リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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2018年6月24日 バド

2018-06-25 07:59:52 | Weblog
先週末は南清和先生から包括臨床Ⅱとして
総合診断からの治療についてのお話があった。
付け加えて、臨床医としてのフィロソフィーのお話があったが
アップデートされた内容であった。
その中で、特に今の臨床家にとってあるべき姿のお話
参加された先生の心に深く響いたと考える。

『研鑽することは自分のためでなく、患者のため』
曖昧な技術と知識しかもたず、日々の治療を行っていることは
結果、患者にとっては不幸なことである、と
患者を幸せにすることが、自分の幸せにつながり
そこから人生の充実が生まれる 
といった内容を皆に熱く語られていた。
南清和先生のフィロソフィーは博愛がもとに
崇高な考えなので、何回拝聴していても興味深い。
今回もいっぱい良い話をきくことができた。

私の日常臨床 37

2018-06-18 07:35:43 | Weblog
今回は他院からの、難治性と思われる症状への処置依頼症例を提示する。
症例は30代女性。 平成22年ごろから顎機能障害に悩まされ
顎関節症治療をずっとうけるも症状が改善しないままとのこと。
本来の主治医の元で、顎関節症治療と平行し歯内治療もうけていたが
歯内治療を受けている歯の予後も悪いと判断され、抜歯を提案されたこともあり、
不安になって転院したとのこと。転院先の医院でも全体的な診査や診断、治療を受けるも
顎機能も歯も症状が改善しないことにより、転院先の医院から紹介されて当院を受診。

当院で診査を行い、症状に対して処置を行ったところ
同日には症状は50%以上改善された。
症状改善のための原因を解決したので、あとは経過をみるだけでよい。
抜歯対象といわれていた歯も、抜歯する必要性はなかったため、
仮歯を装着後、同部でなんでも噛んでよいことを指示しているが
全体的な経過は特に問題はない。

この患者さんの当院での3回目の来院時、当院を紹介された先生が見学に来られ
所見の変化と症状が改善されていることを患者さんから直にきき、何年も悩んでおられた症状が
数日で改善されている事実にかなり驚いていたが、
結論からいえば、原因がわかっているもので対処ができるものは難治性の病態とはいわない。
ちなみに、この先生は自分の限界を素直にみとめ、苦しんでいる患者さんのために
他の医院を紹介するこの姿勢はとても立派である。
病状を改善することができなくても「様子をみましょう」と無理に患者さんを抱えるだけでなく
主症状を改善しきれないまま、他ごとの治療をどんどん行っていく事例も多々みかけるため、
このように患者さんのことを考えた歯科医の姿勢は尊敬に値する。他にどれほどいるだろうか。
また、自分が診ていた患者さんがどういう治療をうけたか見学にくる姿勢にも感心せざるえない。
こういう臨床家がもっと多くいれば歯科医療の質はどんどんあがるのだが…



ところで全く別のことだが、
やめた・ぬけた ではなく やめさされた が正確な表現である。
最近、またきいた話なので正しい経緯について話ておいたw

2018年6月9、10日 日本顎咬合学会学術大会 in東京

2018-06-11 08:19:44 | Weblog
今年もPGI名古屋の会員として誇りをもった7名の先生方が一般口演でプレゼンを行っておられた。
皆、本当によく考え、素直な臨床を提示しておられ、見ていて心地がよかった。
そして私、今学会では一般口演の一セッションで座長をしていた。
面識のない先生方の発表は、考え方こそ違うが、よく考察された内容のものが多く
楽しみながら拝見できたことも幸せであった。

ちなみに今学会において、昨年論文を投稿した当院のDH高木が学会誌編集委員会の投票から
優秀論文賞をいただいたことは、本人にとっても非常によいモチベーションになったと思う。
高木の受賞にあわせ、今月号の学会誌において、私は原著論文を執筆していたこともあり、
非常に多くの学会重鎮の先生からいろいろな言葉をいただいたこともうれしくあった。

これからもメンバーとともに、たたき上げでさらに学術に没頭していきたいと思う
参加されたメンバーの皆さま 本当にお疲れさまでした

私の日常臨床 36 

2018-06-01 07:47:58 | Weblog
今回は動画で症例を紹介しよう
症例は右の顎角部の腫れたような痛みが主訴の30代女性
触診にて同部に強い痛みがあった。
このような事例、とりあえずで鎮痛剤や消炎剤、抗菌剤などを処方しても意味がない。
鎮痛剤で痛みを和らげたとしても、薬がきれたらまた痛みは起こるし
自然治癒はあるかもしれないが、原因を解決しないことには再発することは目にみえている。

診査したところ、原因は歯科的な領域での問題でこの部位に症状が起こっていることが
判断できたため、対処を行った。そしてすぐに結果はでる。
〈何を診査して、どのように処置をしたかはPGI名古屋会員にしか解説しない〉
即時に原因を的確に見抜く診断能力を身につけていることが
臨床歯科医の責務だと考える。

因みに歯科的要因を疑い、診査診断のために資料を収集することは
緊急処置を行い、症状が和らいでからでもできることである。

PGI(寿谷理論)の真髄はこのような事例でも発揮される。

動画記事(下をクリック)
 ↓
顎の腫れたような痛み