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臨床で撮った症例資料から思う所

2022-08-14 08:05:13 | Weblog

私のブログで紹介した日常臨床は、今までに1~60症例提示してきた。
まだ紹介していない症例や、ウェブ上で提示するつもりがないクローズの勉強会でしか使用しない症例をあわせると
今回改めてパワーポイントを数えてみれば257部あった。
撮った写真は開業当初から現在まででどれくらいの枚数があるかわからないが、
毎日フォルダに整理しないとごちゃごちゃになってしまう。
ただ、この多くの症例は、普段の日常臨床でプレゼンに用いる用いないに関係なく、様々な事例の記録をとり続けていた結果
何かのプレゼンの機会に、テーマに沿った症例をすぐにセレクトできるようになっている。

症例発表や勉強会に使用したいと思う事例だけの記録を取ることは、感心できることではないと個人的には思う。
記録を採取することは、自分の臨床を自分自身で見直すことが最大の目的であることを我々は忘れてはいけない。

ちなみに、同じ症例を学会や研修会、勉強会などのいろいろな場で使いまわすのもよいかもしれないが、
このような発表者のプレゼンを見ていると、いろいろな場で意見や指摘をされて、
その度に診査診断や治療における考え方、問題提起などの内容を変えてしまっている傾向が非常に多い。
当の本人は洗練された内容に仕上げているつもりが、このことは正しい見方をすれば
症例が評価されるためだけのフィクションストーリーになってしまい、臨床の真実はなくなってしまう。
ゆえ、意見や指摘をされた場合、スライドの構成内容で変更(修正)できる点というものは
ある項目しかやってはいけない。これ以外を変更してしまうと内容を改変することになる。
臨床をいかにちゃんとやるかにこだわる方が大切なのだが、
この様に自他に称賛にこだわる、残念な歯科医がいることも事実である。
私が尊敬する臨床家でも、日本国内屈指の臨床を行っているあるお二人方の先生が
「認定医やら指導医とか、そんなもの何も持たないのが自分のポリシーだ」とおっしゃってるように、
学会認定の認定医や専門医、指導医などの資格、講習会をいっぱい行っていることや、
理事などの指導的立場ということで、しっかりとした臨床をいつもで行っているとは限らない。
私も50歳を過ぎて、長年臨床に携わってくると、尊敬する先生方のお話が本当に的を得ていると
しみじみ思うようになった。

ネットにお金払って口コミ評価を上げるような情けない経営戦略をするのは論外として、
名声にこだわることや、くだらない経営戦略術や競争社会からの宣伝広告などから脱却し、
守銭奴とならぬよう、とにかく一つ一つの臨床にただひたすら実直に向き合うことにこだわっていけば、
自然と歯科界全体の質は向上するであろう。

「虚飾より事実」 目前の事実にどう向き合うか これが我々の本来のあるべき姿である

 

 


8月2日 PGI月例会

2022-08-03 08:20:48 | Weblog

昨日行われた今月のPGI名古屋Zoom月例会は
前半に塚本先生から症例検討、後半に私からフッ化物による予防についての内容。

塚本先生からは難治性の顎関節症患者と
咬合に問題がある事例の長期観察から考えたことについてのプレゼン。
臨床でよく遭遇しそうな事例で、両症例に対してどのようなことを考え
対処しなければならないかディスカッションが盛り上がった。

後半の私の内容は、予防歯科の中でもフッ化物応用に問題提起を上げ
患者のセルフケアで大きな効果をあげるための
患者と歯科医・衛生士が認識しないといけない点や
フッ化物洗口液による予防効果を上げるための、
重要な事項などを臨床例を交えて紹介した。
こちらもディスカッションも盛り上がり
定刻を30分超過した勉強会となった。

来月は松井先生から矯正治療についてがテーマ


7月 PGI名古屋月例会

2022-07-16 08:22:09 | Weblog

12日の夜 当会の月例会が行われた。
今回のパネラーは浦田先生。テーマは中心位。
中心位の定義の変遷、捉え方の混乱について、そして
中心位、中心関係、中心咬合の言葉の意味は
どう解釈するべきかについて説明されていた。
時間的に余裕があったため、私の方からも
この言葉の定義と過去からの変遷について補足する説明を行い
中心咬合とはどういうものかの、実際の臨床例を
動画を交えて参加者に供覧してもらった。
結局予定終了時間を20分オーバーした、内容の濃い例会となった。


