荒廃していた。
全ては崩壊し、見渡す限りひび割れた大地が残されているだけだった。
僕はその中を車で走っていた。
みんなが待っているその場所へひたすら車を走らせていた。
廃墟と化した街を抜け、荒廃した大地を進むうち、
どちらがその場所か分からなくなっていた。
それでも僕はひたすら車を走らせていた。
「間に合うのか・・・」僕は自問してみた。
しかしその答えは分からない。
暗く曇った空がますます不安をあおっていた。
思いっきりスピードを出していたため、その壁に気が付くのが遅れた。
ブレーキを掛けては間に合わない。
僕はハンドルを切って車体を横にしながら制動した。
それでもスピードが殺しきれずに壁に少し当たってしまった。
「大丈夫、まだ走れる・・・」自分に云い聞かせながらまた僕は車のアクセルを踏んだ。
その廃墟は巨大な壁に囲まれていた。
その壁の向こうにやはり廃墟と化した工場が見える。
巨大なタンクや煙突が不気味にこちらを見下ろしていた。
煙突やタンクの形からこちらであろうと判断した方に更に車を走らせていた。
そのころその場所では人びとが部屋に集まっていた。
全ての椅子に多くの人びとが座っていたが、一つだけ赤いソファが空いていた。
その席に座るべき先生をみんなが待っていた。
人びとは不安がってざわざわとざわついていた。
飯島愛が云った「きっと来てくれるから大丈夫よ・・・」
だが、先生が来てくれる気配は全くなかった。
僕もその場所に行って先生を待たなければならない。
暗雲垂れ込める廃墟の街をただひたすらその場所に向かって僕は走り続けていた。
※これは林檎乃麗が見た初夢を文章化したもので、
実在の都市、芸能人とは一切関係ありません。
2007/01/02 12:23
初出:ASAHIネット電子フォーラム、serori・networkの中の会議室「短文文筆家集合所」
全ては崩壊し、見渡す限りひび割れた大地が残されているだけだった。
僕はその中を車で走っていた。
みんなが待っているその場所へひたすら車を走らせていた。
廃墟と化した街を抜け、荒廃した大地を進むうち、
どちらがその場所か分からなくなっていた。
それでも僕はひたすら車を走らせていた。
「間に合うのか・・・」僕は自問してみた。
しかしその答えは分からない。
暗く曇った空がますます不安をあおっていた。
思いっきりスピードを出していたため、その壁に気が付くのが遅れた。
ブレーキを掛けては間に合わない。
僕はハンドルを切って車体を横にしながら制動した。
それでもスピードが殺しきれずに壁に少し当たってしまった。
「大丈夫、まだ走れる・・・」自分に云い聞かせながらまた僕は車のアクセルを踏んだ。
その廃墟は巨大な壁に囲まれていた。
その壁の向こうにやはり廃墟と化した工場が見える。
巨大なタンクや煙突が不気味にこちらを見下ろしていた。
煙突やタンクの形からこちらであろうと判断した方に更に車を走らせていた。
そのころその場所では人びとが部屋に集まっていた。
全ての椅子に多くの人びとが座っていたが、一つだけ赤いソファが空いていた。
その席に座るべき先生をみんなが待っていた。
人びとは不安がってざわざわとざわついていた。
飯島愛が云った「きっと来てくれるから大丈夫よ・・・」
だが、先生が来てくれる気配は全くなかった。
僕もその場所に行って先生を待たなければならない。
暗雲垂れ込める廃墟の街をただひたすらその場所に向かって僕は走り続けていた。
※これは林檎乃麗が見た初夢を文章化したもので、
実在の都市、芸能人とは一切関係ありません。
2007/01/02 12:23
初出:ASAHIネット電子フォーラム、serori・networkの中の会議室「短文文筆家集合所」