし、夕暮れ時はすごくロマンチックだし」と言いました。
「そうか、じゃあ今回も、もう少し遅い夕方便にすればよかったかな」
でも、房総から川崎方面に戻る日曜の夕方は、みんな同じことを考えるのか、アクアラインはいつも大混雑しています。

海ほたるを超えると、アクアラインは海中に入ります。
海底の涼しさを味わって、地表に出ると、羽田空港そばの工業地帯でした。

● ベイブリッジ

京浜工業地帯を抜け、高速道路は続きます。
鶴見つばさ橋を通ったので(もしかして、もしかしたら…)と期待していると、果たしてバスはベイブリッジも通りはじめました。



ベイブリッジを通るとは思わなかったので、テンションが上がります。
海の向こうにみなとみらいが見えます。いい天気。



たまたまでしたが、行きはレインボーブリッジ、帰りはベイブリッジを通るという、ステキなルートでした。

● 横浜駅着

アクアラインで多少混みましたが、その後バスが飛ばしたため、予定時間ピッタリに横浜駅に到着。
離れていたのは一日ぶりなのに、駅コンコースを歩く人の多さを見て圧倒されます。
いつもながらすごい人だわ。
カフェでお茶をして一息ついてから、東横線に乗りました。

● やきとり 鳥郎

居酒屋好きのベスは、吉田類が「酒場放浪記」で訪れたお店をチェックしています。
先月には連れ立って「大倉山もつ肉店」に行きました。
→日記ブログ「大倉山と吉田類」



時間は5時になったばかり。外はまだ明るく暑いです。
今回は、綱島にある「鳥郎」へ。
駅を降り、鶴見川を渡った線路沿いの住宅地の中にありました。
ディープ~!居酒屋マニアのベスがいなければ、足を踏み入れられなかった場所です。

お店の中もディープ~。座敷に通されると、団体様が盛り上がっていました。
30代から60代の男女が集っています。
どんなつながりでしょうか。町内会かな?
みんな、長い付き合いといった感じで、和気あいあいと楽しそう。

壁に貼られたメニューには「かえる唐揚」なんてありました。
かえるちゃーん!!



お店の人おすすめの白レバーをいただきます。
また鳥ではなく豚のナンコツが出てきました。
鳥よりも噛み応えがありました。うーん、なかなか噛み切れない。





開店したての5時だというのに、カウンターもお座敷も、ほとんど埋まっています。
じきに4人組が座敷に座り、満席になりました。
知っていなければたどり着けないような場所にある、ザ・昭和なお店に、欧米人がいます。
もうすぐアップル研究所が来る辺りだからかもしれません。

● バンドファンのオフミ

団体さんは盛り上がる一方。あとからどんどん人が増えていきます。
そのうち、お店にあったなつかしのCDコンポで、なにかの歌を流しだしました。
でも周りが騒がしいうえに、コンポが古いのか、音が割れており、どんな歌なのかよくわかりません。
日本語か英語かも聴き取れないほど。

すると、団体さんは今後はお店のTVをつけ始めました。
なにか番組を見るのかなと思ったら、一人の男性が私たちのテーブルの元へやってきました。
「すみません、僕たち、LiLiっていう横浜で活躍しているバンドのファンで、今回はファンの集いなんです。
 ライブのDVDを流してもいいでしょうか」

ああ、同じバンドのファンなんですか~。
なるほど、納得です。

「あ、どうぞ。LiLiっていうバンドなんですね」
「そうなんですよ。今は活動休止中なんですが」

もう一つの、アップル研究員(仮)のいるテーブルにも許可を取った彼らは、DVDを流し始めました。
「すみませんねえ」と、料理を持ってきたお店の人からも、フォローが入ります。
「前にこのバンドの人たちも、この店に来てくれたことがあるんですよ」
「綱島の人たちなんですか?」
「そうじゃないんですけどね」
ということは、ファンの集いがよくこのお店で開かれ、そこにバンドメンバーもやってきたということでしょう。



お座敷の様子。右のおじさんが、断りを入れてきた人ですが、その上に「かえる唐揚」のメニューが見えます。
ローテーブルの上に積んであるのは、彼らが持ち込んだLiLiのCDとDVDです。
もう、どこをとってもディープ!!異世界ですわ。

盛り上がるのはこれからといった感じでしたが、もうおなかっぱいになった私たち。
お店が満席でもあるので、サクッとお会計を済ませて外に出ました。



ちょうど日没タイムで、空はピンクオレンジ色に染まっていました。
ああ、今頃の原岡桟橋は、きれいでロマンチックだろうなあ。

そこからまた電車に乗り、ベスと別れて帰宅しました。

● epilogue

1泊2日の房総の旅。2年ぶりの海の家。
前回は、のこぎり山に登りましたが、今年は猛暑の中だったので、無理せずゆるゆるの予定を組みました。
やっぱり海岸っていいですね。夏の暑さも楽しめる場所。

1日目は祭囃子と山車の練り歩きを見て、夜は部屋から花火を見て。
2日目は近くの海岸をはしごして、桟橋の先まで歩いていって。
海の向こうの、日常から離れた内房総で、夏を満喫できました。



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