顎機能障害(顎関節症)の治療を体感してもらう

2022-07-11 08:19:19 | Weblog

昨日は当会のメンバーでも顎機能の異常を自身でも自覚できている
何人かの歯科医がデモ患者として、実際顎機能障害を有する患者が
治療を受けたあとの変化をどう感じるのか体感してもらい、
また、実際どのように行うかを見てみたいという有志の先生方に感想を
話してもらう実習を私の医院で行った。

開口路が右側や左側へ偏位している事例
筋触診で異常がみられる事例
クリックがみられる事例
これらが重症の病態でなければ数十分の処置で改善する様を
言葉よりも実際の手技で証明したことにより
被験者はかなり驚いていた。
見よう見まねや浅い概念で行ってしまうと結果をだすことは
できないし、余計に病態を複雑化してしまうこともあるので
そのこともふまえ実際の詳細な手技について見てもらった。

この実習を私の医院でやると私も助かる面がある。
普段医院の細かいところまでの掃除を、
私を含めスタッフみんなでやってる分、実習前日はそうじをせずに
実習当日、参加者全員に
「医院を使用して教えてあげたんだからきれいにして」ということで
超大掃除級のことをしてもらうので、本日院内はピカピカである。
皆にありがとうと申し上げたい。

ここまで掃除してくれるなら、毎月末に実習やってもいいかも…


2022年7月3日 PGI名古屋 春季例会

2022-07-04 08:10:57 | Weblog

本年度の例会が昨日行われた。
今回の基調講演講師は品川区開業の新井俊樹先生。
私は新井先生と10年以上親交があり、この先生の素晴らしい臨床と
その考え方が好きで、いろいな場所で新井先生のご講演を拝聴していたが
今回は当会のメンバーにも、本当の基本治療とはどういうものかを知ってほしく、
基調講演にご登壇いただいた。
内容はやはり非の打ちどころがないきめ細やかな考え方からくる
見る者を圧倒する症例群と、昨今の歯科医師の治療計画に対する警鐘のお話
長い臨床経験による、本当の治療とはなんぞやという盛りだくさんの内容であった。

会員発表では、小野先生、葛島先生、長屋先生、松井先生がプレゼンをされ、
どの症例も非常に質が高く、見ごたえとディスカッションがとても盛り上がった
内容であった。

秋は10月23日に行われる。
次の例会も非常に密度が濃く、質の高い例会となる基調講演と
会員発表者の面々である。


節電 に思う事・・・

2022-06-29 12:16:37 | Weblog

今夏 温暖化が進み毎日異常な暑さが続く中、
電力供給問題が取り上げられ、節電がよびかけられいる。
そんな世相から、いろいろ思う疑問がある。

例えば、車のEV化推進。2025年には自動車メーカーは
こぞって電気自動車のみ生産をと掲げているが、
本当に電気自動車が中心で、社会の交通が成り立つのだろうか?
災害が起こったとき、電力の供給はストップすることが多い。
交通渋滞で充電が少なくなったとき、どうするの?
モールなどに数機ほど電気スタンドはおかれているが、
EV化が進んだ場合、スタンドの取り合いの問題も発生する。
何より、この様な時期に自宅で充電を行う事で、節電を意識すると
他の部分で我慢せざる得ない状況も起こってくるであろう。
ちなみにEV自動車の生産行程は、
従来の自動車生産よりもCo2排出や産業廃棄物が多いらしい。
でもって基盤が複雑に多数存在するため、車の修理代は
とても高額になるらしい。 一体EV自動車の何がよいと考え
EV推進を掲げるのだろう。

歯科においても、医院設備のデジタル化が進み
デジタル機器・器材は当然電気を使用する。
そんなことからも思うことは、災害が起こったときは勿論のこと
節電を考えた場合、なんでもかんでも電力に頼ってしまうことは
いかがなものだろう。
アナログを知らないまま・駆使できないまま、デジタルに依存することは
好ましくないと普段から考えている分、
「節電」をよびかけている新聞やニュースを見て、
ふと人間の勝手さに苦笑してしまう。

原発反対という意見もある。では火力・水力発電などで国内の電力は
賄えるのか? 節電どころの問題ではないと思う。
参議院選挙活動が行われているが、どの政党のいっていることも
現実的にどこからそんな予算がでるのか疑問だし、
そんなことより円安をなんとかしてほしい、こんだけ物価上昇しているにも
かかわらず円安を黙視している政府にただ疑問を持つだけである。

もっとぼやきたい気持ちもあるが、暑い部屋の中、汗だくで頭がぼーとしているので
ボヤキはこれくらいにしておこう・・・


2022年6月14日 PGI名古屋月例会

2022-06-15 08:03:19 | Weblog

昨日行われた月例会 今月のパネラーは飯塚先生
顎関節症治療がテーマであった。
一般的にいわれている顎関節症の治療指針と
そこから考えた臨床を問題提起にあげ、
彼の行った顎関節症治療の臨床例をいくつか提示し、
積極的な歯科での介入治療の有効性について解説がされた。

内容的には、理路整然と考察されたよい臨床で
結果的にも患者が非常に満足したであろうと
拝聴している側も予測できるものであった。
臨床でよく遭遇しそうな症例群だったので、
ディスカッションも盛り上がり、中々充実した例会だった。


私の日常臨床 Vol.60

2022-06-06 08:18:54 | Weblog

今回提示する症例はVol59と似た様な事例。
奥歯がかけたことが主訴であったが、開閉口運動の所見に違和感を感じた私が
問診したことから顎口腔機能に異常があることが判明した症例である。
慢性的な偏頭痛をもっているため歯科的要因との関連の有無をまず鑑別することと
(ほぼ確実に歯科的要因であるが)、要因となっている部位の特定を行うために
まずスプリント療法から行った。
スプリント療法により、頭痛や開口運動の改善がみられ、また原因部位の特定も
行うことができたので、得られた情報を基に処置を行った。
状態安定後、あとは最終的な処置を行った。
治療後も顎機能の安定は見られている。
この症例も前回の症例同様、スプリント療法、咬合治療、修復治療など
すべてを保険診療で行った。

因みに近年、顎機能障害と診断された事例に「理想的な顆頭の位置での咬合治療」を掲げ
CBCTの画像を用い、理想と思われる顆頭位に顎位を誘導し、その顎位で
咬合再構成を行うデジタルな治療がトレンドとされているが、
顆頭位を誘導しなければならないような症例は、臨床ではとても少ないと考える。
特に本症例やVol59の様な事例に対して、この発想自体を考えてほしくないため加筆しておく。


2022年5月29日 此花区 長谷川歯科院内勉強会

2022-05-30 08:13:08 | Weblog

大阪の長谷川歯科医院でのインプラントの勉強会にて話をする機会をいただいたので
先週土日は実家帰省がてら大阪に行ってきた。
長谷川歯科医院はとても規模が大きく院内の設備に圧倒された私であった。
勉強会では、インプラント治療の基礎外科と補綴(上部構造)についての考え方、
インプラント治療における感染事例、失敗事例に対するリカバリーの方法を
予後10年以上の症例ばかりで提示して私の臨床を紹介した。

参加されていた先生方やDHさんにはすごく喜んでもらえた。
大阪で開業している大学時代の友人・丸山先生も当日来られて、
久しぶりにいろいろ会話もでき楽しい時間を過ごすことができた
充実した大阪滞在であった。

帰路、名神集中工事での渋滞に悩まされたが…


2022年5月18日 銀座へ

2022-05-19 07:59:37 | Weblog

昨日は朝から東京の野寺先生の医院に出向き、患者さんの治療を行った。
私が一般治療、野寺先生が矯正治療を行っている患者さんであるが
中々愛知に行けないということで、今回は私が東京までいくことになった。
11時から1時間ほど私が処置を行い、その後40分ほど野寺先生が矯正処置を
行っていた。処置後、私は一宮で所用があったため、
すぐに愛知に戻るというあわただしい一日であった。

ちなみにこの症例は、重度の顎機能障害があった事例である。
治療過程において矯正治療が必要な場合、専門医と連携をとって行う
いわゆるインターディシプリナリーアプローチであるが
この言葉を掲げ連携するには、具体的にどのタイミング(複数回)で、
どのような点を再評価し、どのような処置を行うかが、治療の成功を導く
大きな要因となる。
患者さんは、コロナの影響で1年近く愛知に来ることができなかったため
矯正治療中に顎機能異常が軽度だが再発している状態であった。ゆえ
そのこともふまえ私は処置を行い、開閉口路が1時間の処置で正常に戻すことができた。
動的治療期間中でもこのようなチェックと処置を行わなければ、
矯正治療の明確なゴール設定は困難と考える。

あともう少しの期間でこの患者さんの治療を終えることができるであろう。


2022年5月10日 PGI名古屋月例会

2022-05-11 07:28:32 | Weblog

昨日は当会の月例会(Zoom)
今月の担当は前岡遼馬先生。テーマは基本治療。
昨今の歯科事情に対する問題提起と、
そこから彼の考える臨床歯科についての考え方の話があった。
内容的に非常に面白い、理路整然としたものであった。
また徹底した基本治療と規格性のある資料がそろった症例の提示があり
参加された先生方には非常に刺激になったであろう。
今回の月例会も非常にクオリティーが高い内容であった。

来月は飯塚先生による、顎関節症治療がテーマ
どのような内容か楽しみである。


私の日常臨床 Vol.59

2022-04-27 07:39:34 | Weblog

今回の症例は33歳女性。
上顎両臼歯の慢性的な鈍痛と、目の下のこわばりとほてり感が主訴であった。
当院に通院していた患者さんの紹介で来院。

初診時口腔内所見では一見何も問題が無い所見で、ハイジーンも良好な口腔内。
顎運動は開口運動時、右顎関節にミドルクリックがみられ最大開口量は44㎜であった。

この症例において私は、私が疑っている症状に確証を持つために
スプリント治療を始めに行っていった。
スプリント治療によって症状が軽快したことを確認できたため
スプリントによって分かった咬合の問題点に対処を行ったところ、
主訴であった症状は完全になくなった。
この時点ですでにクリックも消失し、顎運動も非常にスムーズになっていた。
あとは個々の歯の問題に対して処置してあげるだけでよい。
一見難しそうな症例であるが、見るべき疑うべきものへの診査と診断を
的確に行っておれば、何ら難しい事例ではない。
スプリント治療と咬合治療、その後の修復処置はすべて保険診療で行った。
術前術後の提示している写真でいろいろ想像してもらいたい。

ちなみにこの様な事例は
病態に対する捉え方へ慎重に向き合っていれば、
原因解明を行うために、あれこれいろいろな診査をする時間と労力は必要なく、
何を省けるか、どのようなアプローチが近道か大体分かるものである。


2022年4月12日 PGI名古屋月例会

2022-04-13 08:16:55 | Weblog

今月の当会の月例会は鳥居先生による論文検討。
インプラント治療を得意とされている先生なので
インプラント関連の内容と思いきや、ペリオと咬合についての内容であった。
内容としては、咬合性外傷について歯周組織病変との関連を
論文を基にご自身の臨床例を考察した内容を述べられていた。
ご自身の症例に対する考察と結果については
よく考えられており、参加された先生方には
参考になる部分が多かったであろう。

来月は前岡先生がパネラー
基本治療についての話
非常に楽しみである


私の日常臨床 Vol.58

2022-04-05 08:03:18 | Weblog

けっこういろいろ忙しく、更新すっかり忘れていた。

今回の症例は、舌のできものが治らなく痛い という主訴の症例
他院でずっと軟膏を塗布し経過を見てもらっていたが
一向に症状が改善しないということで当院を受診された。
初診時の所見では、確かに右側大臼歯相当部の舌縁下に異常所見がみられた。
軟膏を塗布しても症状が改善されないとのことであり、この様な場合
原因は他にあると考えなければならない。
(念のため当院では、総合病院に病理検査の依頼を並行して行った)
口腔内をじっくり観察した結果、義歯による問題が主訴部の大きな原因と推察し
まず義歯の問題に対処を行った。その結果、症状は徐々に改善された。
この様な事例からも分かるように、
歯科では歯周組織ばかり着目して治療を行うことが多いが
口腔周囲粘膜や舌といった組織との調和も考えなければならない。
また、この症例では審美的な観点からノンクラスプデンチャーの義歯設計であるが
私はノンクラスプデンチャーの適応症例は本当に限られていると考える。
この点については明確な理由があり、症例ではこのことも原因の一つである。

本症例は他にも問題が多くあったため、私の考える視点で全顎的な治療を行った。
ちなみに理想治療として矯正は行う必要はないと考える。
様々な視点で歯科治療を行わなければならない症例である。


2022年3月27日 師匠のお手伝い

2022-03-28 08:00:01 | Weblog

先週末は相模大野へ師匠のお手伝いに行っていた。
動的診断のパートを私が担当しているが
今回は矯正医の方が多く来られているということだったので
矯正医向きの内容にアレンジをして、
動的咬合における重要なトピックスについて解説を行った。
師匠の講義も新しい内容が多く、私自身も非常に勉強になることが多かった。
今回も充実した日程を過ごすことができた。